〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,捜査機関が,連続放火犯人の容疑者の一人として被告人の尾行をしていたところ,公訴事実の1つである建造物等以外放火被告事件が発生し,その翌日に,同事件の捜査のために,被告人を参考人として黙秘権を告げずに事情聴取して作成した供述録取書(警察官調書。以下「本件警...
[解 説]
1 本件は,放送受信契約を締結したのに受信料の未払があると主張する控訴人(NHK)が,被控訴人(視聴者)に対し,未払受信料12万1680円及びこれに対する約定利率による遅延損害金の支払を求めた事案である。
被控訴人の妻が被控訴人名で放送受信契約書に署名押印した点については当事者...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は覚せい剤の自己使用事案である。被告人は,第三者の吸引使用時に副流煙を吸引した可能性がある等として犯行を否認したが,強制採尿手続によって得られた被告人の尿を鑑定した結果,覚せい剤成分が検出された。
弁護人は,警察官が,帰ろうとする被告人の自動車を取り囲むな...
[解 説]
名古屋地区などでタクシー営業を営んでいる申立人(本案事件原告)は,処分行政庁である中部運輸局長に対し,平成22年1月20日,道路運送法(以下「法」という。)9条の3第1項,道路運送法施行規則10条の3の規定に基づき,運賃及び料金設定認可申請(以下「本件申請」という。)をした。本件...
[解 説]
1 本件は,原告が,名称を「携帯型無線電話装置」とする発明について特許出願をしたが,拒絶査定を受け,これに対する不服審判請求についても不成立の審決を受けたことから,その取消しを求めた事案である。
判示事項と関係する原告の主張は,審決における主たる公知文献(「本件引用例」という。...
建物賃貸人と賃借人との間の減額合意による賃料額が、民法395条2項にいう「使用の対価」の額とは認められないと判断された事例
[解 説]
1 事案の概要
不動産競売事件の対象建物(2階建て,店舗・居宅。以下「本件建物」という。)に対する根抵当権(以下「本件根抵当権」という。)の設定登記の後,抗告人は,平成6年4月7日,本件建物の共有者であるAとの間で,賃料月額30万円,期間5年の約定で賃貸借契約を締結し(以下「本...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,世界各地の蒸気機関車(SL)を撮影した映像の著作権者であるX(控訴人・原審原告)が,Y(被控訴人・原審被告)において,Xに無断で当該映像(本件映像)を編集して作成した作品を収録したDVD(本件DVD)を仕入れて販売したことにつき,Yに対し,①本件映像につ...
[解 説]
1 本件は,賃借人が,敷金を一定割合で差し引く旨の特約(敷引特約)は,消費者契約法10条に反し無効であると主張して,差し引かれた敷金の返還を求めた事案である。
事案の概要は次のとおりである。
(1)Yは,ビル経営等を目的とする株式会社であるが,平成13年2月25日,個人である...
[解 説]
1 Xは,本件建物を賃借して会員制医療クラブを運営するY会社から会員の健康管理に関する医療サービス業務の委託を受け,その目的のために本件建物を賃貸(転貸)していた者であるが,Y会社を相手方として,業務委託契約及び賃貸借契約に基づき,本件建物内に第三者をして立ち入らせてはならない旨...
[解 説]
1 本件事案の概要
A会社は,平成18年6月,支払停止などを期限の利益喪失事由とする銀行取引約定書に基づいて借入れをしていたY銀行との間で,Y銀行に対する債務を担保するため,A会社の現在及び将来の債権について,譲渡の効力が生じるときを銀行取引約定書で定める期限の利益を喪失した時...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,福島県喜多方市に所在する,同市内のラーメン店が加入する協同組合であるXが,平成18年4月1日,特許庁に対し,商標法(以下「法」という。)7条の2第1項の地域団体商標として,標準文字で「喜多方ラーメン」と記してなる商標(以下「本願商標」という。)の登録出願...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,乳酸菌飲料「ヤクルト」を製造販売する会社であり,その包装容器の立体的形状のみからなる商標につき平成20年9月3日付けで商標登録出願をしたところ,拒絶査定を受けたので,これに対する不服の審判請求をした。
特許庁は,上記請求を不服2009─15782号事件...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,発明の名称を「アルミニウム溶接用二波長レーザ加工光学装置およびアルミニウム溶接用レーザ加工方法」とする特許出願(分割出願)につき,拒絶査定不服審判を請求し,請求不成立審決を受けた。本件審決は,本願発明は,引用例1,2に記載された発明に基づいて,当業者が容...
[解 説]
1 事案の概要
本件は,平成22年7月11日に施行された参議院(選挙区選出)議員通常選拳について,東京都選挙区の選挙人である原告が,選挙区及び議員数を定めた公職選挙法の定数配分規定(同法14条1項,別表第3)が,人口比例に基づいて定数配分をしておらず,憲法の保障する選挙権の平等...
[解 説]
1 本件は,1歳9か月(当時)の子(C)が,被告会社製のミニカップ入りこんにゃくゼリー(本件こんにゃくゼリー)を食べた際にこれを喉につまらせ窒息死した本件事故につき,その原因は同社及びその代表取締役らが本件こんにゃくゼリーの設計上の致命的な欠陥を放置し,製造物責任法上の「欠陥」を...
[解 説]
1 事案の概要
本件(東京高裁平22(行ケ)第15号,第16号選挙無効請求事件)は,東京都選挙区及び神奈川県選挙区の選挙人である原告らにおいて,平成18年法律第52号によって改正された公職選挙法(昭和25年法律第100号)14条,別表第三及び同法附則による選挙区及び議員定数の規...
[解 説]
1 本件は,平成22年7月11日施行の参議院(選挙区選出)議員の選挙(以下「本件選挙」という。)において,東京都選挙区の選挙人である原告が,公職選挙法14条,別表第3による選挙区及び議員定数の規定(以下「定数配分規定」という。)が憲法14条1項等に違反すると主張して,東京都選挙区...
〔解 説〕
1 事案の概要と本判決の判断
本件は,被告人が,平成15年5月23日,強盗目的で被害者方に侵入し,暴行後に強姦の犯意を生じて被害者を強姦し,現金を強取したという住居侵入,強盗強姦の事案である。平成22年に起訴されたため,裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(以下「裁判員法」とい...
[解 説]
1 事案の概要
名古屋市の河村市長を支援するグループに属する申立人(本案事件原告)らは,地方自治法(以下「法」という。)76条の規定に基づき,請求代表者として名古屋市議会の解散請求をするための署名を集め,その署名簿を名古屋市の各区選挙管理委員会に提出し,署名簿に署名した者が選挙...