〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,吉本興業株式会社(平成22年6月1日合併により解散。以下「旧吉本」という。)の株式の公開買付が行われた後,同社の株主総会において,普通株式を全部取得条項付株式へと変更し,これらを同社が取得するなどの決議がされたことにつき,①同社の株主が,同社の株式を保有...
〔解 説〕
1 本件は,大手消費者金融会社であるYにおいて,国内の消費者金融子会社を再編する手続の一環として,完全子会社である貸金業者のAが顧客であるXに対して有する約定利率に基づく残債権の譲渡を受けた事案について,Xが,Aとの取引は引直し計算をすると過払いになっており,この過払金等返還債務...
側部観察窓付き容器に係る意匠について,容器 本体の周面に内容物の観察のための垂直に細長 い観察窓を設けた構成は,ありふれた態様であることなどから,当業者が,引用意匠及び周知 意匠に基づいて,容易に創作し得るものとされ た事例
特許法 153 条 2 項にいう「当事者の申し立て ない理由」とは,新たな無効理由の根拠法条の 追加や主要事実又は引用例の追加等,不利な結 論を受ける当事者にとって不意打ちとなりあら かじめ通知を受けて意見を述べる機会を与えな ければ著しく不公平となるような重大な理由を いうものであって,特定の引用例に基づいて当 該発明が容易に想到できるか否かの判断の過程 における一致点や相違点の認定は,上記「当事 者の申し立てない理由」には当たらない
〔解 説〕
1 事案の概要
Yの代表取締役であったXは,Yに対し,①Yのホームページ上に公表されたXの代表取締役の解任等を通知する「代表取締役の異動に関するお知らせ」と題する文書(以下「本件通知」という。)によって名誉が毀損されたと主張して,民法709条に基づく損害賠償及び民法723条に基...
〔解 説〕
1 事案の概要
不動産賃貸業等を営む事業者である被告は,不特定かつ多数の消費者との間で建物賃貸借契約を締結又は更新する際に使用している契約書において,契約が2年間更新されるに際して,更新後の契約における賃料,共益費及び附帯施設管理費(以下「賃料等」という。)1か月分相当額の更新...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xら及びYは,いずれも,リゾート地として有名な軽井沢町の旧軽井沢市街のほぼ中心部に所在する土地を所有する者である。Xらは,一連の4筆の土地からなるY所有地のいずれかの部分に接道する各土地を所有しているが,Y所有地の元所有者とXらとの間で,Xらがそれぞれ所有する土...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,交通事故で死亡した被害者の相続人らの代理人である弁護士が,医療過誤に基づく解決金6600万円を病院から受領したことを秘したまま加害者に対し損害賠償請求訴訟を提起し,訴訟上の和解に基づき損害賠償金9000万円の支払を受けたことが,損害の二重請求をした不法行...
〔解 説〕
1 本件は,被告人が,共犯者と共謀の上,第三者が開設したインターネット上の掲示板に記憶,蔵置されていた児童ポルノを,共犯者が管理運営するホームページ上にその識別番号(URL)を明らかにするなどして,不特定多数のインターネット利用者において閲覧可能な状況を設定し,児童ポルノを公然と...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,DVD商品(本件商品)の映像(本件映像)の著作権を有すると主張する原告が,被告に対し,著作権法112条1項に基づき,本件商品の販売,頒布の差止めを求めるとともに,民法709条,著作権法114条2項又は3項に基づき,損害617万5000円及び弁護士費用61...
1 「SAMURAI」と「JAPAN」からなる 3 つ の被告標章について「SAMURAI」の部分の大 きさ等により,要部認定を行った事例
2 インターネット上のウェブサイトにおける被告標章の使用について,商標法 2 条 3 項 8 号 の適用を認めた事例
3 フットサルコート事業者が主催する大会に おいて優勝商品等として格安で販売している商 品について,損害が発生したとは認めがたいと して,商標法 38 条 2 項又は 3 項の適用を否定 した事例
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは公立学校教員としてYに条件附採用されたが,1年の期間経過時に免職処分を受けたため,当該処分の取消訴訟を提起したうえ,行政事件訴訟法25条2項に基づき,免職処分の効力の執行停止を求める申立てをした。これを受けて,原審は,Xの経済的困窮が著しく,重大な損害を避け...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,刑務所に在監中のXが,Y(国)に対し,①刑務所の職員Aが,自ら職務上作成し,Xの個人情報が記載された報告書控えを施設外に持ち出して私人であるBに手交し,Xの個人情報を漏洩した行為(以下「本件漏洩行為」という。)が,公務員として職務を行うについてなされた行...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,貸金業者A(株式会社武富士)との間で金銭消費貸借取引をしていたXらが,Aの代表取締役であったYに対して,不法行為又は会社法429条1項(会社法施行前のYの行為については,平成17年法律第87号による改正前の商法〔以下「旧商法」という。〕266条の3第1項...
発明の名称を「フルオレン誘導体の結晶多形体 およびその製造方法」とする特許について先使 用による通常実施権の成立が認められた事例
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,X(控訴人・原審原告)が,本件特許権に係る専用実施権者であるY1社(被控訴人・原審被告)との間で,同専用実施権に係る特許侵害者との間の通常実施権の設定に関する交渉等の業務委託を目的とする本件業務委託契約を締結し,契約金として1000万円を支払ったことを前...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は本願商標の登録出願につき拒絶査定を受けた原告が,これに対する不服の審判請求につき請求不成立審決を受けたため,その取消しを求めた事案である。
審決の理由は,本願商標(指定商品第25類「運動用特殊衣服,運動用特殊靴」)と,引用商標(指定商品第28類「ゴルフク...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被告が,消費者との間で携帯電話の通信契約を締結する際に使用する,2年間の定期契約の中途解約時に9975円の解約金を支払うことを定める解約金条項(以下「本件解約金条項」という。)が,消費者契約法9条1号,10条に照らし無効であるとして,①適格消費者団体であ...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,①事件,②事件とも,原告リーマン・ブラザーズ証券会社とその顧客である被告とが,1992年版ISDAマスター契約(以下「マスター契約」という。)に基づく基本契約及び個別取引契約を締結してデリバティブ取引の一種である米ドルと日本円の為替予約取引を行っていたと...
〔解 説〕
1 損害保険会社であるXは,Yがその費用で管理する河川の管理用通路(以下「本件通路」)の一部が陥没し,本件通路上に停止していたA所有の工事用車両(本件通路沿いに点在する資材置場等に出入りするダンプトラック)の車輪が陥没部分に落下して損傷した事故について,Aとの自動車保険契約に基づ...