《解 説》
Xは,昭和57年2月,亡Aから本件農地3筆を買い受け,条件付所有権移転仮登記を得たが,亡Aないしその相続人亡Bから所有権移転許可申請手続への協力を得られないままであった。
他方,Yは,昭和59年2月,亡Aから根抵当権設定契約を受け,根抵当権設定登記を得た。亡Bには相続人がなか...
《解 説》
1 本件は,平成12年12月4日に日本国内のマンションからシンガポールに転出したとするXが,平成13年1月6日に,香港において,同月12日を譲渡実行日として本件株式の売買(譲渡)契約を締結し,同株券を買主に交付したが,同株式の譲渡当時既に国内に住所を有していなかったとして,所得...
《解 説》
1 Yに対する仮執行宣言付勝訴判決を債務名義とする債権差押転付命令を得たXが,Yの控訴に伴う申立てによる強制執行停止により損害を被ったとして,Yが同停止決定の発令に当たって立てた担保の還付を受けるために,Yに対して損害賠償債権を有することの確認を求めた事案である。
Xは,Yが...
《解 説》
1 本件は,平成13年3月31日,Xの子である当時16歳のAが,当時15歳のB及び当時17歳のC(以下,この両名を併せて「加害少年ら」という。)から暴行を受けて死亡したことについて,①Xが,本件事件の現場に居たY1,Y4及びY7(いずれも当時15歳。以下,この3名を併せて「被告...
《解 説》
1 本件は,根抵当権が設定された建物(以下「本体建物」という。)の屋上に,その後建築されたプレハブ式建物(以下「本件プレハブ式建物」という。)に経由された第三者名義の所有権保存登記(以下「本件保存登記」という。)につき,本体建物の根抵当権者が,根抵当権の実行を妨害する目的でされ...
《解 説》
1 本件は,Xが,自家用自動車総合保険契約の契約車両が盗難に遭ったと主張して,保険会社であるYに対し,保険契約に基づき,車両保険金490万円及び遅延損害金の支払を求める事案である。本件では,消滅時効の成否,特に,消滅時効の起算日がいつかが問題となった。
2 上記問題に関連する...
[解 説]
1 本件は,原告らがいわゆる破産免責を受けていたにもかかわらず,貸金業者である被告が,原告らに対して支払督促の申立てをし,同申立てに係る支払督促が原告らに送達されたことが被告の不法行為に当たるとして,原告らが,被告に対し,不法行為に基づく損害賠償請求をした事案である。
原告らは...
《解 説》
1 本件は,堺市の住民である原告が,登記簿上の地目がため池とされ,その現況も池である2か所の土地(本件各土地)は,これを所有する地元の町会ないし自治会において第三者に賃貸され,その水面上にデッキプレートが構築されて建物が建築され宅地として利用されているにもかかわらず,被告堺市長...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,被告人が,インターネットに開設した自己のホームページにおいて,フランチャイズによる飲食店の加盟募集及び経営指導等を目的として全国規模で事業展開している被害会社の社会的評価を低下させる表現行為を行ったとして,名誉毀損罪で起訴された事案である。
本判決に...
《解 説》
1 Aは,学校法人である原告の理事長であるとともに,原告の設置する高等学校及び中学校の各校長の職にあったところ,平成14年3月31日をもって同各校長の職を退き,原告の設置する大学の学長に就任した(なお,Aは,同年4月1日以後も原告の理事長の地位にあったほか,同日の前後を通して,...
《解 説》
1 本件は,建物賃貸借契約の賃借人である原告(反訴被告,被控訴人,上告人兼申立人)が賃貸人である被告(反訴原告,控訴人,被上告人兼相手方)に対し賃料減額請求の意思表示をしたとして減額された賃料の確認を求める事案である。
2 事実関係の概要は,次のとおり
(1) 原告と被告は...
《解 説》
1 原告はいわゆる執行役員制度を採用していたところ,Aらは同制度の下で主要な使用人というべき執行役員の地位にあった。Aらは,原告が委員会等設置会社(平成17年法律第87号による廃止前の株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律1条の2第3項)に移行するのに伴い,原告の執行役...
《解 説》
1 本件は,被告人(当時29歳)が,深夜,静岡県三島市内の国道上を自動車で走行中,アルバイトを終えて自転車で帰宅途上であった当時19歳の女子短大生を認めるや,先回りして,自転車で進行してきた同女の前に立ちふさがり停止させた上,強姦の目的で,逃げようとする同女を自車内に無理矢理押...
《解 説》
Xは紳士服の販売等を業とする株式会社であるが,販売促進キャンペーンとして顧客1000名を韓国の俳優のファンイベントを伴う韓国旅行に招待することを企画し,大手旅行会社であるY2にあっ旋を依頼した。Xは,平成17年10月8日,Y2の紹介により韓国のY1社との間で韓国の俳優Kのパブリ...
《解 説》
1 本件は,昭和59年7月から昭和61年6月まで厚生省薬務局生物製剤課長の地位にあった被告人が,HIVが混入しているおそれがある非加熱血液製剤について,行政上適切な措置を採らなかったため,医師からその投与を受けた患者をHIVに感染させた上,エイズを発症させて死亡させたとして業務...
《解 説》
1 児童買春,児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律(以下「児童買春・児童ポルノ禁止法」という。)7条6項は,同条4項に掲げる行為の目的で児童ポルノを外国から輸出した日本国民を処罰するものとし,同条4項には,児童ポルノを不特定の者に提供する行為が規定されている...
《解 説》
1 本件は,被告人が,共犯者らと共謀の上,瀬取り船(親船から小船に積荷を移し取る場合の小船のこと)を利用して外国から覚せい剤を輸入することを計画し,2回にわたり覚せい剤の輸入を実行して成功したものの,3回目には同様に覚せい剤を輸入しようとしたが失敗したという各行為について,覚せ...