《解 説》
一 Xは、A市の住民で、A市が進めている土地区画整理事業の地権者であるが、A市公文書公開条例(以下「本件条例」という。)に基づき、A市長Yに対し、①土地区画整理審議会の議事録、②同審議会の意見の内容、③仮換地前後の測量図面、④右審議会委員の名簿について、その公開を請求した。Yは...
《解 説》
Xは市街化区域内に農地を取得し、農地転用届をしたうえ、同地上に木造瓦葺二階建居宅を建築するため、Y建築主事に建築確認の申請をしたところ、Yは、都市計画法二九条の開発許可権者(県知事から土木事務所長に委任されている)の判断により開発許可が必要であるとされており、その適合証明書が添...
《解 説》
一 本件は入院中の躁鬱病患者の自殺につき、病院側の患者管理等の責任が争われた事例である。
訴外Aは二三歳であった昭和六二年一月当時、躁鬱病の治療のため、被告Yが運営する病院に入院していたが、一月二二日の深夜、病室を抜け出して失踪した。Aは、それから一年四か月後の昭和六三年五月...
《解 説》
一1 原告の主張によると、原告は、昭和五七年八月一一日丙1会社(セントランス・被告・被控訴人)との間で、形式的に雇用契約を締結し、同日、丙1社から形式的に丙2会社(セントラルエンジニアリング・被告・被控訴人)への出向を命ぜられ、さらに丙2社から乙会社(松下通信工業・被告・被控訴...
《解 説》
競馬法(平成三年法律第七〇号による改正前のもの)三条一項本文は、中央競馬の開催について、競馬場毎に年三回と規定していた。中山競馬場から五〇〇メートル以内に居住し、電気工事店を経営しているというXは、同競馬場において中央競馬が年五回開催されているのは同法に違反しており、農林水産大...
《解 説》
最判昭41・7・13刑集二〇巻六号六〇九頁、本誌一九五号一一四頁及び最判昭42・7・5刑集二一巻六号七四八頁、本誌二〇八号九七頁は、起訴されていない犯罪事実をいわゆる余罪として認定し、実質上これを処罰する趣旨で量刑の資料に考慮することは許されないが、単に被告人の性格、経歴及び犯...
《解 説》
本決定は、茨城県高萩市所在のゴルフ場「茨城カントリークラブ」の会員権を大量に乱売したゴルフ会員権販売業者に対して、破産を宣告したものである。株式会社三輝は、昭和六三年一一月ころから右会員権につき、超安値を売り物に大規模な宣伝を行い、また多数のゴルフ会員権販売業者を高率の販売手数...
《解 説》
民事執行法一八一条一ないし三号及び二項の法定文書の性質については、これを準債務名義とする説と法定証拠にとどまるとする説とがある。このいずれの説においても、債権者は、競売の申立てに当たり、法定文書を提出すれば足りると同時に、法定文書の記載内容を他の証拠で立証することは禁じられてい...
《解 説》
一 Xは製飴業等を営む法人であるが、その工場に発電用ボイラー設備及び蒸気タービン発電設備を設置するため、Aと請負契約を締結して、右設備を発注した。設備の設置の経過の事実関係については直接判文を参照されたいが、要するに、本件事業年度内(昭和六〇年三月三一日まで)に、工場への設置が...
《解 説》
住民訴訟の前提となる監査請求は、対象とする財務会計上の行為又は怠る事実を、他の事項から区別し、特定して認識できるように個別的、具体的に適示してしなければならないとするのが判例である(最三小判平2・6・5民集四四巻四号七一九頁、本誌七五〇号一五一頁)。本件では一審(東京地判平2・...
《解 説》
本件は、小規模企業共済法による共済契約に基づきY(中小企業事業団)から契約者Aの死亡によりその配偶者に支払われるべき共済金六二〇万円余の帰属について、内縁の妻Xと法律上の妻Zの間で争われ、XとZがそれぞれYに共済金の支払を求めた事案である。
本判決は、法律婚以外に重婚的内縁関...
《解 説》
一 Xの夫Aは、昭和四二年四月教員として採用され、昭和五三年四月から尾張旭市立瑞鳳小教校教諭として勤務していたが、昭和五三年一〇月二八日、同市内の別の小学校で行われたポートボールの練習試合で審判として指導中、気分が悪いと訴えて倒れ、同年二月九日、脳内出血により死亡するに至った。...
《解 説》
Xの保有する自動車が時速約一〇キロメートルで走行中、その右前部が、Y1が運転し、Y2が同乗していた自動車の左後部に擦過するように接触した。Yらはそろってその翌々日から一八日間入院し、その後、Y1は二三三日間(実日数八九日)、Y2は四三日間(実日数一八日)通院治療を受けた。Xは、...
《解 説》
一 本件はマニラにおける被保険者の死亡が保険金殺人の疑いが濃厚として保険金請求が排斥された事例で、その判文中に原告(保険者)が保険金目当てに甲を被保険者とする本件保険金契約を結んだとの疑いを払拭することができないとの説示をしており、これが新聞等に広く報じられたものである。
二...
《解 説》
一 Y1は商品先物取引の取次業を営み、Y2は小豆の先物取引市場を開設しているものである。Xらは、Y1と小豆の先物取引をY1の外務員Aを通じて行ってきた。XらのY1との取引方法は、X1及びX2がその他のXらの分をとりまとめ、主としてX1がAを通じて注文するというものであった。Xら...