最も長い歴史をもつ判例実務誌
公安条例に関する最高裁判例3件 (イ)1 行進又は集団示威運動に関する条例(昭和24年愛知県条例第30号)4条3項に基づき公安委員会が条件を付するための要件 2 許可条件違反のだ行進及びうず巻行進の単なる参加者の処罰と憲法21条1 (ロ)1 集会、集団行進及び集団示威運動に関する条例(昭和25年神奈川県条例第69号)3条1項但書、5条は地方自治法第69号)3条1項但書、5条は地方自治法第14条5項の委任の趣旨に反するか 2 集団行動につき公安委員会が付した条件の違憲性を争う適格 (ハ)1 道路交通等保全に関する条例(昭和24年秋田県条例第25号)4条3項により付しうる許可条件の範囲 2 道路交通等保全に関する条例(昭和24年秋田県条例第25号)4条3項は公安委員会に許可条件の付与を委任する要件を定めた規定として不明確か 3 道路交通等保全に関する条例(昭和24年秋田県条例第25号)4条3項によるジグザグ行進及びフランス式デモの禁止、制限の適法性
公安条例違反の罪と可罰的違法性に関する最高裁判例2件 (イ)羽田空港ターミナルビルディング内国際線出発ロビーにおける無許可の集団示威運動を指導した場合につき可罰的違法性を欠くとして東京都公安条例5条の罪の成立を否定した原判決が法令の解釈適用を誤ったものとされた事例 (ロ)許可条件違反のジグザグ行進につき可罰的違法性を欠くとして大阪市公安条例5条の罪の成立を否定した原判決が法令の解釈適用を誤ったものとされた事例
医師が化膿性髄膜炎の治療としてしたルンバール(腰椎穿刺による髄液採取とペニシリンの髄腔内注入)の施術とその後の発作等及びこれにつづく病変との因果関係を否定したのが経験則に反するとされた事例
1 勧告審決において勧告を応諾すれば告発を受けることがないと信じたことと応諾の意思表示の要素の錯誤 2 勧告審決のなされたのちの勧告の応諾の撤回の可否 3 勧告審決と正式審決の手続の選択と公正取引委員会の裁量権 4 違反事実の不存在を理由とする勧告審決の取消の可否
1 いわゆる同情ストが労組法8条の正当な争議行為とは認められなかった事例 2 労組の労務不提供指令による不法行為責任につき民法44条を排して同709条によった事例 3 石炭鉱業における採炭部門の労務不提供による損害賠償額を採掘すべかりし石炭の山元価値によらず、労務不提供の当日支出された生産費によって算定した事例
1 労組壊滅を目的とするタクシー事業廃業許可申請が労働法上違法な行為であるとして、これを許可した陸運局長の行政処分も違法性を帯びるとした事例 2 右廃業許可取消訴訟につきタクシー会社の労組に原告適格を認めた事例 3 、右タクシー会社の破産宣告同時破産廃止により訴の利益が失われたとした事例 4 陸運局長は右処分につき過失の責あるを免れずとして労組員から国に対する国家賠償請求(1年分の賃金と弁護士費用)が認められ、労組からの慰藉料請求は労組員の財産的損害が填補された以上理由なしとされた事例
1 労組運営に支配介入することを将来も禁止する旨の抽象的な救済命令につき右禁止内容をさらに詳細に特定し、その限度で制裁を科し、また緊急命令を発しうるとした事例 2 陳謝文の掲示につき緊急命令を発する必要性なしとした事例
会社と遺族間の労災事故裁判の遺族を守る会から脱会しないことを理由に組合を除名され、ユニオン・ショップ協定により解雇された組合員の解雇を無効とした事例
1 当局の黙認を得て有給でもつぱら労組の業務に従事するいわゆるヤミ専従であるとされた事例 2 専従休暇をとらずに労組の業務に従事して屡々欠勤した国家公務員に対する懲戒免職が不当労働行為や裁量権の濫用にならないとした事例
(林野庁職員の勤務時間中職場大会の主催者、参加者に対する懲戒処分につき、中郵判決に従い公労法17条に限定解釈をした上、これが同法により禁止された争議行為にあたらないと判断した事例
1 外国為替及び外国貿易管理法並びに外国為替管理令に違反する保証契約の私法上の効力 2 外国の通貨をもって債権額が指定された金銭債権と日本の通貨による請求 3 外国の通貨をもって債権額が指定された金銭債権についての裁判上の請求と日本の通貨による債権額の指定
仮登記担保の目的不動産につき後順位権利者がある場合と被担保債権以外の債権を自働債権とする清算金支払債務との相殺の許否
仮処分債権者による権利行使の催告の申立と仮処分及び本案訴訟が不法行為であることによる損害賠償債務の承認又は時効利益の放棄
高層住宅の建設により生活上の不利益を受ける附近住民が行った右建設に反対する示威行動などが不法行為を構成しないとされた事例
電気設備に関する技術基準を定める省令(昭和40年通産省産業省令第61号)111条1項にいう「市街地その他人家の密集する地域」の意義
検察官から領置物件の保管を委託された会社の従業員が国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使に当る公務員」に該当するとされた事例
1 他人の権利の売主を相続した者が他人からその権利を取得した場合と売主としての履行義務 2 他人所有農地の売買の買主の売主に対する農地法3条の知事の許可申請協力請求権の消滅時効の起算点
1 教師の懲戒行為とこれを苦にして自殺した生徒の死亡との間の因果関係を否定した事例 2 一部請求の趣旨が明示されていない場合の訴提起による時効中断の範囲
婚姻関係の破綻につき専ら若しくは主として責を負う夫婦の一方は、その相手方に対し少くとも自己の最低生活を維持する程度の婚姻費用の分担を請求できるか(肯定)
代金割賦支払の約で売り渡し引き続き登録上の使用者名義・車体の使用者表示者を自己の名にしていた等の事情のある自動車の売主が、買主の運行によって生じた事故につき運行供用者と認められた事例
国労の駅備付職員用ロッカービラ貼付が正当組合活動であったと断ずるまでには至らないにせよ国鉄就業規則上の著しい不都合な行いに該当しないとされた事例
1 地方公務員法46条による便所、休憩設備、休養室、更衣室、冷房の設備、職員室面積の拡大等勤務条件に関する措置要求に対する市人事委員会の判定は行政処分であるとした事例 2 右措置要求を認めることができない旨の市人事委員会の判定に対する取消の訴を、原告の個別的具体的利益と直接の関連性があるとはいえないとの理由で訴の利益を否定した事例
1 条件付任用中の郵便集配員が書留郵便物の取扱等に屡々誤りをおかし官職に不適格として免職処分を受けたのは違法でないとした事例 2 条件付任用期間中に戒告処分を受けた事実も考慮して右免職処分をしても両者は制度の趣旨目的を異にするから違法でないとした事例
1 昇給延伸等を伴わない地方公務員に対する口頭注意が行政処分でないとされた例 2 看護婦が公立病院に就職すべく就職闘争を行なうに際しこれを援助して重病人にビラを交付し話かけさせたりした医師、この看護婦のため7日間毎日正午頃病室付近でスピーカーを用いて抗議演説した医師看護婦の行為が官職の信用を害するものと判定された例
組合大会における組合員の「会社から労組上部団体へ不正の金銭の授受がある」旨の発言が会社の名誉を毀損するものであるとしてなされた懲戒解雇は懲戒権の濫用でないとみとめた事例
1 視力低下が先天性高度近視によるが、他面労働災害(交通事故)により多少進行した可能性もある場合、業務起因性なしとした事例 2 視野狭窄、聴力障害が労災障害等級のいずれにも該当しないとされた事例
健康保険法及び厚生年金保険法の保険料は、被保険者が、長期欠勤によリその間賃金債権を取得できない場合、その欠勤前の標準報酬月額を基礎として算出すべきであるとした事例
1 勤務時間の終りに休息時間がおかれているとの主張がみとめられなかった事例 2 超勤義務の私法上の根拠は、これを命じうるとの趣旨の就業規則、労働契約があれば足り、超勤の都度の労働者の同意は不要と解した事例 3 協約上必要とされる就業開始4時間前との事前通知を欠く超勤命令も無効ではないとされた事例
「関着接手」の特許権侵害に関して、販売業者等と特許権者との問に和解が成立し、それによって和解金が支払われたことが製造業者に対する特許権者の請求に影響しないとした事例