最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
1 本件は,Xが紀伊長島町において産業廃棄物中間処理施設(以下「本件施設」という。)の設置を計画したところ,Yが,本件施設を紀伊長島町水道水源保護条例(平成6年紀伊長島町条例第6号。以下「本件条例」という。)2条5号所定の規制対象事業場と認定する旨の処分(以下「本件処分」という...
《解 説》
1 本件は,平成15年11月9日に施行された衆議院議員総選挙のうち東京都選挙区における比例代表選出議員の選挙について,同選挙区の選挙人であるXらが,同選挙に関する公職選挙法の規定が憲法に違反し無効であるから,これに依拠してされた同選挙は無効であると主張して,中央選挙管理会Yを被...
《解 説》
1 住宅金融専門会社(以下「住専」という。)の日本ハウジングローン株式会社(以下「JHL」という。)に対し残高合計3760億5500万円の貸付債権(以下「本件債権」という。)を有していたその母体行の株式会社日本興業銀行(以下「興銀」という。)は,平成8年3月29日,本件債権を放...
《解 説》
1 本件は,財産的利益に関する意思決定権侵害に基づく慰謝料請求が認められるか否かなどが争われた事案である。
Xらは,住宅・都市整備公団(住宅公団)との間で,その設営に係る団地内の住宅につき賃貸借契約を締結していたところ,住宅公団が行う団地の建て替え事業に当たって,建て替え後の...
《解 説》
1 本件は,被審人を過料に処する略式裁判を非訟事件手続法(以下「法」という。)19条1項により取り消した原々決定に対し,検察官が抗告の申立てをしたところ,原審が即時抗告期間経過後の抗告であるとして同抗告を却下したことから,検察官が抗告の許可を申し立て,原審によりこれが許可された...
《解 説》
1 本件は,共同訴訟人間における相続人の地位不存在確認の訴えが,固有必要的共同訴訟であるかどうかが問題となった事案である。
2 被相続人Aの法定相続人は,妻であるB及び子であるX,Y,C及びDの5名であった。Xは,Yが,被相続人Aの遺言書を隠匿し,又は破棄したとして,Yに民法...
《解 説》
1 本件は,被告人が,共犯者2名と共謀の上,支払督促制度を悪用して叔父の財産を差し押さえるなどして多額の金員を得ようと企て,叔父を債務者とする内容虚偽の支払督促を申し立て,支払督促正本,仮執行宣言付支払督促正本を送達してきた郵便配達員に対して,共犯者において叔父を装い,郵便送達...
《解 説》
1 本件は,土地区画整理組合の設立認可処分が無効であるとして争われた事案である。Xらの主張は判決において判断された内容のほか,日付の改ざんされた同意書の有効性,同意者が同意書の提出後に撤回の意思を表明した場合の同意書の有効性,施行区域内に地盤が軟弱な区域がある場合における事業計...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,青色申告の承認を受けていたもので,北欧に本拠を置く企業グループの日本法人であるところ,平成3年にグループ内の兄弟会社(共通の親会社を有するが,相互間では出資関係がない会社)が行っていた北欧における移動電話機販売事業を引き継ぐため,スウェーデンの休眠会社...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Yは,昭和52年に,A社とB社が出資して設立された会社であり,会社設立から平成13年2月末日までの間は,いわゆる正社員はおらず,A社及びB社からの出向社員がYの仕事に従事していた。Yは,平成13年3月1日,A社,B社からYに出向していた社員...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,不動産を担保に融資を行う業者であるXが,融資の担保とする不動産について,先順位根抵当権の抹消登記及びXの根抵当権設定登記の各申請手続を委任した司法書士であるYに対し,Yが融資申込人が提示した登記申請書類が真正なものであることの調査及び先順位根抵当権者の...
《解 説》
1 Xらは,Y(旅行会社)の主催した「西トルキスタン・大シルクロード」と称する旅行(以下「本件旅行」という。)につき旅行契約を締結したが,出発4日前の平成13年9月11日にいわゆる米同時多発テロが発生し,旅行先の隣接地域であるアフガニスタン情勢の悪化を懸念する報道がされたため,...
《解 説》
1 本件は,スウェーデン貿易公団の日本支部に勤務していた原告が,上司であった被告に対し,被告が,女性が働きづらい職場環境を作り出して楽しむ,原告の体を触る,原告に男女関係を持つよう誘いかけるなどし,原告がこれに応じないことで嫌がらせ等の不利益扱いをした上,原告を自主退職という形...
《解 説》
1 Xは,フリーのジャーナリストであり,Y1及びY2は,朝日新聞社の元編集委員である(Y2は,本件訴訟係属中に死亡しており,本件の当事者はY2を承継したY2の妻であるが,解説中では便宜上Y2を当事者として記載する。)。Y1,Y2を含む朝日新聞社関係者が,昭和62年4月,リクルー...
《解 説》
1 X1は,平成8年7月12日,Yの経営する病院(以下「Y病院」という。)で帝王切開手術を受け,双子(X4及びX5)を出産したが,その後ARDS(成人呼吸窮迫症候群),DIC(播種性血管内凝固症候群),MOF(多臓器不全)に陥り,同月7月18日に心停止したことにより低酸素脳症を...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,株式会社ダスキン(ダスキン)が,食品衛生法に違反して,人の健康を損なうおそれのない場合として厚生大臣(当時)が定めていない添加物であるt-ブチルヒドロキノン(TBHQ)を含む「大肉まん」を販売し,その事実が新聞報道されたことなどから,ダスキンの...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,「切削オーバーレイ工法」に関する発明(本件発明)の特許権者である。本件発明は,マンホール枠を含む舗装の切削オーバーレイ工法において,判決文の特許請求の範囲(a)ないし(f)記載の各工程からなる切削オーバーレイ工法である。
被告は,MR2AB工法という...
《解 説》
1 本件は,被告人が,交際のあった被害女性に対して通信手段を確保するよう要求する手紙4通を同女性方に投函するなどし,うち1通に同女性の裸体を被写体とする画像を含む印刷物を同封するストーカー行為を行ったという,ストーカー行為等の規制等に関する法律(以下「法」という。)違反の事案で...
《解 説》
本件は,覚せい剤自己使用の事犯について,尿の採取過程における手続の違法性及び尿の鑑定書の証拠能力が争われ,1審(原判決)と2審(本判決)の判断が分かれた一事例である。
事実関係の詳細は判文のとおりであるが,概略すると,職務質問から警察署への任意同行,同署での留め置き,尿の任意...