麻酔科医が急性心機能不全により死亡した事案につき,病院開設者に安全 配慮義務違反による債務不履行責任を認めた一審判決を維持したが,業務 起因性等につき詳細に判示し,かつ,同医師の過失割合を拡大して認定した事例
《解 説》
1 本件は,参議院議員であった被告人Aが,その政策担当秘書である被告人Bと共謀の上,いわゆる職人を育成するための大学(以下「職人大学」という。)の設置を目指す財団法人の会長理事で,中小企業の社会的・経済的な発展向上を目的とする政治団体の実質的主宰者であるCらから,Cらが進める「...
《解 説》
1 本件は,Y5の設置する幼稚園に在籍していたAが,平成18年7月13日に同幼稚園の敷地脇の用水路に転落して溺死する事故に遭ったことから,その両親であるXらが,同幼稚園の園長Y1,教頭兼教諭Y2,教諭Y3,Y4に対し,不法行為に基づき,損害賠償を請求した事案である。
2 本判...
《解 説》
1 事案の概要
事案の骨子
本件は,西大阪延伸線の予定地の近隣に居住又は勤務する者(101名)が,これについてされた都市計画事業認可の取消しを求めた事案である。
都市計画事業
本件で問題とされた都市計画事業とは,都市高速鉄道(都市計画法4条5項,11条1項1号)とし...
《解 説》
1 本件は,Y(被告,控訴人,上告人)の従業員であったAの相続人であるXら(原告,被控訴人,被上告人)が,Aが急性心筋虚血で死亡したのは,YがAの健康状態に対して十分な注意を払わずにAをして宿泊を伴う研修に参加させたことなどが原因であるとして,Yに対し,不法行為又は債務不履行に...
《解 説》
1 本件は,被告の提供するインターネットオークションサイトを利用して,商品を落札し,その代金を支払ったにもかかわらず,商品の提供を受けられないという詐欺被害にあった原告ら(平17(ワ)1243号事件571名,同(ワ)2234号事件134名,平19(ワ)849号事件78名)が,被...
《解 説》
1 本件は,太平洋戦争末期に沖縄県の座間味島及び渡嘉敷島で発生した住民の集団自決に当時の守備隊長の命令があったか否かを主たる争点とした名誉毀損に関わる訴訟であるが,後記のように,この訴訟を1つの契機として歴史教科書に日本軍の強制を否定する検定意見が付され,これに対して沖縄県等か...
《解 説》
1 本件は,被告の元従業員である原告が,被告在籍中に半導体ウェーハの面取方法(本件面取方法)に関する職務発明を行い,その特許を受ける権利を被告に承継させたとして,被告に対し,平成16年法律第79号による改正前の特許法(改正前特許法)35条3項に基づき,上記承継の相当な対価である...
《解 説》
1 本件は,外国人夫婦である被告人両名が,マンションの自室において,当時4歳の我が子に対して,体罰を加えて死亡させたとして,傷害致死罪で起訴された事案である。
本判決によれば,被害児が死亡したのは平成6年10月であり,本件起訴がなされたのは平成12年7月であるが,公判において...
《解 説》
T社は,平成12年2月に設立された株式会社であって,定款において株式の譲渡制限の定めがあり,発行済株式の総数は6000株である。T社は,デジタルコンテンツの配信を主たる業としており,平成19年3月22日当時,Xが2400株(本件株式),Yが3600株を有していた。Xは同日,T社...
別居から3 年3 か月の夫婦について,婚姻関係が改善することが期待でき,いまだに破綻しているとまではいえないとして,夫の離婚請求を認容した原判決を取り消し,請求を棄却した事例
《解 説》
1 本件は,原告(ゴルフ会員権者)が,被告(銀行)がゴルフ場経営会社(A社)から委託を受けて原告にゴルフ会員権(本件会員権)を販売したことについて,①被告が原告に対する優越的地位を濫用し,銀行法12条にも違反し,販売の際に,②虚偽の説明を行い,③断定的な表現を用いて説明をし,④...
《解 説》
1 本件は,保険診療を実施する歯科医師であるXが,患者らに対して即時義歯(抜歯直後に装着する義歯)の製作を行った過程で仮床試適(義歯を仮装着して適合性を確認すること)を行い,その診療報酬を保険診療としてY(社会保険診療報酬支払基金)に請求したところ,Yが,即時義歯における仮床試...
《解 説》
1 本件は,「立川テント村反戦ビラ入れ事件」などとして,世間の耳目を集めた事件である。事案は,「立川自衛隊監視テント村」という団体の構成員である被告人らが,同団体の活動の一環として,2回にわたり,「自衛隊のイラク派兵反対!」「ブッシュも小泉も戦場には行かない」との標題のビラを,...
《解 説》
1 Xは,その所有する工場について,保険会社であるYとの間で火災保険契約を締結していたところ,上記工場が火災に遭い損害を受けたとして,Yに対し,9億円余の損害保険金の支払を求めた(Xの有する保険金請求権には,Xに対する貸付債権を有する金融機関を権利者とする質権が設定されており,...
日本法人が外国法人に対して債務不履行又は共同不法行為に基づく損害 賠償の請求をした訴訟について,国際的専属的裁判管轄の合意は有効であ り,主観的併合請求による国際裁判管轄を認めるべき特段の事情は認めら れないとして,我が国の国際裁判管轄が否定された事例
《解 説》
本件は,いわゆる日航機ニアミス事件に関する控訴審判決である。航空管制官である被告人両名に過失責任はないとした1審判決を破棄して,過失責任を肯定したものである。
事案の概要は,次のとおりである。管制官である被告人甲は訓練生として,管制官である被告人乙の指導監督を受けながら,レー...