[解 説]
1 本件は,インターネット上の電子掲示板にされた書き込みによって名誉感情を侵害されたと主張するXが,その書き込みにつきインターネット接続サービスを提供したYに対し,①特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)...
[解 説]
1(1)本件は,Xらが,その所有する土地を名古屋市(Xら補助参加人)に売却した対価について租税特別措置法(平成16年法律第14号による改正前のもの。以下「措置法」という。)33条の4第1項1号所定の長期譲渡所得の特別控除額の特例(以下「本件特例」という。)が適用されるものとして所...
〔解 説〕
1 ①事件は,控訴人Xが,被控訴人Yに対し,Yが「エコナクッキングオイル」等の商品名で製造販売した食用油の製造方法について,Xが有した本件特許権(分割出願によるもの。平成12年に存続期間満了)を侵害するものであったと主張し,主位的には民法709条に基づく損害賠償請求として,予備的...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,指定商品を「加工食料品」等とする「CLUBHOUSE/クラブハウス」なる商標の商標権者である。被告の不使用取消審判請求に対し,取消審決がされたため,その取消しを求める事案である。
原告は,メールマガジン及びWeb版に「クラブハウス」なる標章を表示してい...
[解 説]
1 当時高校2年生のAは,カラオケ店の前で,同じく高校生のBとの間でいさかいとなり,Bは近くの河川敷にAを連れて行き,Aに対して一方的に暴行を加えて傷害を負わせ,Aを死亡させた。上記事件の捜査を行った愛媛県警察C警察署は,報道機関に対し,「被疑者と死者は,(中略)喧嘩となり,その...
[解 説]
1 本件は,Xが,Yらを被告としてアメリカ合衆国カリフォルニア州中部地区合衆国地方裁判所(以下「米国裁判所」という。)に提起した訴訟で言い渡された,YらにXに対する損害賠償及び不正行為の差止めを命じた判決(以下「米国判決」という。)のうち,懲罰的賠償命令を除いた部分について,民事...
[解 説]
1 本件は,建設業者である原告が,被告が発注する指名競争入札による公共工事において,被告の長が恣意的に原告を指名しなかったとして,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づく損害賠償を求めた事案である。
2 本件の争点は,①被告が発注する公共工事に係る指名競争入札につき,原告を指名し...
[解 説]
1 訴外Aは,平成9年11月,不整脈による心機能障害で身障者認定を受けたが,平成12年11月,身障者枠で,訴外会社に採用され,商品販売等の立位による仕事に従事していたところ,翌月24日の帰宅後,心停止により死亡した。
そこで,Aの妻であるXは,慢性心不全を基礎疾患とする致死性不...
[解 説]
1 Yは,日本国固有の国技である相撲道の維持発展と国民の心身の向上への寄与等を目的とし,力士,行司等の育成及び力士の相撲競技への公開実施等の事業を行う財団法人であり,Xらは,Yに所属するロシア国籍の力士であった。Yは,平成20年9月8日,Xらが大麻を使用したことは,相撲道の本旨に...
債権者が債務者の預金債権を差し押さえ、債務者から差押範囲の変更が申し立てられた場合において、当該預金債権はそのほとんどが国民年金及び老齢年金の給付を原資としていたものの、差押範囲の変更が否定された事例
[解 説]
1 本件は,外国為替証拠金取引業者であるA社との間で外国為替証拠金取引を行っていたXらが,同社がXら顧客から預託を受けた証拠金をB社との取引の証拠金として流用し,B社の建玉を建てていたところ,為替相場の変動によりA社のカバー取引先からすべての建玉を強制決済され,A社がB社の損失を...
〔解 説〕
1 事案の概要
本件は,被告人が,駅の自動券売機の硬貨釣銭返却口に接着剤を塗り付け,釣銭の付着を待ち,これを回収して取得しようとしたが,接着剤の塗布行為後,自動券売機の利用客が現れる前に,駅員に逮捕されたという事実関係において,接着剤を塗布した時点での窃盗の着手の有無が問題とな...
[解 説]
1 損害保険会社であるXらは,月極立体駐車場に駐車中のY1所有の車両から出火した火災により上記の駐車場が延焼し,その駐車場内の他の車両が損傷したため,その駐車場及び車両の所有者である保険契約者らに対し,保険契約に基づき保険金の支払をした。
甲事件は,X1が,本件火災は,(1)Y...
[解 説]
1 本件は,貸金業者である被告との間で,基本契約に基づき継続的に金銭の借入れと弁済を繰り返した原告が,被告に対し,いわゆる過払金の返還を求める事案である。
本件では,取引が当初20万円の借入れから始まり,その後新たな借入れと弁済が繰り返されることにより借入残高に増減が生じたこと...
[解 説]
1 本件は法人の根本規則の記載事項について最高裁が判断を示した珍しい事案である。宗教法人の「規則」(宗教法人法12条1項)の必要的記載事項(絶対的記載事項ともいう。)が問題となった。
2 石川県羽咋市にあるR神社は,Sとの間に被包括関係(宗教法人法26条1項参照)があるが,この...
[解 説]
1(1)本件建物はもとCの遺産であり,B及びY(上告人)は,Cの子で,その相続人である。Cは平成3年に死亡し,Bが,遺産分割協議により,本件建物を取得した(本件上告理由は,上記遺産分割協議の無効を主張するものである。)。したがって,Yは,本件建物につき,何らの持分を有していない。...
雇用関係の先取特権に基づく債権差押命令の申立てについて、「担保権の存在を証する文書」を提出したと認めることはできないとして申立てを却下した原決定を維持した事例