最も長い歴史をもつ判例実務誌
[解 説]
1 本件は,建物建築請負契約(本件各契約)を締結したX(請負人。建築工事請負等を業とする株式会社。上告審係属中に破産手続開始決定を受け破産管財人Zが訴訟手続を受継)及びY(注文者。不動産の売買等を業とする株式会社)が,互いに本訴・反訴を提起している事案である。本訴は,XがYに対し...
[解 説]
1 事案の概要
Xは,Y1(代表者Y2)との間で,ビジネスホテルの事業化のための指導を受けることなどを内容とする経営指導契約を締結し,設計業者であるAとの間で,10階建て・126室のビジネスホテル(本件建築物)の設計・監理業務を委託する設計等契約を締結した。A所属の建築士がXの...
[解 説]
1 事案の概要
名古屋市の河村市長を支援するグループに属する申立人(本案事件原告)らは,地方自治法(以下「法」という。)76条の規定に基づき,請求代表者として名古屋市議会の解散請求をするための署名を集め,その署名簿を名古屋市の各区選挙管理委員会に提出し,署名簿に署名した者が選挙...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,翌年3月に大学を卒業することを予定して就職活動をし,不動産売買等を業とする株式会社であるYから7月7日ころ内々定(以下「本件内々定」という。)を得ていたXが,採用内定通知書授与の予定日の2日前である9月30日ころにYにより通知された本件内々定の取消しが違...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,判タ1327号166頁に掲載された東京地判平21.12.17(前件)と同一の事案であり,判決した部も同じであって(裁判官は2人が同じ),前件では,4棟の住宅用床材の瑕疵が問題となったが,本件は,残りの2400棟を超す住宅用床材の瑕疵が問題となった。
(1...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,Xが,Yとの間の取引の基本契約に基づき,Yから発注を受けて,製品を製造してYに販売したなどとして,製品代金の支払等を求める事案である(なお,Xは,民事再生手続の開始決定を受けている。)。
2 主要な争点
(1)下請代金支払遅延等防止法(以下,単に「下請...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,Xが,貸金業を営むA社との間で,継続的な金銭消費貸借取引を行った後,Y社からの融資を受けて,A社に対する債務を弁済し,以後,Y社との間の契約に切り替えて金銭消費貸借取引を継続していたところ,Xが,Y社に対し,これらの取引を一連のものとして利息制限法所定の...
[解 説]
1 本件の概要
本件は,弁護士法所定の懲戒請求を受けた弁護士のXが,当該懲戒請求が不法行為を構成すると主張して,その請求者であるY1と,Y1を扇動して当該申立てをさせるなどしたという弁護士のY2とに対し,損害賠償を求めた事案である。
2 事案の概要
本件懲戒請求に至った経緯...
[解 説]
1 事案の概要
A(死亡当時66歳の女性)は,平成15年(以下,平成15年中の日付については,月日のみをもって示す。)1月21日,歩行困難,四肢の脱力などを訴えて被告病院神経内科を受診したところ,肺炎及びギラン・バレー症候群の疑いと診断されたので,直ちに,被告病院神経内科に入院...
[解 説]
1 事案の概要
Xは,平成15年11月,本件車両(ポルシェ・カイエン・ターボ)を1433万6000円で購入し,平成20年3月5日,Yとの間で自動車保険契約を締結した。
Xは,平成20年10月20日,中学1年の一人娘と魚釣りをするため,本件車両を横浜市中区新山下の路上に駐車し,...
[解 説]
1 事案の概要
本件商標は,判決別紙「本件商標」記載の商標であり,「Blue Note」の文字の間に「音符の図形」を有する。本件商標の指定役務は判決別紙「指定役務」記載の小売等役務であり,「衣料品,飲食料品及び生活用品に係る各種商品を一括して取り扱う小売又は卸売の業務において行...
[解 説]
1 事案の概要
アメリカ合衆国内の法人であるX1及び英国内に住所又は居所を有するX2,X3の3名は,「チオキサントン誘導体,およびカチオン光開始剤としてのそれらの使用」という発明の特許を受ける権利を共有しており,同じ特許管理人Aに委任して出願手続を行ったが,拒絶査定がなされたた...
[解 説]
1 Xは,平成16年9月30日,Yが製造した本件車両を,中古車として購入し,平成17年9月4日,本件車両を運転して,高松市内の県道を走行中,単独で急カーブで横転して本件事故が発生し,負傷するとともに本件車両を損傷した。
そこで,Xは,本件車両の取扱書には指示・警告上の欠陥がある...
[解 説]
1 事案の概要
マンション管理組合法人の副理事長である抗告人は,建物の区分所有等に関する法律(以下「区分所有法」という。)59条1項に基づき,区分所有建物(以下「本件物件」という。)の区分所有者(以下「本件区分所有者」という。)に対して競売申立請求事件を提起し,その認容判決(以...
[解 説]
1 事案の概要
被告人は,原審では,被害者がいうような行為はまったくしていないとして無罪を主張したが,原判決は,概要,「ファッションモデルの紹介等を営む株式会社の代表取締役である被告人が,同社事務所兼当時の被告人方において,モデルの募集に応募してきたA(当時17歳)に対し,『服...
訴訟上の救助の決定がされた民事訴訟において、請求を全部認容し、訴訟費用を相手方の負担とする判決を得た者が、当該判決に基づき執行費用を含む請求債権について得た債権差押命令により第三債務者から債権を取り立てた場合には、救助決定は当然に効力を失い、救助決定の取消決定をすることなく執行費用の支払を命じることができるとされた事例
根抵当権に基づき不動産競売が申し立てられた土地につき、申立ての前後を通じて完成された建物の収去等を命じた売却のための保全処分が維持された事例
1 担保不動産競売事件の期間入札において、執行官が、最高の価額で買受けの申出をした入札人の入札を誤って無効と判断し、他の者を最高価買受申出人と定めて開札期日を終了した場合に、執行裁判所等が執るべき措置
2 担保不動産競売事件の期間入札において、自らが最高の価額で買受けの申出をしたにもかかわらず、執行官の誤りにより当該入札が無効と判断されて他の者が最高価買受申出人と定められたため、買受人となることができなかったことを主張する入札人が、この者の受けた売却許可決定に対し執行抗告をすることの許否
3 担保不動産競売事件の期間入札において、入札書を封入した封筒に記載された事件番号が、これと共に提出された入札保証金振込証明書に記載されたそれと一致しなくても、当該入札が無効であるということはできないとされた事例
抵当権設定登記後に賃借権の時効取得に必要な期間不動産を用益した者が賃借権の時効取得を当該不動産の競売又は公売による買受人に対抗することができないとされた事例
1 不動産競売事件における評価人は国家賠償法1条1項にいう「公権力の行使に当る公務員」に該当しないとされた事例
2 不動産競売により売却された土地に、現況調査報告書及び物件明細書に記載のない土壌汚染が存在することが判明したとしても、執行官及び裁判所書記官に過失は認められないとされた事例
債権者が債務者所有の不動産と物上保証人所有の不動産を共同抵当の目的とする場合において、両不動産について抵当権が実行され、同時配当が実施されるときの配当方法について、民法392条1項は適用されず、まず債務者所有の不動産の代価から先に共同抵当権の被担保債権に配当し、不足が生じる場合に物上保証人所有の不動産の代価から配当をすべきであるとされた事例
建物賃貸人と賃借人との間の減額合意による賃料額が、民法395条2項にいう「使用の対価」の額とは認められないと判断された事例
株式会社甲を債務者とする債務名義に基づく「株式会社甲代理人弁護士乙」名義の口座に係る預金債権の差押えが認められなかった事例
生命保険契約の契約者が生命保険会社に対して有する解約返戻金等請求権を差し押さえるべき債権とする場合に、保険契約の保険証券番号、種類等を記載せず契約年月日の先後等で順位付けをして特定した債権差押命令の申立てが適法とされた事例
大規模な金融機関の全店舗又は貯金事務センターを対象として順位付けをする方式による預貯金債権の差押命令の申立てが、差押債権の特定を欠き不適法であるとされた事例
信用金庫の出資持分権の譲渡命令の申立てにつき、申立人が公認会計士による評価のための費用を予納しなかったことを理由に却下した原決定が、裁量権の行使に誤りがあるとして取り消された事例
差押禁止債権である厚生年金等の給付が銀行の口座に振り込まれて預金債権となった場合に、債務者が、差押禁止債権の範囲変更の申立てをして、当該預金債権の差押命令の取消しを求めたところ、取消しが否定された事例(①事件)及び取消しが肯定された事例(②事件)
雇用関係の先取特権に基づく債権差押命令の申立てについて、「担保権の存在を証する文書」を提出したと認めることはできないとして申立てを却下した原決定を維持した事例
区分所有者に対して建物の区分所有等に関する法律7条1項に規定する管理費等の請求権を有する管理組合は、同建物が強制競売により売却された場合の売却代金に対し、同請求権を被担保債権とする先取特権に基づく物上代位権を行使することができるとされた事例