《解 説》
1 本件は,Yが,特許庁の担当職員の過失により本件質権設定登録が受付の順序に従ってされず,本件質権の効力が生じなかったために,本件債権の回収をすることができなくなって損害を被ったと主張して,Xに対し,国家賠償法1条1項に基づき,3億3000万円(内金3000万円は弁護士費用)の...
会計帳簿等の閲覧謄写請求に関する最高裁決定 株主から会社に対する会計帳簿等の閲覧謄写請求に対し,会社がこれを拒絶するための要件としては,当該株主が会社と競業をなすものであるなどという客観的事実のみで足り,主観的要件までは不要とされた事例
情報公開法に基づく行政文書の開示請求に対する不開示決定の取消訴訟において,不開示とされた文書を検証の目的として被告にその開示を命じることの可否
《解 説》
1 本件の本案訴訟は,Xが,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)に基づき,外務省の保有する米軍ヘリコプター墜落事故に関する行政文書の開示を請求したところ,外務大臣から,原決定別紙不開示文書目録記載の文書等(以下「本件不開示文書」という。)につき...
《解 説》
1 本件は,Xが,Yの親会社であるA社の株主として,商法(平成17年法律第87号による改正前のもの。以下「旧商法」という。)293条の8第1項に基づき,Yの会計帳簿等の閲覧謄写の許可を求めた事案である。同条2項は,同法293条の7(以下「本条」という。)第2号に掲げる事由がある...
《解 説》
1 本件は,旧軍人として戦病死した亡夫の妻である原告が,昭和28年4月分以降の公務扶助料(恩給)の受給権を有していたが,昭和18年に亡夫が原告に無断でした協議離婚の届出により亡夫の戸籍から除籍されていたため,長年にわたり公務扶助料の支給を受けられず,平成17年に至り,亡夫との離婚無...
公立学校教員が,再雇用・再任用職員の採用選考において,卒業式の国歌斉唱の際に起立斉唱するよう命じる校長の職務命令に違反したことにより戒告処分を受けたことを理由に不合格とされたことについて,教育委員会に裁量権の逸脱・濫用があるとして,国家賠償請求が認容された事例
《解 説》
1 本件事案の概要
Xは,昭和49年4月1日,東京都教育委員会(都教委)により,Yの公立学校教員に採用され,平成19年3月31日に定年退職した。平成16年3月1日,校長から,東京都教育庁の平成15年10月23日付け「入学式,卒業式等における国旗掲揚及び国歌斉唱の実施について(...
《解 説》
1 本件本訴請求は,賃貸借契約に基づき賃貸人Y1から建物の引渡しを受けてカラオケ店を営業していた賃借人Xが,同建物に発生した浸水事故により同建物で営業することができなかったことによる営業利益喪失の損害を受けたなどと主張して,Y1に対して債務不履行又は瑕疵担保責任に基づく損害賠償...
[解 説]
1 訴外Aは,石垣市字川平山原の土地に,7階建ての賃貸マンションの建築を計画(以下「本件建築計画」という。)し,沖縄県八重山支庁の建築主事に対し,建築確認申請(以下「本件確認申請」という。)をした。
そこで,本件マンションの敷地の近隣住民であるXらは,本件確認申請に対して建築確...
《解 説》
本裁判例は,アメリカ合衆国に在住して,銃器の愛好家向けに,銃器関連品を日本に輸入販売する事業を営んでいた日本人男性の被告人が,その営業の一環として行った輸入行為が,銃砲刀剣類所持等取締法(以下「銃刀法」という。)31条の11第1項2号のけん銃部品輸入罪(同法3条の5違反の罪)等...
《解 説》
1 訴外A(昭和27年生)は,平成14年10月28日,歯科医院において受診中,意識障害に陥ったため,Yの開設するB病院に搬送され,C医師の診察を受けた。
C医師は,Aに意識障害が認められ,ショック状態にあったため,酸素投与と輸液を行い,心電図と心エコー検査を行い,急性心筋梗塞...
《解 説》
1 本訴は,本訴原告(反訴被告。X)が,司法書士である本訴被告(反訴原告。Y)に債務整理を委任したところ(本件契約),①Yにおいて債権調査を怠り,Xに無断で過払金債権の一部を放棄する和解をしたりするなど善管注意義務違反がある,②本件契約における報酬等の合意は成立していないか,又...
《解 説》
第1 事案の概要
1 原告Aは,インターネット上で消費者問題に関する電子掲示板「悪徳商法?マニアックス」を管理,運営している者であり,原告Bは,原告Aの妻である。
被告は,インターネット上のトラブル解決を業とする旨自称している。
2 インターネット上の電子掲示板「2ちゃんね...
1 金融機関の預金者に対する預金口座の取引経過開示義務の有無(積極) 2 共同相続人の一人が被相続人名義の預金口座の取引経過開示請求権を単独で行使することの可否(積極)
1 継続的な金銭消費貸借取引に関する基本契約が,利息制限法所定の制限を超える利息の弁済により発生した過払金をその後に発生する新たな借入債務に充当する旨の合意を含む場合における,上記取引により生じた過払返還請求権の消滅時効の起算点(①,②,③事件) 2 過払金返還請求権の消滅時効が継続的な金銭消費貸借取引が終了した時点から進行する場合と当該過払金に対する民法704 条所定の利息の発生時期(④事件)
《解 説》
1 本件は,滋賀県の住民である原告が,滋賀県知事である被告に対し,滋賀県労働委員会,滋賀県収用委員会及び滋賀県選挙管理委員会の各委員(以下「本件委員ら」という。ただし,滋賀県収用委員会の予備委員及び滋賀県選挙管理委員会の臨時補充委員を除く。)に対し,月額報酬を支給する(以下「本件公...
《解 説》
1 本件は,被相続人である預金者が死亡し,その共同相続人の一人であるXが,被相続人が預金契約を締結していた信用金庫であるYに対し,預金契約に基づき,被相続人名義の預金口座における取引経過の開示,具体的には入出金明細表の開示を求める事案であり,①金融機関の預金者に対する預金口座の...