〔解 説〕
1 本件は,自動車保険契約の人身傷害条項(人身傷害補償条項)に基づき保険金(人傷保険金)を支払った保険会社による損害賠償請求権の代位取得の範囲等が争われた事案である。人身傷害条項が定めるいわゆる人身傷害保険(人傷保険)は,自動車保険として一般に想定される(加害者側の加入する)賠償...
〔解 説〕
1 本件の概要
本件は,被告人が,連れ子の女児(当時11歳)に対し,その就寝中に陰部を手指で触るなどして弄び,13歳未満の女子に対してわいせつな行為をしたとして起訴された事案である。
本件では,女児が公訴事実に沿う被害状況を述べるが,その供述を支える客観的な証拠は乏しく,目撃...
〔解 説〕
1 本件は,音響製品等の設置,修理等を業とする会社であるXが,Xとの業務委託契約に基づいて音響製品等の修理等の業務に従事する個人営業の代行店により結成された団体から団体交渉を申し入れられたものの,その労働組合性を否定してこれに応じなかったところ,大阪府労働委員会及び中央労働委員会...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,体験型展示物(X装置)の制作者であるX(控訴人兼附帯被控訴人。原審反訴原告)が,Y装置を用いてイベントへの出展等の事業を行っているY(被控訴人兼附帯控訴人。原審反訴被告。なお,原審において,X装置につきXが著作権を有しないことの確認等を求めるYの本訴請求...
〔解 説〕
1 本件事案の概要
被疑者AないしEの弁護人,弁護人となろうとする者(当番弁護士)であるXらは,平成16年3月から平成17年11月にかけて,広島地方検察庁検察官に対し,庁内での接見を申し出たが,①被疑者Aについては接見室がないとの理由で接見を拒まれ,②被疑者C,D,Eについては...
〔解 説〕
1 本件は,被告人が実母及び実子2名を殺害し,その保険金等を詐取したなどとして起訴された事案であり,検察官は死刑を求刑したが,1審判決は被告人を無罪とし,原判決も検察官の控訴を棄却したことから,検察官が上告した事件である。
2 本件の公訴事実は,本決定にその要旨が摘示されている...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1) Xは,京都市の中学校教諭等として27年間勤務し,京都市立中学校教頭となったが,家庭内の問題があり,飲酒した上で,失踪した妻を探すために自動車を運転し,物損事故を起こして検挙され,罰金50万円に処せられた。
本件は,京都市教育委員会が,Xに対し,Xが酒気...
〔解 説〕
1 労働組合であるXは,所属組合員らが使用者であるZから運転士に発令されないのは所属組合を理由とする不利益取扱い等に該当し,不当労働行為に当たるとして千葉県地方労働委員会(当時)に救済を申し立てた。同委員会は,不当労働行為の成立を認めて救済命令を発したが,Zから再審査の申立てを受...
〔解 説〕
1 本件は,債務者Aに対する債権執行手続において,X及びYを債権者として作成された配当表(以下「本件配当表」という。)につき,Xが,Yの請求債権は架空のものであると主張して,Yの配当額全額について異議の申出をした上で提起した配当異議訴訟である。
2 本件の事実関係の概要は,以下...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,X(個人)が,Y(全国生活協同組合連合会)との間で締結していた本件火災共済契約及び本件生命共済契約(以下「本件各共済契約」という。)に基づき,当該各共済契約に係る共済事故(以下「本件各共済事故」という。)として,①本件火災事故,②本件転落事故,③本件第1...
〔解 説〕
1 本件は,中小事業主の特別加入の制度により労働者災害補償保険(労災保険)に特別加入していた建築請負会社(A社)の代表者Bが,営業活動の一環として建築見込現場の下見に赴く途中で事故に遭って死亡し,その妻であるXが,労働者災害補償保険法(労災保険法)に基づく遺族補償給付等の支給を請...
〔解 説〕
1 本件は,就労中に事故に遭って負傷した労働者であるXが,使用者であるYの安全配慮義務違反によって上記事故が発生したと主張して,Yに対し,債務不履行に基づく損害賠償等を求めた事案である。
2 Xは,Yに雇用され,工場においてプレス機の操作に従事していたところ,同プレス機に両手を...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,私設の語学学校を経営するXにおいて,多数の語学講師(労働組合員)を動員して約11か月にわたり,計3521回の指名・時限ストライキ(あらかじめ特定の組合員を指定し,実施時間を限定して行うストライキ。以下「本件ストライキ」という。)が実施されたことに関し,X...
〔解 説〕
1 事案の概要
本判決は,覚せい剤を自己使用したとして起訴された被告人に対し,被告人の尿の鑑定書は違法収集証拠であって証拠能力を認めることができず,その他本件公訴事実を認めるに足りる証拠もないとして,無罪を言い渡したものである。
本件では,被告人の採尿手続自体は適法に発付され...
発明の名称を「ポリウレタンフォームおよび発泡された熱可塑性プラスチックの製造」とする本件特許に係る本件訂正発明が備える発泡剤成分事項を,甲1に記載された混合気体から容易に想到できないとした審決は誤りであると判断した事例
〔解 説〕
1 本件は,平成15年9月に発生したいわゆる奈良警察官発砲事件の刑事第一審判決である。被告人両名を含む警察官について,検察官が不起訴処分をしていたが,発砲により死亡した者の遺族が付審判請求を行い,裁判所は,被告人Xにつき特別公務員暴行陵虐致傷,被告人Yにつき特別公務員暴行陵虐致死...
〔解 説〕
1 事案の概要
訴外A(昭和54年生)は,平成14年8月10日,Yの経営するクリニックを受診したところ,心気症,腰痛と診断され,それ以降,同クリニックにおいて通院治療を受けていたが,平成15年6月9日,自室にて首を吊り自殺した。
そこで,Aの母であるXは,(1)重大な副作用の...
〔解 説〕
1 事案の概要
Yは,上段に「ABBEYROAD」の欧文字を,下段に「アビーロード」の片仮名文字を,白抜きの変形文字で横書きした商標(本件登録商標)について,指定商品を第18類「かばん類,袋物」として,昭和57年6月29日に設定登録を受けている商標権者である。Yは,「ABBEY...
〔解 説〕
1 本件は,厚生労働大臣が生活保護法による保護の基準(以下「保護基準」という。)を改定し,原則として70歳以上の者を対象とする生活扶助の加算(以下「老齢加算」という。)を廃止したため,所轄の福祉事務所長からそれぞれ上記変更を反映した保護変更決定を受けた東京都在住のXらが,上記各決...