〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,Xらが,発明の名称を「安全後退用針を備えたカニューレ挿入装置」とするYの特許に係る無効審判請求が成り立たないとした審決の取消しを求めた事案である。
本件発明は,カニューレを挿入するための針を患者から引き抜いた後,医療従事者が針先端に触れることによって生...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被控訴人らが,「琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定」(以下「沖縄返還協定」という。)の締結に至るまでの日本政府と米国政府との間の交渉において,日本が米国に対して沖縄返還協定で規定した内容を超える財政負担等を国民に知らせないまま...
〔解 説〕
1 事案の概要
損害保険会社であるA会社,B会社は,平成21年3月,共同株式移転の方法による共同持株会社(株式移転完全親会社)C会社を設立するとの合意(本件基本合意)をして,証券会社に依頼した株式移転比率の算定結果を踏まえ,A会社の普通株式1株に対してC会社の普通株式0.9株,...
〔解 説〕
1 事案の概要
労働組合Zは,会社Xとの間で行ったZの下部組織であるU分会の分会員(Xの従業員)の平成18年度冬季賞与(本件賞与)に関する一連の団体交渉におけるXの対応等が不誠実であり,労組法7条2号の不当労働行為に当たるとして,T労働委員会に対して不当労働行為救済申立てをした...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,海上におけるX所有のコンテナ船とY所有の貨物船とが衝突した事故に関する損害賠償請求事件である。
事実経過の概要は次のとおりである。X所有のワ号が南下していたところ,前方を南から北へ向かうY所有のア号を探知した。その後,ワ号に接近するニ号も探知され,更に...
[解 説]
1 平成16年法律第14号(改正法)による改正前の租税特別措置法31条の下では,個人がその有する土地等又は建物等で所定の所有期間を満たしたものの譲渡(長期譲渡)をした場合に,それにより生じた所得には分離課税がされる一方で,損失が生じたときには,これを他の所得と損益通算することが認...
[解 説]
1 事案の概要
本件の本案訴訟は,Yの子であるXがYに対し立替金の支払を求める訴訟であり,本件は,Yのもう一人の子であるAがYのために補助参加を申し出たのに対し,Xがこれについて異議を述べたため,Aの補助参加の許否が問題となった特別抗告事件である。本件の経緯は次のとおりである。...
[解 説]
1 本件は,大手消費者金融会社であるYが,国内の消費者金融子会社を再編する手続の一環として,完全子会社である貸金業者Aの顧客であるXとの間で,形式上,Yからの借入金によりAに対する約定利率による残債務を完済し,以後,Yとの間で継続的な金銭消費貸借取引を行うといういわば契約の切替え...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,変形自在な水切りざるを販売する原告が,同様の商品を販売する被告らに対し,被告らの行為は,不正競争防止法2条1項1号又は同項3号の行為に当たるとして,被告らの行為の差止め及び被告ら商品の廃棄を求めるとともに,2億9646万9436円の損害賠償及びこれに対す...
〔解 説〕
1 事案の概要
(1)甲事件は,Xが,Yに対し,暴力団を脱退したとして生活保護の開始申請をしたところ,処分行政庁から,Xは現在も暴力団員であって,資産収入を活用しておらず,生活保護の開始要件を満たさないことを理由として,生活保護の申請を却下する旨の処分(本件却下処分)を受けたため...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,発明の名称を「麦芽発酵飲料」とし被告が特許権者である特許権(特許第4367790号)について無効審判請求をしたが,請求不成立の審決を受けたことから,その取消しを求めた事案である。
無効審判請求において,請求人である原告は,本件発明が,明確でなく...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告が,名称を「逆転洗濯方法および伝動機」とする発明について特許出願をしたところ,拒絶査定を受けたので,拒絶査定不服審判を請求するとともに手続補正(本件補正)を行ったが,補正を却下され,請求不成立の審決を受けたことから,その取消しを求めた事案である。
...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,原告Xが,B社の従業員Dから,被告であるY社の未公開株式の上場が間近であり購入すれば確実に利益を得られる旨の投資の勧誘を受け,指定された投資事業組合Cに対し,正常な価格(1株2万5000円程度)に比して不当に高額な株式代金(1株40万円で5株200万円)...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,平成18年7月当時,Yの農業委員会事務局主査として勤務していたが,同月16日,旭川市所在の店舗で食料品10点を窃取したとして,警察署員に現行犯として逮捕された。
Yは,平成18年8月10日,地方公務員法29条1項3号に基づき,Xを懲戒免職処分に付し,Xに...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,神奈川県,横浜市及び川崎市(以下「本件各地方公共団体」という。)が,相互間で締結した広域中間処理リサイクル施設設置推進事業に関する覚書に沿い,産業廃棄物中間処理等を事業目的とする財団法人かながわ廃棄物処理事業団(以下「事業団」という。)を設立した上,これ...
〔解 説〕
1 本件は,外国人の被告人による覚せい剤の密輸入事件につき,第1審が無罪判決を言い渡した後の,控訴審における被告人の勾留の可否が問題となった事案である。
2 被告人は,アフリカ・ベナン共和国から航空機で来日するに際し,約2.4キログラムの覚せい剤をスーツケース内に隠匿して持ち込...
イントラレーシック手術による角膜の損傷に よって不正乱視が生じたことについて,スパー テルを角膜の誤った位置に侵入させた注意義務 違反が認められるとして,逸失利益等の損害賠 償請求が一部認容された事例
〔解 説〕
1 事案の概要
抗告人(債務者)は,高裁判決(以下「本件債務名義」という。)により,相手方(債権者)に対し,1億4266万2460円及びこれに対する平成20年9月4日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払うように命じられた。
相手方は,本件債務名義に基づいて,抗告人が第...
〔解 説〕
1 事案の概要
Xは,昭和63年2月3日発生した交通事故により負傷したが,同年10月4日,Y1との間で示談をした。
しかし,Xは,平成18年に,Y1に対し損害賠償を求める訴えを提起したが,Y1が口頭弁論期日に出頭しなかったため,500万円の支払を命ずる判決が言渡され,確定した...