最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本判決は,国外に居住していて国内の市町村の区域内に住所を有していない日本国民(以下「在外国民」という。)の国政選挙における選挙権行使の全部又は一部を認めないことの適否等が争われた事案について,最高裁判所大法廷が法令違憲等の判断をしたものである。
2 本件訴訟は,平成8年1...
《解 説》
1 本件は,内閣総理大臣が昭和58年5月27日に動力炉・核燃料開発事業団(以下「動燃」という。)に対してした高速増殖炉「もんじゅ」(以下「本件原子炉」といい,これとその附属施設を併せて「本件原子炉施設」という。)の設置許可処分(以下「本件処分」という。)について,周辺住民である...
《解 説》
1 本件は,第三者異議の訴えに法人格否認の法理が適用されるかどうかが問題となった事件である。
2 事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) Yらは,A社が開場した本件ゴルフ場に設けられた本件ゴルフクラブに入会し,それぞれ1200万円の会員資格保証金を預託していたものであ...
《解 説》
1 私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(以下「独禁法」という。)8条の3において準用する独禁法7条の2の規定によると,独禁法2条2項にいう事業者団体が一定の取引分野における競争を実質的に制限し,それが商品又は役務の対価に係るものであるときは,公正取引委員会は,事業者団...
《解 説》
1 本件は,「公立図書館において閲覧に供されていた図書が,図書館職員の個人的な好みによって廃棄されたことにより,著作者としての人格的利益を侵害された」などと主張して,当該図書の著作者らが,公立図書館を設置する地方公共団体に対し,国家賠償を求めた事件である。
2 事実関係の概要...
《解 説》
1 本件は,名古屋市(以下「市」という。)の住民であるXが,名古屋市公文書公開条例(昭和61年名古屋市条例第29号。以下「本件条例」という。)に基づき,Y(市長)に対し,名古屋市土地開発公社(以下「公社」という。)が市の委託により将来市に譲渡することを予定して先行取得を行い保有...
《解 説》
1 本件は,Y(東京都)所属の警察官がXらの各住所地の住居等において行った各捜索差押えが違法であることなどを理由に,Xらが,国家賠償法1条1項に基づきYに対して損害賠償を請求した本案訴訟において,Xらが,Yが所持する上記各捜索差押え(合計7件)に係る各捜索差押許可状請求書(本件...
《解 説》
1 本件は,Yに土木工事のために運転手付きで建設重機を貸し出すなどしたXが,Yに対し,その未払となっているとする代金等及びこれに対する遅延損害金(これらを併せて「本件代金等」という。)の支払を求めた事案である。
2 1審は,Yに本件代金等として約123万円及びこれに対する遅延...
《解 説》
本件は,被告人が,営利の目的で麻薬を輸入しようと企て,外国の空港で,麻薬類が入ったスーツケースを機内預託手荷物として航空機に搭載させ,新東京国際空港に到着後,これを航空機から機外に搬出させて,麻薬及び向精神薬取締法上の麻薬の輸入を遂げたが,同空港内税関支署の旅具検査場で携帯品検...
《解 説》
1 本件は,愛知県の住民である原告が,愛知県職員に対して給料の月額等に100分の10を乗じた額の調整手当を一律に支給することは,地方公務員法24条第3項又は地方自治法204条2項に反して違法であると主張して,地方自治法242条の2第1項1号に基づき,被告に対し,同手当を名古屋市...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Aは,義兄の経営するT病院で,病院設立の昭和43年12月から事務長として働いていたが,平成13年10月死亡した。T病院の敷地の2分の1はAの共有持分(以下「本件土地持分」という)であったこともあり,Aの妻子であるXらは,Yに対し,退職金の支...
《解 説》
1 本件は,建設業者である原告が,大手鋼板メーカーであるA社から呉工場のコイル状鋼板の連続亜鉛めっき加工設備の建設工事の一括受注を受けていた大手電機メーカーである被告から,下請業者として,同工事のうちの①既存建物の解体工事,②建家(工場建物)の建築工事,③機械の基礎工事及び④外...
《解 説》
本件では,LPガスの供給販売業者であるX(被控訴人)が,弁当の製造販売等を業とするY(控訴人)とLPガスの供給販売契約を締結したが,Xは,その際,Yの承諾を受けて,その店舗敷地内に大規模なLPガス貯蔵・供給設備及び消費設備(バルク設備と称されるもので,以下「本件設備」という。)...
《解 説》
1 本件は,新聞社のXが,雑誌社のYに対し,Yの発行している週刊誌「週刊新潮」に「読売新聞の伏魔殿『販売局』に国税のメスが入った 裏金スキャンダル」との見出しの記事及び同様の記載の見出しを付けた当該週刊誌の広告がそれぞれ掲載されたことにより,Xの名誉・信用が毀損されたとして,不...
《解 説》
1 Aは,X1及びX2(Aの姉の子ら)並びにY1及びY2(Aの兄であるBの子ら)の叔母にあたる。Aは,本件土地及びその上に存する本件建物に,昭和42年から居住していた。本件土地は,昭和28年11月,売買を原因としてBの所有名義となっていたが,平成13年7月,B死亡(昭和57年8...
《解 説》
1 本件の事案の概要
Xは,本件株券を所有していたが何者かに窃取され,その後,暴力団組員であるA,Aの知人であるB,貸金業を営むY1が順次これを取得し,Y1において証券会社であるY2に本件株券を預託し,本件株券の売付を委託し,Y2は同売付を執行し,第三者が本件株券を善意取得し...
《解 説》
Xは,平成13年9月13日,外国語会話教室を開設しているY会社から,600ポイントのレッスンポイントを75万6000円で購入し,さらに10枚のVOICEチケットを2万1000円で購入して,同校に入学した。Yの教室に入学するには,あらかじめレッスンを受講するためのレッスンポイント...
《解 説》
1 申立人(基本事件の被告)は,大阪府に本店を有する株式会社であり,相手方(基本事件の原告)は,神奈川県に本店を有する有限会社である。基本事件は,商標権者である相手方が,申立人に対し,申立人の標章使用が相手方の商標権を侵害すると主張して,同標章使用の差止めを求める事案である。
...
《解 説》
1 本件は,大阪ミナミの繁華街で演芸場として親しまれた旧中座の建物の解体工事に伴う滞留ガスの除去工事(ガスパージ工事)の際のガス爆発により,近隣のいわゆる法善寺横丁の飲食店街の建物を焼損するとともに,現場に居合わせた者に傷害を負わせたという事故について,同工事に立ち会っていた被...