《解 説》
本件は、国Yの防衛費の支出が憲法前文の平和的生存権、九条・一九条・二〇条等に違反するとして、Xら二〇名がYに対し、①所得税のうち自衛隊関係費相当分の納税義務がないことの確認、②YがXらの納付する所得税を自衛隊関係費に支出してはならない義務の確認、③Yが自衛隊関係費を支出し、また...
《解 説》
一、特許に関する手続をした者は、事件が特許庁に係属している限り、原則として手続の補正をすることができる(特許法一七条)。しかしながら、願書に添付した明細書又は図面(以下「明細書等」という。)については、第三者に思わぬ不利益を及ぼさないとの配慮から、出願公告決定の謄本の送達後と前...
《解 説》
一 本件は、Xが、その所有地は墓地であるから地方税法三四八条二項四号により非課税であるとして、Y1区長に対し、固定資産税・都市計画税の賦課決定処分の取消しを求めるとともに、Y2固定資産評価審査委員会に対し、地方税法四三二条に基づく審査の申出を棄却する旨の決定の取消しを求めた訴訟...
《解 説》
一 本件は、公立高校の校長及びその誘いに応じた教諭二名による入試答案改ざん事件として、発覚当時マスコミに大きく取り上げられて世間を騒がせた事件の判決である。被告人らは、受検生の父兄から合格のため便宜を計って欲しい旨の依頼を受け、校長室の金庫に保管してあった学力検査問題解答用紙の...
《解 説》
一 X(申請人・抗告人)は、昭和四一年九月五日、Y(被申請人・相手方)との間で、公正証書をもって、Yの所有する本件土地を無償でXに贈与する旨の死因贈与契約を締結したとし、死因贈与による所有権移転請求権の仮登記仮処分を申請したものである。
二 一審は、X主張の契約の成立が疎明さ...
《解 説》
Xの妻Aは、Y保険会社との間で、保険者をY、被保険者をA、保険金を事故死の場合に一〇〇〇万円とする生命保険契約を締結したが、保険金受取人を指定しないまま事故で死亡した(もっともXは、保険金受取人として相続人が指定された旨主張したが、本判決はこれを認めていない)。Yは、本件契約に...
《解 説》
本件は、自動車会社の新入社員として五日間の合宿訓練を受けたXが、その合宿訓練により神経症になったと主張して、労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付と障害補償給付を請求したが、労働基準監督署長(Y)から各給付を支給しない旨の決定を受けたため、その決定の取消を求めた事案であり、X...
《解 説》
一 事実関係
1 Y(被告・控訴人・女)は、昭和六二年一二月姉甲と共同で本件土地を買い受け、持分Y一〇分の九・甲一〇分の一の所有権移転登記を経たが、Yと甲は共同で同六三年本件土地上に本件建物を建築し、同年一一月それぞれの持分を二分の一とする共有とし、その旨の所有権保存登記を...
《解 説》
本件は、遺産分割の協議の申入れ又は調停の申立てを遺留分減殺の意思表示とみることができるかどうかをめぐる問題を扱ったケースである。
被相続人Aは、昭和五二年八月一日死亡し、相続人は、B(長女)、Xら(二、三女)、Y(長男)の四人である。
Aは、昭和二二年本件第一土地建物を購入...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、原告らの長男Aが自宅の二階の窓の手すりに身体を二つに折るようにしてもたれかかった状態で死んでいた事故について、原告らが、Aは被告が設置した家庭への引き込み電線により感電死したものであるとして、電気供給契約に付随する債務の不履行責任及び民法七一七条に基づ...
《解 説》
一、本件の事案
Xは、自己がY1社の唯一の株主でありかつ代表取締役であったところXの内縁の妻Y2が不法な本件各株主総会決議を行って自己をY1社の取締役、代表取締役から排除したと主張して、Y2~Y11(Y3以下は、X、Y2間の子ら等)ら現在のY1社の登記簿上の各員の職務執行停止...
《解 説》
Xはフリーの照明家であるが、Y県が設置管理する多目的ホールにおいて行われる予定の芝居公演のためシーリングライトの操作準備をするべく、天井裏のキャットウォークからシーリングライト付近の梁上に足を掛けようとしたところ、誤って九・五メートル下の客席補助椅子上に転落し、骨盤骨折等の傷害...
《解 説》
平成元年四月に施行されたS町議会議員一般選挙において、選挙会は最下位の当選者をZ=森長巖(森長イワオと届け出)と決定し、町選挙管理委員会はその旨告示した。同選挙会の得票計算によれば、Zの得票は二一八・三八六票、次点のXの得票は二一八票で、その差はわずか〇・三八六票であった。Xは...
《解 説》
一、本件は新聞発行者の著作権に基づく差止請求を、将来発行される新聞に関するものを含めて認めた仮処分事件であり、債務者からの異議申立てに対する審理の継続中であるが、新聞報道等のなされた事件であるので紹介する。
二、債権者はアメリカの代表的な経済紙「ザ・ウォール・ストリート・ジャ...
《解 説》
一、本件は、アメリカ合衆国オハイオ州においてYがXにノウハウ侵害の差止、不当利得返還及び損害賠償を求めて訴えを提起したのに対し、Xは欠席のまま応訴せず、日本で差止請求権並びに不当利得返還及び損害賠償債務の不存在確認を求めた事案である。
Yは、国際裁判管轄の不存在を理由に訴えの...