《解 説》
本件は、平成三年四月に施行された愛知県議選における条例による議員定数の配分が違法であるとして選挙の無効を求めた訴訟である。
Xら選挙人の主張の骨子は、同県において配当基数が〇・三一二二である北設楽郡選挙区と同〇・三一一六である南設楽郡選挙区(いずれも平成二年の国勢調査人口によ...
《解 説》
一 Y1(京都ホテル)は、京都市中京区河原町通二条所在の「旧京都ホテル」を取り壊して、その跡地に、地上一六階・地下四階、建物の高さ六〇メートルの「京都ホテル」の建築を計画し、平成三年七月、建築基準法所定の建築確認を得たうえ、その建築をY2(清水建設)に請け負わせ、Y2において京...
《解 説》
一 本件は未だ離婚に至らない別居中の妻が夫に対して子の引渡しを求めた人身保護請求事件である。弁護士である夫Aは、子(一歳九か月)の世話をきちっとするから安心して腰痛の治療のためアパートへいきなさいと嘘をいって、その隙に子Cを連れだし、自己の住居に移した。それ以後、夫婦がいた旧住...
《解 説》
一 Xは、Yと夫婦であるが、両親との同居の件で不仲となり、平成元年三月、Yが長男A(昭和六一年二月生)を連れて実家に帰り、Aとの面接を拒否するため、Aとの面接交渉を求めて審判の申立てをしたものである。
一審は、XがAの通う幼稚園又は学校の行事に参加するという形態によるAとの面...
《解 説》
一 本件は、婚姻中の妻Xが、夫婦間の不和により未成年者を連れて別居するに至った夫Yを相手方として、右未成年者の監護者をXと定める旨の審判の申立てをした事案である。
一審は、父母が事実上の離婚状態で別居し、子の監護につき協議が調わない場合において、子の福祉のため必要がある時は、...
《解 説》
一 Xらは、日興證券株式会社の株主であるが、同社の取締役Yらが同社の一部の顧客に対し証券取引等に関して生じた損失を補填するという違法な行為をしたことにより同社に損害を被らしめたと主張し、商法二六七条の株主代表訴訟の規定に基づき、四七〇億七五〇〇万円を同社に連帯して支払うよう求め...
《解 説》
一 訴外Aは、Y銀行神戸駅前支店と預金取引をしていたが、平成三年七月二日、破産宣告を受け、Xがその破産管財人に選任されたため、Yに対し、預金の支払を請求したものであるが、Yは、平成三年六月二六日、YのAに対する貸金債権と右預金債権とを相殺したとして預金の支払請求を拒否したため、...
《解 説》
本件は、建物所有者X(国鉄から資産を承継して債務償還のための資産処分等を行うことになった国鉄清算事業団)からこれを占有するY(理髪業者)に対する建物明渡請求事件(付帯請求は損害金請求)である。抗弁としては、賃貸借契約に基づく占有正権原の主張及び明渡請求が権利濫用である旨の主張が...
《解 説》
一 競売の目的土地の一部について、抵当権設定前からの賃借人が、賃借地上に建物(競売の対象外)を所有していたが、その建物と賃借権を土地所有者に売る契約をした。しかし、売買代金の一部が未払いのままである。賃借人は、代金の支払を受けない限り、建物から退去しないと主張している。そこで、...
《解 説》
一 訴外Aは、平成三年二月二五日、普通貨物自動車を運転して名古屋市内を走行中、交通事故にあって死亡したが、右自動車については、Y1保険会社との間で一〇〇〇万円の搭乗者傷害保険契約が締結されていた。
そこで、Aに対して貸金債権を有するとするXは、右保険金の受取人はAの相続人であ...
《解 説》
一 Xは、昭和六三年六月当時、Y1の経営する「相模野カントリー倶楽部ゴルフ場」に勤務していた者であるが、同月一五日、同ゴルフ場の相模コース九番ホールにおいてキャディーとして勤務中、Y2が同ゴルフ場の城山コース一番ホールティーグランドから打ったゴルフボールを前頭部に受け、頭部挫傷...
《解 説》
一 火薬類取締法二一条は火薬類の所持を一般的に禁止した上でいくつかの除外事由を定めているが、本件は、そのうちの八号の解釈が問題となった事案である。なお、その背後には、同法二一条違反の罪(不法所持罪)と二二条違反の罪(残火薬類措置義務違反罪)の両罪の関係をどのようにとらえるかの問...
《解 説》
一 XとYとは、昭和三六年婚姻した夫婦であり、その間に長女(昭和三七年一二月生)と長男(昭和四三年一二月生)の二子を儲けた仲であったが、その後夫婦仲が悪化し、昭和六〇年三月、Yは離婚を決意してXと別居するに至った。しかし、その際Yは、Xが自宅の鞄に入れて保管していた二一口の国債...
《解 説》
一 本件は、中核派革命軍の対人闘争部隊の班長であった被告人が、(1)同軍のメンバー数名で行った自動車の窃盗、及び(2)同じく数名で行った強盗致傷(千葉県収容委員会会長を路上で襲い、鉄パイプ等で殴打し金員を強取したもの)の各犯行につき、いずれも共謀共同正犯者として起訴された事案で...
《解 説》
一 原告は、その所有農地を第三者に賃貸していたが、賃借人が無断で転貸もしくは賃借権の譲渡を行ったとして、昭和五七年一二月二九日、大阪府知事に対し農地法二〇条一項による解除許可の申請をした。しかし、右申請に対して応答処分がなされないまま八年以上が経過したので、平成三年五月一〇日、...