最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 本件土地(一七六平方メートル)について平成二年四月一〇日競売開始決定が下され、同年八月一日に評価人Y2作成の評価書、同年九月一七日に執行官A作成の現況調査報告書がそれぞれ執行裁判所に提出された。Y2とAはこれに先立ち、共同で本件土地に臨み、北側の境界線を確認したが、南側の平...
《解 説》
一 事案の概要
1 原告は、テレビ等に用いられているプリント配線板用銅張積層板(本件商品)のメーカーである同業七社と共に、昭和六二年初めころから同年六月一〇日までの間に、一〇回余り、本件商品等の販売価格の下落防止、その引き上げ等について情報交換や意見交換を行っていた。原告は、...
《解 説》
一 本件は、被告会社の現又は元従業員一〇名が原告となって、被告会社に対し、被告会社から日本共産党員又はその支持者(以下「共産党員等」という。)であることを理由に、人事考課ないし査定等において、同期同学歴の標準的な従業員(以下「標準者」という。)に比較して著しく不利益な取扱を受け...
《解 説》
一 本件は、いわゆるロス疑惑としてマスコミ等で報道された事件のうち、ロスアンジェルスにおける銃撃殺人事件である。このロス疑惑関連事件としては、本件の被告人でもあるAが、当時の愛人Bに依頼して、ロスアンジェルスのホテルの一室において、Aの妻Cをハンマー様の凶器で殴打して殺害しよう...
《解 説》
一 中華人民共和国の国籍を有する外国人である控訴人(原告)は、難民の認定を申請したが、その認定をしない旨の処分をされたので、その取消しを求める本件訴えを提起した。ところが、控訴人は、予て退去強制令書を発付されていたので、これを執行されてその国籍の属する国である同国へ送還された(...
《解 説》
昭和六二年二月一七日午後五時過ぎ、栃木県立宇都宮南高校のグランドで同校野球部の練習中、投球距離を通常(一八・四四メートル)の約三分の二としたハーフバッティングで投手を務めていた原告が、打者からのライナー性の当たりを頭部に受けて、頭蓋骨が陥没するという障害を受け、その場で倒れ痙攣...
《解 説》
一 本件は、執行官が現況調査の際に目的物件の特定を誤ったことにつき過失があるとして、買受人の国家賠償請求を認容した秋田地裁の第一審判決(秋田地判平4・2・17本誌八〇〇号一九九頁)の控訴審判決である。
事案は、A執行官は現況調査のために、評価人Bとともに、現地の町役場建設課管...
《解 説》
Xは、昭和四八年四月、学校法人であるYに専任教諭として採用され、同五四年までYの高校において日本史、世界史等の授業を担当し、クラス担任を受け持っていた。しかし、Xは、同五四年四月からは校務分掌の一切を外され、同五六年四月からは席を職員室内の出入口付近に一人だけ移動させられ、同五...
《解 説》
一 Xは、Yの先代から転売用のマンション六室を購入しその引渡を受けたが、その建物の九階部分の庇が建築基準法上の道路斜線制限(建築基準法五六条に定められた建物の高さ制限の一つで、前面道路の反対側の境界線までの水平距離により建物の高さを制限するもの)に違反していたため、同法七条三項...
《解 説》
X(上別宮町内会)は、徳島市川内町上別宮地区の全住民を構成員とする法人格のない社団であるが、地区住民の総有に属する本件土地をYら三名(Y1はXのその当時の代表者)が共謀して他に売却したり、Y1が住職である寺の墓地として永代借地権を設定し、損害を与えたと主張し、債務不履行又は不法...
《解 説》
本件の事実関係は次のとおりである。X1はかねてから治療していた糖尿病に加えて合併症が疑われ、更に脊椎麻痺による背部痛及び歩行困難等の症状が急速に出現・悪化したため、昭和六一年九月三日Y1経営の病院に転院し、Y1との間で脊椎治療を目的とする診療契約を締結した。Y2(担当医)は悪性...
《解 説》
本件は、公正証書遺言の要件中、「口授」の存否が争われた事案であり、本判決はこれを否定し、法定相続分に応じた共有持分の確認等の裁判を下した(なお、受遺者が養子であり、縁組の効力も争われたが、本判決は、その効力は肯定した)。
右公正証書遺言に先立ち、遺言者Aの次男亡Bの妻Yは、A...
《解 説》
Xから夫Yに対し、Yの不貞等を理由に離婚、慰謝料支払、財産分与を求める本訴請求がされ、その後、YからXに対し、不貞等を理由に離婚、慰謝料支払を求める反訴請求がされた。
本判決は、当事者双方が離婚の点で一致し、今後円満な婚姻生活の継続が望めないことが極めて明らかであり、夫婦関係...
《解 説》
Xら三名はいずれも昭和六二年一〇月、宅建業法五章の二に定める保証協会であるYの社員Aとの間で各土地をそれぞれ二四〇〇万円で買い受けるとの契約を締結し、手付金をそれぞれ四〇〇万円宛Aに支払った。しかしXらは、右各土地には先順位の仮登記が設定されていて、完全な所有権を取得する見込み...
《解 説》
一 本判決は、日本赤軍に所属する被告人が、昭和四八年と五二年の二回にわたって日航機をハイジャックし、その結果として、超法規的措置として受刑者など六名が釈放されたことから、事件発生当時、社会の耳目を集めた事件の第一審判決である。
二 本判決が認定した犯罪事実の要旨は、以下のとお...
《解 説》
一 近時、企業の依頼に応じてその求める人材を探索し、就職するよう勧奨して、右企業に就職させる人材スカウトないしヘッド・ハンティングと呼ばれる行為をすることを目的とする業者が増加しているようであるが、本判決は、(1) いわゆるスカウト行為が、職業安定法五条一項の定める職業紹介の要...
《解 説》
一 本判決が認定したところによれば、Xは、昭和四四年九月二三日以降、胃潰瘍、過敏性大腸症候群との診断によりA医師の治療を受け、同年一二月一七日以降、約一か月余にわたってY1が製造し、Y2が販売したキノホルム剤(強力メキサホルム)を一日当たり六個づつ服用したところ、その後も腹痛や...