最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
はじめに
第1 出訴期間(1)―概論
第2 出訴期間(2)―無効事由(取消事由)の追加主張の可否
第3 出訴期間(3)―一般社団法人等の組織に関する行為の無効の訴えと社員総会等の決議の取消し等の訴えの関係
第4 原告適格(1)―概論
第5 原告適格(2)―一般社団法人等の組織に関する行為の無効・取消しにより社員等の地位を回復する者
第6 被告適格
第7 一般社団法人等の代表者(1)―原則
第8 一般社団法人等の代表者(2)―監事設置一般社団法人と理事との間の訴訟
第9 一般社団法人等の代表者(3)―代表理事の地位に争いがある場合
[目次]
はじめに
1 各国の裁判所で実際に使われているAIの紹介
2 AIに寄せられる期待とAIが招くリスク
3 外国の裁判所で使われるAIの応用可能性
4 裁判所はAIを購入すべきか,AIの開発に携わるべきか
5 裁判所全体でAIの開発に取り組むために
6 さいごに
[目次]
第1 はじめに
第2 顔貌鑑定の基本的原理・手法について
第3 顔貌鑑定が犯人性の主な証拠とされた近時の裁判例の概要
第4 裁判例の分析を通じた事実認定,争点及び証拠整理上の留意点
1 職員の退職手当に関する条例(昭和28年宮城県条例第70号。令和元年宮城県条例第51号による改正前のもの)12条1項1号の規定により一般の退職手当等の全部又は一部を支給しないこととする処分の適否に関する裁判所の審査
2 職員の退職手当に関する条例(昭和28年宮城県条例第70号。令和元年宮城県条例第51号による改正前のもの)12条1項1号の規定により公立学校教員を退職した者に対してされた一般の退職手当等の全部を支給しないこととする処分に係る県の教育委員会の判断が,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとはいえないとされた事例
墓地,埋葬等に関する法律10条の規定により大阪市長がした納骨堂の経営等に係る許可の取消訴訟と納骨堂の周辺住民の原告適格
無期契約労働者と有期契約労働者との間で基本給の金額が異なるという労働条件の相違の一部が労働契約法(平成30年法律第71号による改正前のもの)20条にいう不合理と認められるものに当たるとした原審の判断に違法があるとされた事例
婚姻費用分担審判において,夫とその妻が婚姻後に出産し戸籍上夫婦の嫡出子とされている子であって民法772条による嫡出の推定を受けないものとの間の父子関係の存否を審理判断することなく,夫の上記子に対する上記父子関係に基づく扶養義務を認めた原審の判断に違法があるとされた事例
第三債務者が差押命令の送達を受ける前に債務者との間で差押えに係る金銭債権の支払のために電子記録債権を発生させた場合において,上記差押えに係る金銭債権について発せられた転付命令が第三債務者に送達された後に上記電子記録債権の支払がされたときの上記転付命令の効力
地方検察庁に属する検察官が区検察庁検察官事務取扱いとして保管記録の閲覧に関する処分をした場合と刑事確定訴訟記録法8条1項にいう「保管検察官が所属する検察庁の対応する裁判所」
石炭火力発電所の新設に当たって発電所事業者が行った環境影響評価の評価書に関し,経済産業大臣が,上記評価書は環境保全について適正な配慮がされているとしてした電気事業法46条の17第2項の確定通知について,PM2.5の排出被害,CO2の排出被害等を主張して上記確定通知の処分取消しを求めた周辺住民らの主張が排斥され,同確定通知は違法ではないとされた事例
会社の求人募集に応募し採用内定通知書の交付を受けた求職者と当該会社との間で,賃金の額について合意できず,就労に至らなかったとして,労働契約の成立が否定された事例
経直腸的前立腺生検を受けた高齢男性が,生検翌日の退院後に発熱した上,感染症による重篤な敗血症を発症して入院治療を余儀なくされた症例につき,医師が感染症予防のために生検前に実施すべき消毒義務を怠った過失,感染症予防のために投与した抗菌薬の選択を誤った過失,救急外来の看護師が発熱の連絡を受けた際に直ちに来院するよう指示すべき義務を怠った過失等いずれの過失も認められないとして,不法行為(使用者責任)又は債務不履行責任を否定した原判決を相当とし控訴を棄却した事例
住宅周囲の敷地内にある石段部分について,切れ目なく囲まれている囲障の外側に位置しているとして,住居侵入罪における「囲繞地」に該当しないとした事例
1 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律51条1項3号の同法による医療を終了する旨の決定に対する同法64条2項の抗告の許否
2 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律49条1項による指定入院医療機関の管理者からの退院の許可の申立てに対し,対象者に同法による医療を受けさせる必要を認めず,同法による医療を終了する旨の決定をした原決定に重大な事実の誤認があるとされた事例
1 米国籍を有する外国人男性が日本国籍を有する男性を相手方として米国において同性婚をしたことを理由に,出入国管理及び難民認定法に基づき「定住者」への在留資格の変更を求めた申請について,地方出入国在留管理局長が当該外国人に対してした同申請を不許可とした処分の無効の確認,及び「定住者(又は『特定活動』)」への在留資格の変更を求めた申請について変更を許可しない旨の通知の取消しを求めた事案において,上記不許可処分の無効の確認を求める訴えについては確認の利益がなく,上記通知の取消しを求める訴えについては対象となる「処分」が存在しないとして,いずれも不適法であるとされた事例
2 本国で有効に成立している外国人同士の同性婚の配偶者については,本体者に在留資格があればその同性婚の配偶者に「特定活動」の在留資格を付与する旨の平成25年通知(平成25年10月18日付け「同性婚の配偶者に対する入国・在留審査について(通知)」と題する通知〔法務省管在第5357号〕)に基づく運用は,法の下の平等を定めた憲法14条の趣旨に反する
3 地方出入国在留管理局長が,日本人との同性婚の相手方である外国人に対し,「特定活動」の在留資格への変更を認めなかった措置は,客観的には違法であるが,国家賠償法1条1項に規定する過失がないとされた事例
インターネットないしコンピューターゲームの過度の使用により,その健康上・社会生活上生じる様々な弊害・支障,取り分け青少年において生じる生育上の危険性につき,これを予防するために上記の使用に伴う危険性や過度の使用による弊害等について子供と話し合い,子供とのルール作りを求め,1日当たりの利用時間の上限の目安を示すなどを条例で定めること及び同条例を改廃しないことは,憲法21条,94条,13条等には反せず,国家賠償法上違法であるとはいえない
農業委員会の委員に応募したがこれに任命されなかった者に,他者に対してされた同委員に任命する旨の処分の取消しを求める原告適格があるか否か
私立医科大学の入学試験において,大学が女性に対して不利益な得点調整をしていることを公表しなかった行為が,原告らの受験校を選択する自由を侵害し不法行為に該当するとして,被告に不法行為責任が認められた事例
1 人の肖像を無断で使用する行為が肖像権を侵害するものとして不法行為法上違法となる場合
2 路上で人物を撮影した動画を同人に無断でYouTubeに投稿する行為が肖像権を侵害するものとして不法行為法上違法となるとされた事例
特定少年である少年が,ゴミ集積所に置かれたゴミ袋等に放火し,公共の危険を生じさせたという建造物等以外放火保護事件について,犯行の結果等の犯情に加え,少年の性格・行状等を考慮し,刑事処分以外の措置が相当であると認め,少年を第1種少年院に送致し,収容期間を2年間とした事例