最も長い歴史をもつ判例実務誌
1 因果関係の立証 2 公害に関する公法上の基準と違法性 3 先住関係と違法性 4 公害訴訟において重過失を認定した事例 5 人格的利益侵害による差止請求の肯否(積極) 6 一部請求と時効の中断
日本専売公社職員の争議行為につき、合憲解釈の方法によりその業務の公共性(たばこ塩の供給、関連業者の指導育成、財政収入確保)を検討し、公労法17条の争議制限規定の適用なしとした事例
1 個人の経済活動に対し社会経済政策の実施の一手段としてなされる法的規制措置の合憲性 2 個人の経済活動に対する法的規制措置と違憲判断 3 小売商業調整特別措置法3条1項、同法施行令1条、2条所定の小売市場の許可規制の合憲性
民法936条1項の規定により相続財産管理人が選任された場合と相続財産に関する訴訴における相続人および相続財産管理人の地位
1 賃貸借契約における信義則上の義務違反と契約解除 2 用法違反または信義則上の義務違反を理由とする賃貸借契約の解除が認められなかった事例
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律45条1項に基づく措置要求を不問に付する旨の公正取引委員会の決定と抗告訴訟
1 高価な錦鯉が窃取されこれを取り返した場合につき慰藉料請求が認められた事例 2 高価な錦鯉が窃取されたことによる損害を特別損害として認定した事例
第一審では、予備的に併合された第二次請求を認容したが、控訴審では第一次請求を認容する場合における、第一審判決中第二次請求を認容した部分の取消の要否等
1 夫が友人から借り受けて運転中の自動車に同乗中の妻、子は、自賠法3条の他人にあたるか(積極) 2 右の場合、妻の相続人たる子が自賠責保険につき被害者請求をなし得る範囲は、積極的損害のみならず逸失利益も含まれるか(積極)
1 機関部がなくみずから航行する能力のない積荷用艀が商法684条1項にいう船舶にあたるとされた事例 2 海難救助料請求訴訟を追行していた船長が死亡し後任船長の存否不明の場合、本人である海員が訴訟手続を承継することが許されるか(積極)
1 建築設計請負契約において反対の意思表示なき限り建築基準法所定の最低基準が契約内容となるとされた事例 2 建築工事の修補に代る損害賠償額の算定につき裁判所の裁量を広く認めた事例 3 修補請求が除斥期間内にされておれば、修補に代る損害賠償請求が除斥期間経過後にされても妨げないとした事例 4 請負代金と修補に代る損害賠償債権との相殺を許容した事例 5 軽微な瑕疵の修補を理由に請負代金の支払を拒むことが信義則違反とされた事例
1 ビル地下室飲食店5年間賃借につき床下に浄化槽があって小蝿悪臭の発生をみることが賃借物の瑕疵とされた事例 2 右瑕疵を理由とする契約解除に伴い割賦払権利金の既払分中残存期間に対応するものの返還が認められた事例 3 右割賦払権利金中にアドオン方式による金利相当分が含まれているときの返還額算出方法につき判示した事例 4 瑕疵担保責任として瑕疵なかりせば得べき営業上の利益の賠償を命じた事例
1 丸太製造加工業者が被用者に対し丸太の乾燥作業を命ずるについての注意義務 2 香典20万円が損害賠償債務の一部弁済の効力があるとされた事例
年功序列式の給与体系の不合理な点を補正するため、賃金センサスの平均賃金と事故死当時の賃金との比率を出し、これを30才~59才までの平均賃金に乗じて得た数値をもって被害者の労働能力に応ずる収入として逸失利益を算定した事例
強制和議認可決定確定後において、和議条件にかかわらず破産宣告当時破産者に対して有する債権全額をもってする相殺の許否(積極)
1 受取人「いちふじ」と第一裏書人「いちふじ平井普」との間の裏書の連続 2 受取人「いちふじ(民法上の組合)」、第一裏書人「いちふじ平井普」の場合、第一裏書は代理関係の表示があるか 3 第一裏書(白地式)、第二裏書人「いちふじ平井普」の場合における法律関係
1 自動車を運転して逃走する際これを制止した相手方に故意をもって傷害を加えた場合と道路交通法72条1項の適用 2 前記の場合における同条項前段の救護義務違反の罪の成否 3 前記の場合における同条項後段の報告義務違反の罪の成否
赤色信号によって交差点を通過したとの主張について、合理的な疑いを越えた確信が得られないとしてその過失責任を否定した事例
他人の自動車運転免許証を拾得し、その写真を貼りかえて免許証を偽造したうえ、無免許・酒酔いで自動車を運転して業務上過失傷害を犯した被告人の量刑
見通しのきわめて悪い特殊の交差点で、変則左折方法を行って後続車と衝突した事故につき、左折車両の運転者の過失責任を否定した事例
道路中央部分に進出して横転した対向車と衝突して、その車の運転者や同乗者等に致死傷を負わせた衝突された自動車の運転者につき、その過失責任を否定した事例
1 緊急事務管理が認められなかった事例 2 物の給付の履行不能による損害賠償額はその給付の履行期前であっても特別の事情のない限り履行不能の対加基準となるとされた事例
競売法による競売手続の利害関係人の新住所が明らかであるにかかわらず新住所宛に通知することなく旧住所宛に通知しただけでなされた競売手続は同法27条2項に違反し右手続による競落は許すべきではない
1 ビル貸室契約において、専用部分の実測面積のほか共用部分の坪数が加算されて契約される商慣習の存否(積極) 2 ビル貸室契約が「数量ヲ指示シテ」なされた賃貸借契約と認められなかった事例
生前、子の養育もせず、定職についても不明な被害者(親権者)にも、ある程度の労働能力自体は有するものとして、これを控え目に評定し逸失利益を算定した事例
逸失利益算定にあたり、現実には就労しているが、後遺症の程度・経歴・技能・就労状態等を総合検討し、稼働可能期問を通じ、被害者が、就労収益能力の9割を喪失したものとした事例
センターラインオーバーの単車と衝突した対向車にも制限速度内で進行し、前方を注視して、適切な結果回避の措置をとる余地があったとして、対向車に自賠法3条但書の免責を認めず、65%の過失相殺をした事例
一列縦隊の渋滞車両の左側方を縫って進出した直進自動車の前面に、同一方向の右側方を縫って進行してきた二輪車が、停止車両の間を通って左折して進行したため発生した事故につき、二輪車に約65%の過失相殺をした事例
1 事故による傷害を契機として、心因的かつ第二次的に生じた両眼視束萎縮による眼調節機能障害等の後遺症を残した被害者の損害額算定にあたり、事故と相当因果関係のない同人の主観的要因による寄与度を3割とし、この限度で減額した事例 2 横断禁止場所を横断した歩行者に6割の過失相殺をした事例
1 追突事故につき被追突者の過失を6割とした事例 2 外傷頚部症候群の傷害事故につき、休業期間を2年間、後遺症にもとづく逸失利益を7年間、50%喪失とした事例
死亡時63才の被害者の逸失利益を算定するにつき、稼働期間を10年間と認めたが、その間の収入が、死亡時の収入を下まわらないとの保証はないとして賃金センサスによった事例
1 第1事故の発生から1月余経過した後に第2事故が発生した場合に両事故は共同不法行為にならないと判断した事例 2 右の場合において、第1事故発生から第2事故発生までに生じた損害は第1事故の加害者の、第2事故発生から、第2事故がなければ、第1事故による症状が治癒したと認められる時までに生じた損害は、内4割を第1事故の加害者の、余の6割を第2事故の加害者の、その後の損害は第2事故の加害者の各負担とした事例
1 工事現場のカート足場の設置に瑕疵があるとして、民法717条の工作物責任が認められた事例 2 ブルトーザーの運転に従事していた労務者(29才)について、職業が肉体を非常に使うものであることおよび給与が出来高払制であることを考慮して、45才までは現在を下らない収入を得、その後60才までは男子労働者の平均賃金を下らない収入を得るものと認めた事例
道路両側に多数車輌が駐車していた幅員6メートルの路上を時速5キロメートルの速度で進行中、駐車していた貨物自動車の陰から駆け出して来た男児に接触した自動車の運転手に過失がないとして免責を認めた事例
車道幅員20.2メートルで片側3車線の道路(広路)の第3車線上を直進して来た自動車と、広路に交差する幅員3.4メートルの道路(狭路)から一時停止することなく交差点内に進入して右折しようとし、広路第3車線まで進出した自動車が衝突した事故について、広路直進車の運転手に過失はないとして免責を認めた事例
県道上を自転車で通行していた児童が、温泉の熱湯が流れている側溝に転落して火傷をして事故について、県に道路管理の瑕疵を認めた事例
6才の児童につき自賠法施行令別表14級該当の障害の存在を認めながらそれによる労働能力喪失による損害を認めなかった事例
交通事故による後遺障害がすでに被害者の加害者に対する損害賠償請求訴訟の口頭弁論終結時に顕在化し発生の予見された範囲を出るものではなく、しかもその損害は加害者において填補ずみであるとして右後遺障害の存在を理由とする被害者の直接請求を排斥した事例
取締役の選任および定款変更に関する株主総会決議の取消の訴の係属中にその決議によって選任された取締役が死亡もしくは退任によって取締役としての権利義務を喪失し、その後の株主総会の決議によって前になされた定款変更の決議が廃棄された場合は特別の事情のない限り右取消訴訟の利益はないとされた事例
1 取締役と会社間の株主総会決議無効確認の訴につき、会社を代表すべき者を定める必要がないとされた事例 2 株主総会の取締役等の選任決議が無効とされた事例
法人としての正常な組織活動を果たしていない会社の振り出した手形につき、右会社の実質上の掌握者に対しいわゆる法人格否認の法理の適用による責任を認めなかった事例
「ハンガー」に関する実用新案権に基づく差止等請求事件について、明細書中の作用効果に関する記載から連繋片をもって本件考案の要件の一つと判断し、これを欠く被告物件はその技術的範囲に属しないとした事例
「自動露出指示写真器」に関する特許権に基づく損害賠償請求事件において、特許出願手続中に出願人として、表明した意見を参照して、対称物件は権利範囲に属しないとして請求を排斥した事例
「アイスクリーム、シャーベットの即席製造方法」に関する特許権に基づく差止請求において、対象物件には本件発明にいう「障害用突子」に対応する構造を具備しないとして請求を排斥した事例
「魚釣用リール」に関する実用新案権について、差止請求の対象物件が「トルクモーター」を具備せず、モーターとスプールカップとの「直接接触係合」もしていないとして、請求を排斥した事例
「微粉パルプの層成方法」に関する特許権が、その明細書記載中ガーネットローラの使用を斥け遠心ハンマーを採用することの利点を強調しているとき、ガーネットローラを使用する装置には差止請求権は及ばないとした事例
「粒状燐酸質料の製造法」に関する特許権に基づく差止請求において、被告の方法は発明の構成要件中の「化学結合」を生じさせる「粘結剤」を用いていないとして、侵害の成立を否立した事例