最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 学校教育法51条により高等学校に準用される同法21条の法意((1)事件) 2 教育関係法規に違反する授業をしたこと等を理由とする県立高等学校教諭に対する懲戒免職処分が懲戒権者の裁量権の範囲を逸脱したものとはいえないとされた事例((2)事件)
商工委員としての職務権限を有する衆議院議員が、同委員会での質疑に際し、通産省局長に対し特定の団体に有利な答弁を行うよう、しょうようするとともに、同局長らに答弁内容に相応する取り計らい方の要求をも行ったことが、職務と密接に関連する行為に当たるとされた事例
1 地方公営企業労働関係法11条1項と憲法28条 2 市の一般行政職員の約1時間の職場放棄及び市立病院の職員の24時間の同盟罷業を企画し又はその遂行を指導した市の一般行政職員に対する懲戒免職処分が裁量権の範囲を超え又はこれを濫用したものとはいえないとされた事例
行政庁が相当の期間内に処分をせずに不作為のまま申請を放置している間に法律が改正され、要件が加重された場合に、加重された要件を理由に不許可処分をすることは許されないとされた事例
1 換地工区の変更につき土地改良法87条の3第1項による関係権利者の3分の2以上の同意が必要ないとされた事例 2 換地交付率が100・7パーセントの一時利用地指定処分を換地交付率94・4パーセントとしてした一時利用地指定処分の変更処分が適法とされた事例
改正前の法律によれば申請に対する許可処分をすべきであるのに、行政庁が相当の期間内に許可処分をせずに不作為のまま申請を放置している間に法律が改正され、要件が加重された場合に、加重された要件を理由に不許可処分をすることは許されず、許可すべき義務の懈怠が継続しているとして慰謝料請求が認められた事例
物上保証人甲所有の不動産に設定された抵当権実行により被担保債権が弁済された結果、甲が他の物上保証人乙の抵当権に法定代位をし得る場合、乙から債権者に対する抵当権抹消登記請求が許されるか(消極)
定期積金の中途解約による払戻及びこれと同時になされた普通預金の払戻について金融機関の担当職員に過失があるとして準占有者への弁済の効力を否定した事例
1 海外商品先物取引の取次において委託者の指示・承諾に基づかない手仕舞いが違法でないとされた事例 2 海外商品先物取引の取次業者による差玉向かいが違法でないとされた事例
1 更地に抵当権が設定された後に同地上に建物が新築され、これについて土地の抵当権と同一の順位・関係で抵当権が設定されている場合であっても、建物について法定地上権は成立しない 2 法定地上権の成否について誤った評価に基づいて最低売却価額を決定し、その公告及び入札を実施したことは、民事執行法188条によって準用される同法71条6号にいう最低売却価額の決定及びその手続に重大な誤りがある場合に当る
1 抵当証券による競売申立てにおいては、民執法181条の法定文書以外による証券上の記載と異なる弁済期の主張立証は許されない((1)事件) 2 不動産競売申立てにおいて、抵当証券上に記載された弁済期が未到来である場合には、申立人は、弁済期が実体法上到来していることを主張し、これを民執法181条の法定文書以外のもので立証することが許される((2)事件)
5歳になる1人娘を餓死させて殺害した被告人につき、軽度精神薄弱及び性格異常の負因が競合し心神耗弱の状態にあったものとされた事例
覚せい剤使用事件について、採尿手続に被告人の行動の自由を侵害し不当な心理的強制を加えるなどの違法が認められるが、尿の鑑定書の証拠能力を否定するまでには至らないとされた事例
1 炭鉱でのじん肺防止に関する安全配慮義務が尽くされたとはいえないとして慰藉料請求が認容された事例 2 炭鉱でのじん肺防止に関する安全配慮義務違反による損害賠償請求権について消滅時効の援用が権利の濫用として許されないとされた事例