《解 説》
1 本件は,Y社の営業譲渡に反対する株主が同社の株式価格の決定を求めた事案である。本件申立てに至る概要は次のとおりである。
(1) Y社は,各種繊維工業品,医薬品,化粧品等の製造及び販売等を目的とする会社であり,Xらは,同社の普通株式を保有している株主である。
(2) Y社...
《解 説》
1 本件は,第二次世界大戦下の昭和17年9月から昭和20年5月にかけて,言論・出版関係者数十名が,治安維持法違反の容疑で神奈川県警特高により検挙され,そのうち多くの者が,国体を変革することを目的とし,かつ,私有財産制度を否認することを目的とする結社である日本共産党等の目的遂行の...
《解 説》
1 懲戒請求事件の申立てをされた弁護士であるXは,弁護士会の綱紀委員会が,同事件において懲戒委員会に事案の審査を求めることを相当とする旨の議決を行ったこと等が不法行為に当たると主張し,同綱紀委員会の委員であったYに対し,慰謝料の支払を求め,かつ,同議決が無効であることの確認を求...
《解 説》
1 本件は,いわゆる市民オンブズマン組織であるX(原告,被控訴人,上告人)が,平成6年度及び同7年度における宮城県警察本部総務室総務課(以下「総務課」という。)の事務連絡又は業務視察を目的とする県外出張に係る旅費の支出について,これらの出張は架空のもの又は業務上必要のないもので...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告が道路交通法(以下「法」という。)49条1項に違反して時間制限駐車区間に駐車していたため,法51条の3に基づく指定車両移動保管機関(以下「指定機関」という。)から車両の移動保管措置料金及び保管料金の納入を求める納入通知を受けたことから,納入通知の取...
《解 説》
1 本件は,いわゆる「わらの上からの養子」に対する戸籍上の姉からの親子関係不存在確認請求が権利濫用に当たるか否かが問題になった事案であるが,準拠法が韓国法であるという点に特色がある。
亡AとBの夫婦(以下「A夫婦」という。)は,いずれも韓国籍を有する永住者であり,その間には長...
1 国家賠償法3 条2 項の「内部関係でその損害を賠償する責任ある者」 2 県費負担教職員の違法行為により発生した賠償債務を支払った県が,学校の設置者である市に対して,国家賠償法3 条2 項に基づき求償権を行使した事案において,市が「内部関係でその損害を賠償する責任ある者」に該当するとされた事例
ELLEGARDEN 事件 「ELLE」の文字からなる著名な原告商標とロックバンド名である「ELLEGARDEN」の文字からなる被告標章との類否につき,取引の実情を考慮して類似性を否定した事例
《解 説》
1 事案の概要
(1) Xは日本(大阪府)に住所を有する日本人であり,Yは中華人民共和国・香港に本店を有する株式会社である。
(2) Xは,外国会社であるソブリントラストインターナショナル(以下「S社」という。)との間で,外国為替取引契約(本件契約)を締結し,証拠金を預託し...
《解 説》
1 被控訴人(郡山市)が設置する中学校勤務の教員が生徒に暴力を加える体罰事件(本件体罰事件)を引き起こし,被害者の生徒(被害者)が,教員の給与等の費用負担者である控訴人(福島県)と本件体罰事件を起こした中学校の設置者である被控訴人とを被告として提起した別件訴訟において,一審判決...
《解 説》
1 本件は,被告人が,わいせつな行為をする目的で,被害者宅に侵入し,逃げ出そうとした同女に対して顔面を手拳で数回殴り,布団に俯せに寝かせた上,同女の両手を後ろ手に縛り,目隠しをするなどの暴行を加え,その後,わいせつな行為に及び,上記暴行により,被害者に加療約4週間を要する見込み...
《解 説》
1 本件は,商標「ELLE」の商標権者であり,これを周知又は著名商標として使用する1審原告(フランス法に基づき設立された会社)が,ロックバンド「ELLEGARDEN」(本件ロックバンド)の所属するマネジメント会社であり,本件ロックバンドの名を付したTシャツ・リストバンド・ステッ...
《解 説》
1 本件は,株式会社の代表取締役であった抗告人が,その在任中,平成18年4月30日に取締役が退任し,取締役について法定の員数を欠くに至ったのにかかわらず,平成19年8月17日まで取締役の選任を怠ったとして,会社法976条22号(いわゆる選任懈怠)に処すべきとされた事件の抗告事件...