ホテル従業員の石綿ばく露労災損害賠償訴訟控訴審判決 昭和39 年ころからホテルの設備係として勤務してきた者が悪性胸膜中皮腫に罹患して死亡したことにつき,同疾患の原因が多量の石綿(アスベスト)を吸引する可能性の高い作業に従事したことによるものであり,使用者であるホテルの経営会社に安全配慮義務違反があったとして,遺族の損害賠償請求が認容された事例
《解 説》
1 本件は,Yが輸入した中国製の本件電気ストーブを,X1がAの経営する店舗で購入し,X1・X2間の子であるX3が自室で使用したところ,同ストーブから有害な化学物質が発生し,この化学物質を原因とする中枢神経機能障害及び自律神経機能障害を発症した上,化学物質過敏症の後遺症が残ったとして...
《解 説》
本件は,Yが経営するホテル(以下「本件ホテル」という。)の機械室等で稼働し,悪性胸膜中皮腫により死亡した労働者Aの遺族であるXらが,雇用主であるYに対し,安全配慮義務違反若しくは不法行為に基づく損害賠償を請求した事案である。
Aは,昭和39年ころ,Yと雇用契約を締結し,本件ホテ...
《解 説》
1 本件は,種苗法に基づく品種登録(登録品種の名称は「JMS 5K-16」及び「MM-2号」である。以下,前者を「登録品種A」といい,後者を「登録品種B」という。)がされたしいたけの育成者権を有する(ただし,登録品種Bについては訴外Hとの共有である。)Xが,Yが上記しいたけ品種...
《解 説》
1 本件事案の要旨(XとY関係部分)は,以下のとおりである。
(1) 本件は,本件土地について共有持分を有しているXが,本件土地を占有しているYに対し,その明渡しを求めた事案である。
(2) これに対し,Yは,本件土地について,①Yと本件土地共有者らとの間で黙示に使用借権が...
[解 説]
1 本件事案の概要
X銀行は,元本約7億6905万円の貸金を請求債権として,Yが所有する不動産(本件不動産)について設定されていた極度額を9億円とする根抵当権(本件根抵当権)に基づいて,競売を申し立て,平成8年9月,不動産競売開始決定を受けたが(本件競売手続),同年11月,Yの...
《解 説》
1 原告(X)が被告乙山昭男(Y2)に協賛金4511万円を支払い,被告株式会社読売新聞東京本社(Y3)がその協賛金を取得するまでの経緯等は以下のとおりである。すなわち,Y3と近畿日本ツーリスト株式会社(A)の従業員丁田正男(B)とは,平成15年の東京ドームで行われるプロ野球巨人戦6...
《解 説》
1 本件は,選定当事者兼選定者X1が,Aの定額郵便貯金(以下「本件貯金」という。)を相続したとして,Yに対し,X1及び選定者X2それぞれのために郵便貯金元利合計額の支払を求めた事案である。
2 本件の概要は次のとおりである。
Aは,昭和52年1月13日及び同年2月22日に,...
つつみのおひなっこや 「つつみのおひなっこや」の文字を横書きし,土人形等を指定商品とする商標と,いずれも土人形を指定商品とする「つゝみ」又は「堤」の文字からなる引用商標が類似しないとされた事例
《解 説》
1 本件は,被告人A及び被告人Bが第一現場において被害者Vに対して暴行を加え,その後,被告人Cが第二現場においてVに対して暴行を加えたところ,被告人3名のいずれかの暴行により被害者の傷害の結果が発生した事案である(傷害がいずれの暴行によるものであるかは証拠上認定し難い。)。これらの...
《解 説》
1 Yは,「つつみのおひなっこや」の文字を横書きして成り,土人形等を指定商品とする商標(本件商標)の商標権者である。本件商標については,平成16年2月に商標登録出願がされ,同年8月に登録がされた。他方,Xは,いずれも土人形を指定商品とする「つゝみ」又は「堤」の文字から成る商標の...
《解 説》
1 事案の概要等
原告Xは医療法人社団で,診療所を営むとともに,化粧品(以下「本件化粧品」)も発売しており,元宝塚歌劇団の女優Aに対して本件化粧品を贈呈した。Aは,訴外株式会社B(以下「訴外B」)が提供しているブログのシステムを利用して,インターネット上にブログ(以下「本件ブログ...
[解 説]
本件は,印刷業等を目的とする株式会社(A社)の企業内組合である原告が提起した不当労働行為救済命令申立てに対する中央労働委員会命令の取消訴訟であり,事案の概要は以下のとおりである。
A社は,約5年間にわたる経営不振の末に廃業されることとなり,取引の継続を希望した少数の顧客との関係...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,被告の元従業員である原告らが,被告において適格年金制度を廃止したこと及び廃止に伴う清算金の支払いに関し債務不履行があるなどと主張して,被告に対し,損害賠償金等の請求をした事案である。
(2) 被告は,昭和57年に適格年金制度を設立し(以下「本...
《解 説》
1 事件の概略
本件は,浜松市(被告,被控訴人,被上告人)の施行に係る土地区画整理事業の事業計画の決定について,施行地区内に土地を所有しているXら(原告,控訴人,上告人)が,同決定の違法を主張して,その取消しを求めた事案である。
すなわち,浜松市は,遠州鉄道鉄道線の連続立体...
《解 説》
1 ダイエー厚生年金基金(以下「訴外基金」という。)は,厚生年金保険法145条1項1号による基金解散を決議し,解散手続を経て,平成18年6月1日に清算結了した。
解散認可時点における訴外基金の構成員は,加入員(厚生年金保険の被保険者),待期者(既に将来の年金受給に必要な加入員...
宗教法人が死亡したペットの飼い主から依頼を受けて葬儀等を行う事業が法人税法2 条13 号所定の収益事業に当たるとされた事例
《解 説》
1 本件は,宗教法人Xが,死亡したペットの飼い主から依頼を受けてその葬儀や供養等を行う際に金員を受け取ったことに対し,Y税務署長から,そのようなペット葬祭業は法人税法2条13号及び同法施行令5条1項各号所定の収益事業に当たるとして法人税の決定処分等を受けたため,ペット葬祭業は宗...