判例タイムズ

最も長い歴史をもつ判例実務誌

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判例タイムズ No.919


  • <民事保全の理論と実務3>子の引渡しと人身保護請求

    瀬木比呂志   

    引用形式で表示 総ページ数:15 開始ページ位置:4
  • 1.争点整理における陳述書の機能

    那須弘平   

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:19
  • 高橋宏志   

    研究者の視点から

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:27
  • 3.陳述書をめぐる諸問題

    西口元   

    研究会の報告を兼ねて

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:36
  • <人身賠償・補償研究55>自家用自動車保険約款の免責条項にいう「配偶者」の意義

    山下典孝   

    最高裁平成7年1月1O日第二小法廷判決を中心として

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:42
  • <独占禁止法ガイドライン事例解説1O>流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針(平成3年7月)

    山本佐和子   

    第3部 総代理店に関する独占禁止法上の指針

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:50
  • <銀行実務と民事裁判370>信託財産の運用のために保管する有価証券についての信託の公示と分別管理

    松本崇   

    最近の信託法学会における報告のなかから

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:59
  • 新民事訴訟法と弁論およびその準備

    石川明   

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:63
  • 裁判官の判断におけるスジとスワリ(4)

    太田勝造    松村良之    岡本浩一   

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:74
  • 《解  説》
     一 本件は、三種混合ワクチン(DPT)接種後七日目に発症し以後長年繰り返されたけいれん発作(症候性てんかん)が予防接種の副反応かどうかが争われた事案である(本判決は、Xの疾病とポリオ生ワクチン接種との因果関係を明確に否定しているので、この部分のコメントは省略する)。
     二 本判...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:75
  • 神戸地尼崎支平8.2.27判決

    《解  説》
     一 XはY2(会社)から、本件土地及び本件土地上にY2が建築する本件建物を購入し、X名義でY1(市)の建築主事から本件建物の建築確認(以下「本件確認処分」という。)を得、Y2が本件建物の建築を開始した。ところが、Aが、本件土地の北側に接する通路部分(以下「本件通路」という。)は...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:82
  • 《解  説》
     少年Xは家裁の試験観察決定を受け、補導委託先としてY2の主宰する会に送られたが、ある日、他の少年らにより二回にわたり、殴る、蹴る等のリンチを受け、言語障害、歩行障害、視力障害、左肩関節運動制限、下肢腱反射亢進の症状を残す重傷を負った。Xは、担当調査官及び裁判官が補導委託先の選定...

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:94
  • 《解  説》
     原告は、本件土地について特別土地保有税は非課税とされるべきであるとの見解に立ち、平成四年九月二一日付けで被告藤岡町長に対し、納付すべき税額欄を空白として本件特別土地保有税申告(期限後申告)をした。これに対し、被告藤岡町長は、平成五年二月二六日付けで特別土地保有税更正処分及び地方...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:107
  • 《解  説》
     一 本件は、甲市と甲土地開発公社(以下「公社」という)が締結した土地の先行取得等委託契約に基き、公社が取得した本件土地について、購入価格が鑑定価格を超えるとして、鑑定価格以上での公社との売買契約の締結および鑑定価格を越える売買代金の支出の差止を求める住民訴訟である。
     二 本件...

    引用形式で表示 総ページ数:14 開始ページ位置:113
  • 大阪地堺支平8.5.28決定

    《解  説》
     XはYタクシー会社の労働組合の役員をしていた乗務員であるが、Yは平成七年八月一一日、Xが従前使用していた固定車以外の車を配車し、乗務を指示した。Xがこれを拒否したところ、Xは二日間の乗務停止処分とされた。XはなおもYの指示に従わずに三乗務の出勤停止処分となり、その後も乗務を拒否...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:127
  • 《解  説》
     Xらは、新潟県高教組の役員の地位にあったが、給与の改定に関する県人事委員会の勧告の完全実施を求めて昭和五七年一二月一六日と同五八年一〇月七日に行ったストライキに指導的役割を果たしたとして、Y県教育委員会から同五九年二月二三日付で減給又は戒告の懲戒処分を受けた。本件はXらがYに対...

    引用形式で表示 総ページ数:23 開始ページ位置:137
  • 《解  説》
     Xは建築業者であり、建売住宅の建築を始めたが、近隣の住民Yらが右建売住宅に至るいわゆる二項道路を自動車が通行するのに反対する運動を起こし、植木鉢や自転車を置いたり、「自動車進入禁止」と書かれた看板を立てて自動車の進入を阻止した。もっとも、Yらは後に二トン以下の工事車両の進入する...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:160
  • 《解  説》
     一 Xは、昭和五四年一月、Yに対し、東京都新宿区所在の三階建ビルの一階店舗を賃貸したが、平成元年七月に賃貸借契約の更新を拒絶し、平成二年九月に解約の申入れをするとともに、右ビルは老朽化が甚だしく、取り壊して中層のビルを建築する準備を進めているし、二億円以上の立退料を提供する旨申...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:163
  • 《解  説》
     一 本件事案の概要は、次のとおりである。
     Y銀行は、Aに対する貸金債権を担保するため、AがZに差し入れていた賃借建物の入居保証金の返還請求権につき質権設定契約を締結し、Zから確定日付ある承諾を得た。右保証金に関しては、AZ間の賃貸借契約書及び賃貸借仲介業者BのAに対する領収証...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:169
  • 《解  説》
     Xは、本件建物に抵当権を有し、右抵当権の物上代位として賃料債権につき差押命令を受けた。他方、Yは本件建物についてXと同順位の根抵当権を有し、Xより先に物上代位により賃料債権につき差押命令を受けていた。第三債務者であるAは、差押競合以降の賃料合計一五〇一万円余を供託した。執行裁判...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:172
  • 《解  説》
     XはAに合計九億七〇〇〇万円を融資し、A所有の土地建物上に極度額合計一一億六四〇〇万円の根抵当権の設定を受け、それとともに右根抵当権の確定債権の債務不履行を条件として右不動産の賃貸借契約を締結した。その後、BはAに一二〇〇万円を融資し、その担保としてAから建物につき期間三年間、...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:175
  • 《解  説》
     一 Xは、平成三年七月、Yに対する貸金債権を被保全債権として、Y所有の本件不動産に対する抵当権実行としての競売の申立てをしたところ、不動産競売開始決定がされて競売手続が開始されたが、Yは、右競売について競売手続停止仮処分命令の申立てをし、平成四年二月、不動産競売手続を停止する旨...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:178
  • 《解  説》
     一 本判決は、教育界で議論され、発生防止のための各種の取組がなされている体罰について、その存在を認定し、東久留米市及び東京都に対する五〇万円の慰謝料請求を認容したものである。
     X1は市立中学二年当時、社会科の教師であるY1の指示に反論したところ、これに激昻したY1は、X1の机...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:182
  • 広島高岡山支平8.5.31判決

    《解  説》
     Xは大正一二年生まれであり、尋常小学校を五年で中退した者であるが、Y証券会社社員Aから電話による勧誘を受け、三回にわたりワラントを購入した。Xは、その内の二口について売却し、八八万円余と三万円余の利益を得たが、一口について権利行使期間の経過により五八四万円余の損害を被り、最終的...

    引用形式で表示 総ページ数:7 開始ページ位置:187
  • 《解  説》
     一 事案の概要
     本件は、いわゆる富士見産婦人科病院事件に関連する名誉毀損事件である。
     富士見産婦人科病院事件とは、昭和五五年九月に、「富士見産婦人科病院において無資格者である病院経営者が超音波検査装置を操作し、手術の必要のない多数の「患者」に対し、手術をしなければ命が危ない...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:193
  • 《解  説》
     一 原告は、高校入学後米国の民間家庭で寄宿(ホームステイ)しながら現地の公立高校に留学していたが、寄宿先の家族(ホストファミリー)との折り合いが悪く、日常生活や学業に支障が生じた。原告の求めに応じて、寄宿先や高校が変更されたが、状況は改善されなかったため、原告は、留学を断念して...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:203
  • 《解  説》
     本件は交通事故の損害賠償請求の事案で、加害者(控訴人兼附帯被控訴人)が債務不存在確認の訴を提起し、被害者(被控訴人兼附帯控訴人)が反訴として損害賠償請求をなした事案である。
     債務不存在確認の本訴請求について、原審は一部認容、一部棄却の判決をなしたが、本件控訴審は、原判決を変更...

    引用形式で表示 総ページ数:6 開始ページ位置:215
  • 名古屋地平7.8.28判決

    《解  説》
     一 原告X(当時五四歳)は、昭和六〇年一月、子宮筋腫及び貧血で被告Yが運営する大学病院に入院し、同月一六日に子宮全摘手術(「本件手術」)をうけたが、その翌日に脊髄クモ膜下に大出血が発生して脊髄障害を来し、両下肢完全麻痺、第二胸髄節以下の運動・知覚麻痺等を有して、常時介護を要する...

    引用形式で表示 総ページ数:11 開始ページ位置:220
  • 《解  説》
     一 遺産分割審判がされて確定し、控訴人らは不動産を取得するものとされたが、その土地は既に相続人全員の合意で徳島県に売却し、法定相続分に応じて代金も取得済であった。控訴人らは民法九一一条、五六三条三項により、売却代金額を基本にして被控訴人らに損害賠償を求めた。一審大阪地裁は民法五...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:230
  • 《解  説》
     一 本件は、A会社に対して継続的に貴金属等を販売(卸売)していたXが、A会社からこれを仕入れて販売していたY会社を被告として、A会社の法人格は形骸化し、又は濫用されていたものであるから、その法人格は否認されるべきであるとして、A会社に対する売買代金の支払を求めたという事案である...

    引用形式で表示 総ページ数:5 開始ページ位置:234
  • 《解  説》
     一 事案の概要は、次のとおりである。
     原告Xらはいわゆる投資会社であり、コンビニエンスストアを展開する未公開株式会社である被告Y社に出資していた。Y社の株式の大半は、Xら及びY社の代表取締役であるZの所有であった。Xらは、コンビニエンスストア事業の成長と将来の株式公開に期待し...

    引用形式で表示 総ページ数:13 開始ページ位置:238
  • 《解  説》
     手形において、振出人の署名は手形要件であり(手形法一条八号、七五条七号)、振出人の署名を欠く手形は無効である(同法二条、七六条)。この「署名」には記名捺印を含む(同法八二条)。小切手についても同様である(小切手法一条、二条、六七条)。
     手形行為としての記名捺印は、手形用紙上の...

    引用形式で表示 総ページ数:3 開始ページ位置:250
  • 《解  説》
     一 中華人民共和国国有企業法人であるXは、Y(日本の株式会社)を相手方として、同国国際経済貿易仲裁委員会に対して、XY間の合弁契約の履行をめぐる紛争に関する仲裁申立てをした。Yは答弁書を提出したが期日に出頭せず照会回答にも応ずることもしなかったところ、Xの主張を概ね容れた仲裁判...

    引用形式で表示 総ページ数:4 開始ページ位置:252
  • 《解  説》
     一 本件被告人は、覚せい剤の譲渡・自己使用のほか、これらの被疑事件につき自己に有利な処分を得るため、同房者のXに対して、被告人に風邪薬だと言って覚せい剤を渡したなどと虚偽の事実を検察官に供述して検察官調書を作成するように依頼し、Xをしてその旨供述させて検察官調書を作成させたとい...

    引用形式で表示 総ページ数:8 開始ページ位置:256
  • 《解  説》
     一 本件は、大手都市銀行である住友銀行の支店長らが支店の顧客からいわゆる仕手筋への巨額の融資を媒介したことについて、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律三条違反の罪(金融機関の役職員その他の従業員がその地位を利用し、自己又は第三者の利益を図るため、金銭の貸付、金銭...

    引用形式で表示 総ページ数:9 開始ページ位置:263