《解 説》
1 事案の概要
本件は,被告の従業員であった原告が,被告に対し,被告在職中に他の従業員と共同でした職務発明に係る特許を受ける権利について,その共有持分を被告に承継させたとして,平成16年法律第79号による改正前の特許法35条3項に基づき,その承継の相当の対価を求めた事案である...
《解 説》
1 本件は,福井県(以下「県」という。)の住民である被控訴人Xらが,県の平成6年4月から平成9年12月までの旅費の支出について,架空の旅費に係る違法なものがあり,これにより県が損害を被っているとして,地方自治法(以下「法」という。)242条の2第1項4号に基づき,県に代位して,...
《解 説》
本件は,甲,乙,丙の3名が共謀の上,同じ暴力団組織に属するA及びBを殺害して金品を強取しようと企て,けん銃3丁をこれらと適合する実包18発と共に携帯して所持した上,Aに対し,乙において,上記けん銃のうちの1丁で実包1発を発射し,Aの頭部に命中させ,Bに対しても,乙において,同け...
[解 説]
1 本件は,被告の開設する病院において受けた治療によって予期しない後遺症の残った原告が,治療が不首尾に終わった経過・原因等について被告が説明する際に診療録等を開示しなかったことが,診療契約上のてん末報告義務違反に当たるなどと主張して,診療契約の債務不履行又は人格権侵害の不法行為に...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告がその所有地から公道に通じる通路(以下「本件通路」という。)について,東大阪市長による一括指定により,建築基準法42条2項本文のいわゆる2項道路に該当すると主張して,本件通路に対する2項道路指定処分の存在確認を求めた事案であり,判示事項に関係のある...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは,平成9年7月から同10年8月にかけて7回にわたり合計1万1000株の西武鉄道株式(以下「本件各株式」という。)を1株5910円から4550円の価格で購入した。西武鉄道株式は,平成16年12月17日,上場廃止処分を受け,同株式は大幅に下...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,松本市の住民が,学校法人Aが所有する土地建物(本件土地建物)について,その一部に対してされた免除措置が違法であると主張してその免除措置の取消しを求めるとともに,本件土地建物の固定資産税及び都市計画税の賦課徴収を怠る事実の違法確認を求め,また,市による学...
《解 説》
1 爆発物取締罰則は,3条において,1条の目的すなわち治安を妨げ又は人の身体,財産を害する目的をもって爆発物やその使用に供すべき器具を製造,輸入,所持等した者を3年以上10年以下の懲役又は禁錮に処し,6条において,爆発物を製造,輸入,所持等した者が上記目的でしたものでないことを...
《解 説》
1 本件は,Xが,Yに対し,所有権に基づき,X所有の不動産に設定された抵当権設定登記の抹消登記手続を求める本訴を提起したところ,Yが,当該抵当権の被担保債権として,Xに対する貸付金債権を有している,または,Yに対する第三者の借入金債務をXが連帯保証しており,Xに対する連帯保証債...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告が手掌多汗症の治療のため,内視鏡下両側胸部交感神経焼灼手術(本件焼灼術)を施行した後に四肢麻痺及び意識不明の常況に陥ったことについて,原告(成年後見人が選任されている。)が,本件手術において医師の診療契約上の義務違反があったために,血管が損傷され,...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告が,土地の造成工事の請負人から工事請負残代金債権を譲り受け,同土地の占有の移転を受けたので,同土地につき工事請負残代金債権を被担保債権とする留置権を有していたと主張して,不動産競売手続により同土地を買い受けた被告に対し,被告から原告に対する不動産引...
《解 説》
1 本件は,Y1社の発行済株式の100分の3以上の数の株式を6か月前から引き続き有するXが,Y1社及び会社法346条1項に基づきその任期満了後もなおY1社の取締役の権利義務を有するY2に対し,会社法854条を適用又は類推適用して,Y2をY1社の取締役の権利義務を有する者から解任...
《解 説》
1(1) 本件は,茨城県那珂郡東海村に所在するY1の事業所において,核燃料物質の加工の事業に際して臨界事故が発生した(以下「本件事故」という。)当時,同事業所付近の工場で稼働していたXらが,本件事故に起因して身体に変調が生じたと主張して,Y1及びその親会社であるY2に対し,主位...
《解 説》
1 本件は,Xにおいて,Yから付与された本件新株予約権(ストック・オプション)に係る権利行使をしてYの株式を取得したが,Yにおいて,Xがその権利行使時に取得した経済的利益(当該株式の時価と権利行使価額との差額)に対して給与所得として課税されることを前提に,その源泉徴収税相当額を...
《解 説》
1 本件は,被告から本件建物を賃借して,東武百貨店に対し本件建物を転貸している原告が,被告に対し,①本件建物の賃料債務の残債務不存在確認及び将来賃料額の確認(主位的請求A及びB),②賃貸借契約の成立が認められない場合における占有対価支払債務の残債務不存在確認及び将来占有対価支払...