最も長い歴史をもつ判例実務誌
《解 説》
一 事案の概要
1 抗告人は、新聞販売店を営む者であり、相手方である㈱朝日新聞社から新聞販売契約を解除する旨の意思表示を受け、右解除の無効を主張して、地方裁判所に対し、解除の意思表示の効力発生の停止及び新聞の供給継続を求める仮処分を申し立てた。抗告人の申立てを認容する仮処分決...
《解 説》
一 本件は、原判決に対して敗訴当事者であるXが上告受理の申立てをしたが、原裁判所が民訴法三一八条一項の事件に当たらないことを理由に右申立てを却下する旨の決定をしたため、Xが抗告許可の申立てをしたところ、原裁判所がこれを許可した事案である。抗告許可申立て理由書に記載された抗告理由...
《解 説》
一 Xは、東京都の区域内に住所を有する者であるが、東京都公文書の開示等に関する条例(昭和五九年東京都条例第一〇九号。以下「本件条例」という。)に基づき、Y(都知事)に対し、(1)都議会議員の海外視察に要した経費に関する支出命令書、(2)①都議団海外視察につき、出納長室が保管する...
《解 説》
一 事案の概要
Xは、A弁護士会に対し、入会を申し込み、A弁護士会を経てY(日弁連)に対する弁護士名簿への登録の請求の進達を求めたところ、A弁護士会は、Xが弁護士法一二条一項前段所定の「弁護士会の秩序若しくは信用を害する虞がある者」に当たるとして、進達を拒絶する旨の処分(本件...
《解 説》
一 原告らは皆分譲マンションを購入した者であるが、同人らは当該年度の所得税につき、その区分所有部分の床面積が租税特別措置法(平七法律第五五号による改正前。以下「法」という。)四一条による所得税額の特別控除(以下「住宅取得控除」という。)の適用があると考え、これを前提に納付すべき...
《解 説》
一 事案の概要
1 原告は、病院を経営する財団法人である被告の従業員として、昭和四七年から右病院の心療内科の医局員として勤務してきたところ、平成六年、被告が申し入れた労働条件の変更に応じなかったことを理由に解雇された。従前の労働条件は、月・水・金曜日の週三日の隔日勤務でありな...
《解 説》
一 Xは、個人で高利の金融業を営むほか、同種の事業を目的とする会社の代表取締役に就任しているものであるが、昭和五三年五月二三日、一五〇万円を利息二分の約定で貸渡し、昭和五三年三月二四日、Yを連帯債務者として、訴外Aに対し、九五〇万円を利息一分五厘の約定で貸渡したと主張し、Yに対...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、原告がその所有土地の一部を被告に売り渡した(以下「本件売買契約」という。)際、被告から土地譲渡の課税について誤った説明を受けたため、税務上の優遇措置の適用(以下「本件優遇措置」という。)を受けられると信じて本件売買契約を締結したうえ、その譲渡所得につい...
《解 説》
本件の事実関係の概要は、仲介業を営む会社である控訴人(被告)は、被控訴人(原告)から不動産買受けの媒介を依頼され、不動産の所有者である甲会社と媒介交渉をしていたが、価格交渉が難航したため、被控訴人との媒介契約が合意解約された。ところが、その後に至り、被控訴人(買主)と甲会社(売...
《解 説》
一 原告X1は液体食品用充填機におけるヒートシール装置に関する特許権を有し、原告X2はその専用実施権を有している。本件は、原告らが、被告によるヒートシール装置(被告製品)の製造販売が原告らの特許権等の侵害に当たるとして、被告に対し、被告製品の製造販売の差止め等とともに損害賠償を...
《解 説》
一 ブックデザイナーであるXは、Yから同社が発行する年度版用語辞典のブックデザインの依頼を受け、創刊から四年間発行分のブックデザインを担当したが、平成六年版以降は依頼されなかった。
Xは、①編集著作物である用語辞典の本文(用語辞典部分)の記事の「かたち」を決定づける基礎的な要...
《解 説》
一 本件は、オウム真理教(以下「教団」という。)関連の事件であり、教団大蔵省大臣などと称され、教団経理の最高責任者の地位にあって、教団代表者Aの信頼も厚かった被告人が敢行した、証憑湮滅(第一の事実)、死体損壊(第二の事実)及び二件の犯人隠避(第三及び第四の各事実)の事案である。...
《解 説》
一 本件は、平成九年に、証券会社による一連の不祥事の一つとして、マスコミでも大きく取り上げられた事件である。本件の被告人は、法人としての証券会社と同社の副社長ら幹部六名である。
二 認定された事実の概要は、以下のとおりである。すなわち、右幹部六名の被告人は、共謀の上、被告会社...