最も長い歴史をもつ判例実務誌
[目次]
第1 はじめに
第2 争点整理手続における口頭議論
1 争点整理手続における口頭議論の重要性
2 口頭議論の現状
3 口頭議論が活性化されていない理由
4 本稿の構成-三つの局面について
第3 主要事実を中心とした双方の主張が一応そろい,裁判所が事案を概括的に理解するまでの局面(第1の局面)
1 概括的な説明
2 具体的な口頭議論の進め方等について
3 小括
[目次]
1 はじめに
2 割増賃金請求事件の審理を困難ならしめる要因
3 きょうとソフトの3本の柱
4 きょうとソフトを活用した場合の審理モデル
5 きょうとソフトの使用上の注意事項【重要】
6 きょうとソフトの入力方法,法的観点からの補足説明
7 おわりに
[目次]
第1 はじめに
第2 使用者責任
1 法的性質
2 要件
3 マイカー通勤に関する最高裁判例
第3 運行供用者責任
1 法的性質
2 基本的な考え方・その1(一元説と二元説)
3 基本的な考え方・その2(具体説と抽象説)
4 マイカー通勤に関する最高裁判例
第4 使用者責任と運行供用者責任の関係等
1 異同
2 関係
第5 裁判例の分析・検討
1 裁判例
2 使用者責任
3 運行供用者責任
4 使用者責任と運行供用者責任
5 裁判例の全体的な傾向
第6 関連する問題-私用運転・社用運転中の事故
1 私用運転中の事故
2 社用運転中の事故
第7 最後に
第8 参考文献
【設問】
Aは有限会社甲を設立し,大阪市長の許可を経ずに同市内に事務所を設置して同社名義で産業廃棄物である建築廃材の収集運搬及び処分を業としていたところ,平成22年3月10日,収集した産業廃棄物であるコンクリート片や廃材等合計10トンを,A個人が購入した土地に運搬した上で,その後の処理の見通しもないまま山積みにして放置していたが,行政からの指摘を受けることをおそれ,平成26年3月12日にAや甲と何らの関係のないBが所有する土地に運び込んで埋め立てた。
Aは,平成27年1月9日に,前記収集運搬行為に関し,産業廃棄物の無許可処理業の罪で起訴され,同月30日に,Aの土地への野積み及びBの土地への埋立てに関して無許可処分の訴因の追加が請求されるとともに,Bの土地への不法投棄行為が追起訴された。
1 上記訴因変更請求及び追起訴に対し,裁判所はどのように対応すべきか。
2 無許可処理業について,A個人が,従業員のCDと共謀して無許可で廃棄物処理業を営んだとして起訴されたが,裁判所はどのように対応すべきか。
歩合給の計算に当たり売上高等の一定割合に相当する金額から残業手当等に相当する金額を控除する旨の賃金規則上の定めが公序良俗に反し無効であるとして未払賃金の請求を認容した原審の判断に違法があるとされた事例
貸金の支払を求める旨の支払督促が,当該支払督促の当事者間で締結された保証契約に基づく保証債務履行請求権について消滅時効の中断の効力を生ずるものではないとされた事例
強制執行認諾文言のある公正証書で養育料の支払が定められたが,その支払期限が到来しているものについて未履行分がある場合において,その支払期限が到来していない養育料債権を被保全債権として債務者所有の不動産に対してされた仮差押命令の申立てについて,民事保全制度を利用する必要性(権利保護の利益)を欠くとの理由でこれを却下すべきものとした原審の判断が是認された事例
取締役会設置会社である非公開会社における,取締役会の決議によるほか株主総会の決議によっても代表取締役を定めることができる旨の定款の定めの効力(有効)
土地につき所有権移転登記等の申請をして当該登記等をさせた行為が電磁的公正証書原本不実記録罪に該当しないとされた事例
他人の刑事事件について捜査官と相談しながら虚偽の供述内容を創作するなどして供述調書を作成した行為が証拠偽造罪に当たるとされた事例
別居中の夫婦間において,妻である相手方が,夫である抗告人に対し,毎月相当額の婚姻費用の支払を求める事案について,いわゆる標準算定方式を前提としつつ,義務者の年収がいわゆる算定表の上限額である2000万円を相当程度超えている場合において,基礎収入を算定するに当たっては,税金及び社会保険料の各実額,職業費並びに特別経費に加え,貯蓄分を控除すべきであるとした事例
1 遺産分割申立事件において,現金等の分割とともに不動産の換価競売を命ずる場合には,競売による換価代金が当該不動産の評価額と異なるものとなることが避けられないから,当事者間の公平を図るためには,換価代金は,できる限り,各当事者の具体的相続分の割合に応じて分配するのが相当であるとされた事例
2 遺産分割申立事件が係属中に被相続人の相続人が死亡し,不動産の換価競売に基づく換価代金の一部を死亡した当該相続人に分配すべきこととなる場合には,同部分は同人の相続人らの遺産共有状態にあるから,同人の相続人らに相続分に従って保管させるのが相当であるとして,その趣旨を主文において明らかにした事例
運動用特殊靴等を指定商品とする「REEBOK ROYAL FLAG」なる本願商標は,全体として一体的に観察し又は著名な「REEBOK」の文字部分を抽出して引用商標との類否を判断するのが相当であり,「ROYAL FLAG」なる引用商標とは類似しないとされた事例
1 訴訟上の事実に関する新規かつ明白な証拠と刑訴法435条6号の該当性(消極)
2 確定判決の引用証拠について,その証拠能力を否定する事由(おとり捜査の違法)を明らかにする新証拠が同号の「証拠」に当たるとした原判断は是認できないが,即時抗告審における事実取調べの結果も踏まえ,その証拠書類を作成した警察官が当該被告事件で虚偽有印公文書作成罪を犯したことに関し確定判決に代わる証明があったと認めて同条7号の事由を肯認し, 検察官の即時抗告を棄却した事例
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律4条1項により労働者派遣事業を行ってはならないとされる業務について,複数の者を労働者として派遣した場合,同法59条1号の罪の罪数関係は,刑法45条前段の併合罪ではなく,包括一罪となる
窃盗,住居侵入保護事件において少年を第2種少年院に送致した決定に対する処分不当を理由とする抗告について,原決定の判断を相当とした上で,検察官送致及び55条移送を経て原決定までに約半年間を要したことについて特に手続的な遅延があったとはいえないなどとして矯正教育の期間を3年程度とする処遇勧告を付した原決定の判断はやむを得ないと判断して抗告を棄却した事例
保険法施行後の普通傷害保険契約の約款に基づき死亡保険金の支払を請求する場合における偶然な事故についての主張立証責任
輸入業者の委任を受けて経済連携協定に基づく特恵税率での輸入申告の代理を継続的に行っていた通関業者が,当該特恵税率の適用要件を満たさないことを理由に輸入業者が受けた更正処分につき,委任契約上の善管注意義務違反の責任を負わないとされた事例
1 抵当権の登記がある不動産の買主による民法577条1項前段に基づく代金支払拒絶に対して同項後段に基づく抵当権消滅請求をすべき旨の請求を売主が行うためには,買主が所有権移転登記を備えていない場合には,売主が原則として所有権移転登記を備えることへの協力を行う必要があるとされた事例
2 民法567条2項に基づく償還が否定される場合には民法577条1項前段に基づく代金支払拒絶の主張は許されず,民法567条2項に基づく償還が否定される場合とは買主が被担保債権の債務引受けをした場合であるとされた事例
3 抵当権の登記がある不動産の買主による民法577条1項前段に基づく代金支払拒絶に対して民法578条に基づく代金の供託請求がされた場合,代金の供託と不動産の引渡しは同時履行の関係に立つとされた事例
姉弟間の建物所有を目的とする土地の使用貸借契約につき,使用収益をするのに足りるべき期間が経過したとして,契約終了に基づく建物収去土地明渡請求が認められた事例
1 高齢者に対する金融商品取引の勧誘が適合性原則に違反するとして,証券会社の不法行為責任を認めた事例
2 適合性原則及び説明義務に違反し不法行為に該当する金融商品取引の勧誘について,顧客の財産状態及び投資意向,金融商品の特性及び勧誘の態様等の事情を総合考慮し,顧客の過失割合を3割と認定して過失相殺をした事例
交差点に進入する直前に対面信号機が赤色表示であることを認識し,急ブレーキをかけるよりも走り抜ける方が安全だと考えて交差点内に侵入した場合において,赤色信号を「殊更に無視」したとはいえないとされた事例
衆議院議員の関連政治団体の事務全般の統括等をしていた者及び同議員の資金管理団体の会計責任者に対する政治資金規正法25条1項違反の罪(収支報告書の虚偽記入・不記載の罪)について,執行猶予付き禁錮刑の有罪判決が言い渡された事例