[解 説]
1 本件は,原告が,本来は課税対象ではない不動産貸付けに対して個人事業税が課されたことにより,損害を被ったとして,被告に対し,国家賠償法1条1項に基づき,損害の支払を求めるとともに,選択的に,被告は原告による個人事業税の過誤納金によって不当に利得を得たとして,被告に対し,不当利得...
[解 説]
1 本件は,芸能人X2とその兄であるX1が,雑誌社のYに対して,Yが発行する週刊誌において,Xらの名誉を毀損する内容の記事を掲載したとして,不法行為に基づく損害賠償請求とともに謝罪広告の掲載を求めた事案である。
2 本判決は,本件記事は,原告らがX2の過去の交際相手に対して多額...
《解 説》
1 事案の概要
抗告人を競売の基礎となった根抵当権の債務者とする不動産競売事件において売却不動産を自己競落した相手方の申立てに基づき,抗告人に対する本件建物の引渡命令が発令された。この引渡命令に対し,抗告人は,相手方は,①抗告人から立退同意書を徴収しながら,これを秘匿して競売手続...
[解 説]
1 本件は,発明の名称を「携帯用害虫防除装置」とする特許(以下「本件特許」という。)に係る特許権(以下「本件特許権」という。)を有する原告が,被告が製造,販売する製品(以下「被告製品」という。)が本件特許の請求項1に係る発明(以下「本件発明」という。)の技術的範囲に属し,本件特許...
[解 説]
1 Xは,おにぎりのテイクアウト販売を行う店舗の開店を企画していたところ,不動産仲介業者であるY2の仲介により,Y1からY1所有の建物の1階店舗部分(本件建物)を賃借した。しかし,本件建物に備わっている防火シャッター収納口は,本件建物と建物の通路部分を隔てる壁に塞がれて正常に作動...
[解 説]
1 本件は,平成12年12月に破綻した中小企業等協同組合であるYに,同年3月に出資したXが,出資の際,Yの旧経営陣において,Yが既に実質的に債務超過状態であったにもかかわらず,それを秘して財務状態が健全である旨の虚偽の説明をしてXに出資させたとして,主位的に不法行為に基づき,予備...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,A社(B及びその親族が取締役の,いわゆる法人成りをした会社)がZ社から賃借した鉄道高架下の建物(以下「本件建物」という。)において,A社の取締役店長として勤務していたBが,悪性胸膜中皮腫に罹患し,その後自殺により死亡したことについて,Bの相続人である原告ら...
[解 説]
1 事案の概要
原告は,「インクカートリッジおよびインクカートリッジホルダ」との名称の発明(本願発明)に係る原告の特許出願に対する拒絶査定を不服として審判請求をしたが,特許庁は,同請求は成り立たないとの審決をした。
本件特許出願においては特許請求の範囲の記載について補正されて...
[解 説]
1 事案の概要
(1)被告は,発明の名称を「社交ダンス用フォーム矯正具」とする本件特許につき,設定の登録を受けた。
(2)原告は,全5項からなる請求項のうち,請求項1,2,4及び5に係る特許について,特許無効審判を請求し,特許庁は,請求不成立審決をした。本件審決の理由は,要す...
[解 説]
1 本件は,A市の住民(Xら3名)が,A市の元市長(B)の市長在任当時の交際費の支出が違法であると主張して,現市長(Y)に対し,BがA市に当該支出によって被った損害金及び遅延損害金を支払うよう請求することを求めた地方自治法242条の2第1項4号に基づく住民訴訟である。
2 Xら...
[解 説]
1 Xは,Yとの間で,ビル1棟,その敷地(7筆の土地)の所有権及び借地権(併せて本件不動産)に係る信託受益権を代金91億3684万5000円で売却するとの契約(本件受益権売買契約)を締結した。本件受益権売買契約は,XがYの指定する者との間で本件不動産について信託契約を締結し,Xが...
[解 説]
1 相手方は,大阪証券取引所第1部に上場していたオーラルケア,コスメタリーなどの製造,販売を目的とする著名な会社であり,資本金108億円を擁していた。
本件は,相手方の経営陣による自社株の公開買付け(MBO)が実施されたことから,相手方の株式を保有していた抗告人が,買付価格が低...
不動産競売開始決定を原因とする差押登記後に抵当建物を賃借して占有を開始した者は、基本事件に関わる事情を知らない善意の第三者であったとしても、建物明渡猶予制度による保護を受けることはできないとされた事例
[解 説]
1 本件は,原告が有する「高圧縮フィルタートウベール,およびその製造プロセス」との発明に係る特許につき,被告が26項にわたる請求項すべてについて請求した無効審判において,特許庁が,原告からの特許請求の範囲等の訂正の請求を認めることができないとした上で,訂正前の請求項26項に係る発...
[解 説]
1 本件は,A商店がYらとの間で,AがYらに対し現在及び将来負担する商品買掛金債務等の一切の債務を被担保債権として,Aの営業権(以下「本件営業権」という。)譲渡代金債権(以下「本件譲渡債権」という。)を担保として譲渡する旨の契約(以下「本件譲渡担保契約」という。)を締結し,その後...
[解 説]
1 Aは,Y2会社企画・主催に係るスクーバ・ダイビング(以下「ダイビング」という。)のツアーに参加した際,同会社の従業員であるY1がガイドを務めたダイビングにおいてでき死した。Aの夫であるXは,Y1に対しては,Aがおぼれるのを防ぐ義務を怠った過失があるとして,不法行為に基づき,ま...