最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 原爆医療法の法的性格 2 原爆医療法8条1項の認定処分の要件事実、立証責任、立証の程度 3 原爆白内障及び老人性白内障が「原子爆弾の傷害作用に起因」し、「現に医療を要する状態である」として、厚生大臣のなした原爆医療法8条1項の認定申請却下処分が違法であるとされた事例
女性アナウンサーの配転命令の効力に関する二つの裁判例 (イ事件) 1 アナウンサーとして雇用された労働者に対してなされた他職種への配置転換命令の効力が否定された事例 2 「配転の効力停止仮処分」の必要性が肯定された事例 (ロ事件)1 アナウンサーとして雇用された労働者に対してなされた他職種への配置転換命令が有効とされた事例 2 配置転換命令が人事権の濫用に当るとする主張が排斥された事例
1 森林法26条2項に基づく保安林指定解除処分とその取消しを求める地域住民の法律上の利益 2 いわゆる平和的生存権と取消訴訟における「法律上の利益」 3 代替施設の完備により保安林指定解除処分の取消しを求める訴の利益が消滅したと認められた事例 4 自衛隊等と憲法81条
宅造用土地の一部を対象とする売買契約およびこれに付帯する宅地造成工事施行に関する合意によって土地の全部の所有権が買主に移転したものとされた事例
建物所有を目的としない土地賃貸借契約がその後の事情により普通建物所有を目的とする趣旨に変更されたものと認められた事例
1 9階建マンションの7階以上の部分についての建築妨害禁止仮処分申請が隣地居住者の天空光享受利益等を考慮して棄却された事例 2 右判断にあたり建築確認時以後に施行された土地利用に関する行政法規の内容を考慮に入れることの当否
賃貸借契約の解除を主張する賃貸人が右解除後の賃料不払を理由に改めて賃貸借を解除したと主張することが許されるか(消極)
期間満了時から4年10月余の経過後にされた金員給付の申出をもって借地契約の更新拒絶の正当理由を補強しうるとされた事例
1 中学校の校長の行為を国家賠償法1条の「公権力の行使に当る公務員の職務行為」にあたると認めた事例 2 国または公共団体が国家賠償法1条により賠償責任を負う場合、加害公務員の被害者に対する賠償責任を否定した事例
1 中華民国の国籍を有する父が、日本においてなす任意認知の方式に関する準拠法 2 実父のなした嫡出子もしくは非嫡出子出生届と任意認知の成否
運行供用者父の自動車を第三者が運転中の交通事故により子を死亡させた場合、死者の母(運行供用者の妻)が自賠法16条1項により被害者請求をなしうる範囲
運転手付車の賃借人が右運転手の車に同乗中の事故につき、賃借人自らが運行供用者になるとして、車の賃貸人との関係においても、自賠法3条の「他人」性を否定した事例
増改築許可の借地非訟事件における附随処分について、原審が更新料を認むべきでないとして命じた財産上の給付額40万円を過少とし、将来における更新料を現在において支払わしめるのは不合理ではないとして、鑑定委員会の意見のとおり130万円をもって相当とした事例
1 更生手続開始決定前の保全処分決定に対する抗告権者の範囲 2 右手続における一般的弁済禁止の保全処分を適法とした事例
1 地方公務員法55条の2の専従休暇許可処分あるまでの間、職員が組合業務に従事するため欠勤することを黙認するとの取扱の効力 2 右取扱廃止に伴い、それ以前に右取扱に従い欠勤した者に対する懲戒処分の可否
1 国による土地所有権の時効取得が認められた事例 2 国のために取得時効が進行中の土地につき所管を異にする国の機関がなした承認は時効を中断するか(消極)
1 県知事又は担当職員の野犬取締義務の生ずる要件 2 野犬に襲われて死亡した者の遺族から県に対する請求が認められなかった事例
1 工場内出入口で溝蓋の補修作業に従事していた作業員が、同所でサイドフォークリフトに轢かれて死亡した事故につき、右出入口は、サイドフォークリフトの軌道と同視しうべき機能を有しているのに、十分な保安設備を具えていなかったもので、その設置に瑕疵があり、右事故はその瑕疵と相当因果関係にあるとして所有者に損害賠償義務があるとされた事例 2 被害者にも落度があるとしながら、賠償額算定にあたって斟酌すべき過失と評価するのは相当でないとされた事例 3 会社の「災害補償規程」に基づく弔慰金の性格は生活補償的なもので、従業員の労災事故についての賠償額の予定と解することはできないとされた事例
1 遺産の管理処分権それ自体は遺贈の対象とならない 2 指定家督相続人の親権者を指定した遺言は無効であり、本件の事情のもとでは養子縁組と認めることもできない 3 他家の法定推定家督相続人を家督相続人と指定しても無効ではない 4 指定家督相続人の母が遺言書を偽造したとしても、同相続人は相続欠格とはならない 5 遺言執行者が家督相続人指定の届出をしたのち、これを取下ないし撤回したとしても、戸籍の記載は抹消することは許されない 6 法定代理権が欠欠している場合になした請求の認諾や、第三者間になされた請求の認諾は本人に効力を及ぼさない 7 家督相続人が指定されている場合に、親族会が家督相続人を選定しても効力がない
1 重症痴愚者である被疑者の自白の信用性に疑問があるとして、警察官が右被疑者を殺人事件の真犯人であると断定して報道関係者に公表した行為につき国家賠償法による責任が認められた事例 2 重症痴愚者に対する名誉棄損につき、その両親にも慰藉料請求権が認められた事例
1 過大の催告および代物弁済予約完結権行使の意思表示を有効とした事例 2 形式上、他の元本債権(ロ)とされているものにつき、実質は(イ)債権の利息であるとして、利息としての充当を肯定した事例
1 健康保険制度を利用して医療機関の診療を受ける場合でも、右機関である医師と患者間に私法上の契約関係が成立する 2 黄疸症状を呈して後に死亡した患者を診療した医師に診療債務の不完全履行があるとした事例
未成年の子がアルバイト収入で自動二輪車を購入し、維持管理費用も支弁している場合につき扶養者である父親にも運行供用者責任を認めた事例
1 源泉所得税について共益債権としての権利行使を制限すべき場合 2 会社更生手続開始後3年9ヵ月後に行われた納税告知処分であっても、源泉所得税について共益債権として権利行使を制限すべき場合に当たらないと判断された事例