《解 説》
1 本件は,被告の元従業員である原告が,被告在籍中に半導体ウェーハの面取方法(本件面取方法)に関する職務発明を行い,その特許を受ける権利を被告に承継させたとして,被告に対し,平成16年法律第79号による改正前の特許法(改正前特許法)35条3項に基づき,上記承継の相当な対価である...
《解 説》
1 本件は,外国人夫婦である被告人両名が,マンションの自室において,当時4歳の我が子に対して,体罰を加えて死亡させたとして,傷害致死罪で起訴された事案である。
本判決によれば,被害児が死亡したのは平成6年10月であり,本件起訴がなされたのは平成12年7月であるが,公判において...
《解 説》
T社は,平成12年2月に設立された株式会社であって,定款において株式の譲渡制限の定めがあり,発行済株式の総数は6000株である。T社は,デジタルコンテンツの配信を主たる業としており,平成19年3月22日当時,Xが2400株(本件株式),Yが3600株を有していた。Xは同日,T社...
別居から3 年3 か月の夫婦について,婚姻関係が改善することが期待でき,いまだに破綻しているとまではいえないとして,夫の離婚請求を認容した原判決を取り消し,請求を棄却した事例
《解 説》
1 本件は,原告(ゴルフ会員権者)が,被告(銀行)がゴルフ場経営会社(A社)から委託を受けて原告にゴルフ会員権(本件会員権)を販売したことについて,①被告が原告に対する優越的地位を濫用し,銀行法12条にも違反し,販売の際に,②虚偽の説明を行い,③断定的な表現を用いて説明をし,④...
《解 説》
1 本件は,保険診療を実施する歯科医師であるXが,患者らに対して即時義歯(抜歯直後に装着する義歯)の製作を行った過程で仮床試適(義歯を仮装着して適合性を確認すること)を行い,その診療報酬を保険診療としてY(社会保険診療報酬支払基金)に請求したところ,Yが,即時義歯における仮床試...
《解 説》
1 本件は,「立川テント村反戦ビラ入れ事件」などとして,世間の耳目を集めた事件である。事案は,「立川自衛隊監視テント村」という団体の構成員である被告人らが,同団体の活動の一環として,2回にわたり,「自衛隊のイラク派兵反対!」「ブッシュも小泉も戦場には行かない」との標題のビラを,...
《解 説》
1 Xは,その所有する工場について,保険会社であるYとの間で火災保険契約を締結していたところ,上記工場が火災に遭い損害を受けたとして,Yに対し,9億円余の損害保険金の支払を求めた(Xの有する保険金請求権には,Xに対する貸付債権を有する金融機関を権利者とする質権が設定されており,...
日本法人が外国法人に対して債務不履行又は共同不法行為に基づく損害 賠償の請求をした訴訟について,国際的専属的裁判管轄の合意は有効であ り,主観的併合請求による国際裁判管轄を認めるべき特段の事情は認めら れないとして,我が国の国際裁判管轄が否定された事例
《解 説》
本件は,いわゆる日航機ニアミス事件に関する控訴審判決である。航空管制官である被告人両名に過失責任はないとした1審判決を破棄して,過失責任を肯定したものである。
事案の概要は,次のとおりである。管制官である被告人甲は訓練生として,管制官である被告人乙の指導監督を受けながら,レー...
《解 説》
1 本件は,中国電力が計画している上関原子力発電所の建設用地とされている土地(本件土地)について,原発建設に反対するXらが,自らは本件土地につき入会権を有する入会集団の構成員であるとして,中国電力と入会集団の他の構成員ら(Yら)に対し,入会集団の構成員たる地位に基づく使用収益権...
弁護士会の設置する人権擁護委員会所属の弁護士が受刑者からの人権救済の申立てを受けた調査のため申し入れた他の受刑者との接見を拒否した刑務所長の措置につき,国賠法1 条1 項にいう違法がないとした事例
[解 説]
1 弁護士会である原告は,会則に基づき人権擁護委員会を設置しており,同委員会は人権侵害があったとされる事案について必要な措置をとるなどの活動をしていたものであるが,受刑者からの人権救済の申立てを受け,弁護士が調査の一環として被害状況を目撃したとされる他の受刑者との接見を求めたとこ...
《解 説》
1 本件は,大証ヘラクレス上場のコンピューター用システム機器メーカーの代表取締役社長であった被告人が,副社長と共謀の上,被告人らが経営する会社の利益を図る目的で,不要なシステムを著しく水増しした価格で副社長経営の会社に発注して,代金合計6300万円を振り込ませたという詐欺再生及...
《解 説》
1 本件は,民家内における強盗殺人及びそこで奪ったキャッシュカードを使用した窃盗等の事案である。この事件では,最終的に被害者の遺体が発見されておらず,被告人が身に覚えがないとしてほぼ黙秘するなどして,犯人性のみならず事件性まで強く争われ,捜査官による容ぼう等の撮影及び排出された...
《解 説》
1 本件は,当て逃げ事故により負傷し,後遺障害別等級表別表第一第1級1号相当の障害を負ったX(原告,被控訴人)が,自賠法72条1項に基づき,Y国(被告,控訴人)に対し,損害のてん補を請求し,その損害の一部につきてん補を受けたが,その額に不服があるとして,てん補限度額と既てん補額...
《解 説》
1 本件は,区分所有建物であるマンションの管理組合である被上告人(控訴人兼被控訴人,第1審原告)が,同組合の管理に係るマンションの区分所有権等を特定承継した上告人(被控訴人兼控訴人,第1審被告)に対し,建物の区分所有等に関する法律(以下「法」という。)8条,7条1項に基づき,前...
[解 説]
1 事案の概要等
原告は,「使い捨て紙おむつ」の発明に係る特許権(以下「本件特許権」という。)の特許権者である。この発明は,着用感に優れ,前後漏れ防止効果を高めた使い捨て紙おむつを提供することを目的として,①前後漏れ防止用の弾性体として発泡シートを用い,②吸収体の長手方向のずれ...
《解 説》
本件は,控訴人らが被控訴人である国に対し,イラクにおける人道復興支援活動及び安全確保支援活動の実施に関する特別措置法(イラク特措法)に基づき自衛隊をイラクへ派遣することが憲法9条に違反するなどと主張して,自衛隊のイラク派遣の違憲確認及び差止めを求めるとともに,自衛隊のイラク派遣に...