《解 説》
1 事案の概要
(1) 原告は,T社の執行役員であり,被告は,もと同社の社員であったところ,被告は,原告からセクハラ行為を受けたとして,原告及びその使用者であるT社を被告として,連帯して1000万円の損害賠償を求める訴えを提起した(別件訴訟)。
(2) 補助参加人(新聞社)...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 事実関係
XとAは,共有の土地(持分各2分の1)を有料駐車場として賃貸している者であるが,平成15年10月29日,Bに対し,Bとのオートローン契約(以下「本件オートローン契約」という。)に基づきYに所有権が留保されている自動車(以下「本件車両」という...
《解 説》
1 本件は,会社の大株主である原告と会社経営陣が,それぞれ取締役及び監査役の選任議案を提出し,経営権を争ういわゆるプロキシーファイトを行ったところ,株主総会では会社側提案が可決されたのに対し,株主側が,株主総会における決議の方法の違法を主張して,決議の取消しを求めた事案である。...
現況調査報告書及び評価書に目的不動産がシロアリ被害を受けている旨の記載がない場合において、当該損傷が軽微であるといえるかどうかを判断するために、売却許可決定取消申立てを却下した原決定を取り消して、事件を原審に差し戻した事例
《解 説》
1 本件は,競売手続で買い受けた建物にシロアリ被害が生じていたとして,その買受人であるXが,民事執行法188条の準用する同法75条所定の「損傷」を理由に,売却許可決定の取消しを申し立てた事案である。
2 本決定の前提となる事実関係として,Xが買い受けた本件建物に,その被害程度はとも...
《解 説》
1 本件は,日本道路公団(平成17年10月1日に分割民営化される前のもの。以下「JH」という。)の理事である被告人が,①JHの理事兼技師長や副総裁を務めていたA,JHのOBで甲社の顧問であるB及び甲社など鋼橋工事会社47社(以下「本件47社」という。)の担当者らと共謀の上,JH...
《解 説》
1 事案の概要
X(被上告人)は,採石業等を目的とする株式会社である。Xは,鹿児島県出水郡東町獅子島所在の採石場において岩石の採取を行うことを計画し,鹿児島県知事に対し,岩石の採取計画の認可の申請をしたが,知事は,汚濁水の流出による漁業被害が懸念されるとして,採取計画の認可を...
《解 説》
1 本件は,Yが発行した新聞紙上に,警視庁はX1が「テロ資金」を海外へ送金するための地下銀行を営んでいた疑いがあるとみて捜査しているなどの記事(以下「本件記事」という。)が掲載されたことについて,X1及びX1が代表取締役を務める株式会社X2が,本件記事により名誉を毀損されたと主張し...
《解 説》
1 本件は,交通事故によって脳挫傷等の傷害を負い,神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要する状態になった被害者(X1)とその両親(X2,X3)とが,交通事故の加害者(Y1)に対しては民法709条により,加害車両の保有者(Y2)に対しては自動車損害賠償保障法3条に...
《解 説》
1 本件は,古紙回収業を営む被告人が,東京都世田谷区が制定した世田谷区清掃・リサイクル条例(平成11年条例第52号。以下「本条例」という。)で禁止されている区内の集積所に置かれた古紙の収集を行い,区長から禁止命令を受けたのに,この禁止命令に違反して再び区内の集積所に置かれた古紙...
《解 説》
1 本件の概要
本件は,被告人が政治ビラを分譲マンション(以下「本件マンション」という。)の各住戸のドアポストに投函する目的でその共用部分に立ち入ったことが住居侵入罪に問われた事案である。
上記事実関係について,検察官は,住居侵入罪の成立を主張し,弁護人は,①本件の捜査手続...
《解 説》
1 本件は,遺留分減殺請求訴訟の原告である申立人ら(原審の相手方,許可抗告の抗告人)が,その被告である甲野一郎の取引金融機関たる相手方(原審の抗告人,許可抗告の相手方)に対し,一郎と相手方平田支店との平成5年からの取引の履歴が記載された取引明細表の提出命令を求める事案である。一...
《解 説》
1 本件は,強姦の被疑事実に基づき逮捕,勾留され,その後不起訴処分となった被疑者が,検察官のした勾留請求が違法であるなどと主張して,国に対して国家賠償を求める本案訴訟において,勾留請求の資料として勾留担当裁判官に提出された告訴状や被害者の供述調書等について,これを所持する国を相...
《解 説》
国土交通省自動車交通局長は,平成16年9月16日,一般乗用旅客自動車運送事業(タクシー事業)の運賃及び料金に関する通達(平成13年10月26日付国自旅第100号通達「一般乗用旅客自動車運送事業の運賃及び料金に関する制度について」,同第101号通達「一般乗用旅客自動車運送事業の運...
《解 説》
1 本件は,平成14年1月10日,横浜市瀬谷区の路上で発生した三菱自動車工業株式会社(三菱自工)製トラックの左前輪タイヤ脱落事故(路上を走行していたトラックの左前輪タイヤが,突然脱落し,歩道上にいた母子3人に衝突して,母親が死亡し,2人の乳幼児が傷害を負った事故。「瀬谷事故」と...