最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
はじめに
1 訴状の提出
2 裁判官Aによる審理の経過
3 訴状(X代理人),Y代理人の対応及び裁判官Aの審理の問題点
4 対処法その1~裁判官Bが担当した場合(訴状への対応)
5 対処法その2~X代理人が訴状の補正の促しに応じない場合(争点整理での対応)
6 対処法その3~重要といえない多数の争点に拡散しそうな場合(争点整理での対応)
7 対処法その4~多数の争点を絞り込み,争点の軽重を確認した場合(争点整理での対応)
8 考えられる対策のまとめ
[目次]
第1 はじめに
1 精神科医療における法制度等
2 精神科医療を取り巻く現状等
3 本稿の趣旨及び内容
第2 入院段階での紛争
1 はじめに
2 措置入院
3 医療保護入院
4 終わりに
第3 精神科における身体拘束
1 はじめに
2 精神科における身体拘束に関する法令等
3 精神科における身体拘束の判断枠組みについて
4 裁判例の検討
5 まとめ
第4 身体拘束以外の自殺予防
1 はじめに
2 判断枠組み
3 予見可能性の視点
4 自殺防止義務の内容
相続の開始後認知によって相続人となった者が遺産の分割を請求しようとする場合において他の共同相続人が既に当該遺産の分割をしていたときの民法910条に基づき支払われるべき価額の算定の基礎となる遺産の価額
土地改良区が河川法23条の許可に基づいて取水した水が流れる水路への第三者の排水により当該水路の流水についての当該土地改良区の排他的管理権が侵害されたとした原審の判断に違法があるとされた事例
統合失調症により精神科の医師の診療を受けていた患者が中国の実家に帰省中に自殺した場合において,上記医師に上記患者の自殺を防止するために必要な措置を講ずべき義務がないとされた事例
人格権に基づき,恐喝事件及び同和利権問題に関与したこと並びに元暴力団構成員であったことが記載されたインターネット検索結果の削除をするよう求める請求が,認められなかった事例
1 株式譲渡制限会社において,株主総会の特別決議を経ないまま(株主割当以外の方法により)なされた新株発行について,新株発行に必要な①募集事項の決定(会社法199条),②定款所定の発行可能株式総数の変更(同法37条,113条),③募集株式の割当てに代わる引受契約の承認(同法205条2項)のための株主総会の特別決議又はこれに代わる株主全員の書面による同意の意思表示(同法319条1項)がなく,無効原因に該当する事実が存在したと認定した事例
2 当該会社においては上記1①ないし③の無効原因に該当する事実があるものの,新株発行当時当該会社が一人会社と同視しうる状態にあり,既存株主全員の新株発行に対する同意があったと認められる事実関係の下においては,新株発行を株式発行無効の訴えにより救済すべき理由がなくなったものと認められ,本件新株発行はもはや無効としてその効力を争い得ないものとなったとして,新株発行無効確認請求を棄却した事例
相手方兼抗告人(原審申立人)が,抗告人兼相手方(原審相手方)との間で作成した離婚に関する公正証書において,相手方兼抗告人(原審申立人)名義の住居に抗告人兼相手方(原審相手方)と子が一定期間居住することを認める条項が設けられていたところ,既に扶養的財産分与の目的を達したとして,事情変更による財産分与の申立てとして,抗告人兼相手方(原審相手方)に対し,本件住居を明け渡すことを求めた事案で,同条項を約一年間の猶予期間を設けて上記住居を明け渡せと変更する旨の審判をした原審を取り消し,①本件条項は,離婚に伴う財産分与として,抗告人兼相手方(原審相手方)に対して使用借権を設定したものであり,これにより既に本件住居は分与されているから,本件住居の明渡請求は,使用貸借契約の終了に基づく明渡請求であって,民事訴訟で判断されるべきである,②仮に本件条項が扶養的財産分与の性質を帯びるものとしても,法的安定性等の見地から,民法880条の類推による変更を認めることはできない,③仮に民法880条の類推による変更ができるとしても,本件住居の明渡しを命じなければならないほどの事情の変更はないとした事例
少年が共犯少年らと共謀の上連続的に13件敢行した建造物侵入・窃盗等保護事件において,相当長期の処遇勧告を付して少年を第1種少年院に送致した原決定に対し,抗告を棄却した上で,処遇勧告を付さないことが相当である旨説示した事例
少年が,被害者に対してメッセージを多数送信し,義務のないことを要求するなどしたストーカー行為等の規制等に関する法律違反保護事件において,少年を第3種少年院送致とした原決定に対する重大な事実誤認,決定に影響を及ぼす法令違反等を理由とする抗告につき,少年が審判能力を備えていることは明らかであり,非行当時,是非弁別能力又は行動制御能力を欠いていたとか,著しく低下させていたとの疑いは残らないなどとして,抗告を棄却した事例
銃砲刀剣類所持等取締法9条の5第2項に基づく射撃教習を受ける資格の認定申請に対し,これを不認定とする処分が,行政手続法8条1項本文の定める理由提示の要件を欠き,違法であるとされた事例
アスペルガー症候群による障害に関して,障害基礎年金の支給を受けていた者に対し,その障害の状態が障害等級2級に該当する程度のものではなくなったことを理由に,国民年金法36条2項に基づき障害基礎年金の支給を停止した厚生労働大臣の処分が違法であるとされた事例
歳入歳出外現金出納官吏であった者の部下である職員が保管金現金を着服したことにより現金を亡失したという事案において,当該出納官吏はその保管に係る現金について善良な管理者の注意を怠ったものといえるなどとして,会計検査院が会計検査院法32条1項に基づいて当該出納官吏に対してした亡失した現金について弁償の責任がある旨の検定が適法であるとした事例
1 親会社がその企業グループの財務改善計画の一環として行った子会社の事業譲渡に伴って当該子会社に対して有する債権の全額を放棄した場合において,当該債権の額につき,法人税法(平成22年法律第6号による改正前のもの。以下同じ。)22条3項3号所定の「当該事業年度の損失の額」に含まれる貸倒損失に該当するものとして損金の額に算入することはできないとされた事例
2 親会社がその企業グループの財務改善計画の一環として行った子会社の事業譲渡及び解散に伴って当該子会社に対して有する債権の全額を放棄した場合において,当該債権の額につき,法人税法37条1項所定の「寄附金の額」に該当しないものとして損金の額に算入することはできないとされた事例
自衛官に対してされた懲戒免職処分について,処分理由とされた窃盗行為は一部しか認められず,隊内の懲戒処分基準に従って検討すると重きに失するとして,処分庁の裁量権の逸脱又は濫用があり,また,手続的にも瑕疵があるとして取り消された事例
大飯原発の運転差止めを求める仮処分申立てについて,同原発が基準地震動にかかる新規制基準に適合するとの原子力規制委員会の判断に不合理な点があった,又はその調査審議ないし判断の過程に看過し難い過誤,欠落があったとの認定をすることはできず,同原発が安全性を欠き,債権者の生命,身体に直接的かつ重大な被害が生じる具体的な危険が存在することについて,疎明されたとはいえないから,被保全権利の疎明がないとして申立てを却下した事例
1 募集型企画旅行契約において,契約後に旅程先で大地震が発生したことに関し,解除権行使の前提となる情報収集・提供義務違反があったとして損害賠償請求を認めた事例
2 情報収集・提供義務違反を理由とする債務不履行に基づく損害賠償請求において,弁護士費用を請求できるとした事例
個人で診療所を運営していた医師の患者に対する損害賠償責任について,法人格否認の法理の適用により,当該医師が当該診療所を法人成りさせて設立した医療法人にも責任が認められた事例
主たる営業所を日本国内に有する法人を被告とする訴えについて,民訴法3条の9にいう「特別の事情」があるとして訴えを却下した事例