《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告が,富山県高岡市内に病院の開設を計画し,被告に対し,平成9年3月6日付けで病院開設に係る医療法(平成9年法律第125号による改正前のもの。以下同じ。)7条1項の許可の申請(以下「本件申請」という。)をしたところ,被告が,原告に対し,同年10月1日付...
《解 説》
1 本件事案は,複雑であるが,ある程度単純化すると,次のようである。
Aは,敷地の一部に木造2階建建物(本件建物)が建っている土地(本件土地)を元所有していたが,Aは昭和61年4月に死亡し,Zがこれを相続した。Zは,昭和61年7月,本件土地を担保にして債権者G1から金銭を借り...
《解 説》
1 Xは,平成14年9月25日,損害保険会社Yとの間で,その所有の本件建物と家財について,住宅総合保険契約を締結し,次いで,同年12月28日,Yとの間で,その所有の本件建物と家財について,住宅総合保険契約を追加締結していたところ,平成15年1月13日,本件火災によって本件建物と...
《解 説》
1 本件は,被告人が,店舗型性風俗特殊営業を営むことが禁止されている神奈川県条例で定められた施設(病院)の敷地の周囲200メートルの区域内である川崎市内のビルの3階に営業所を設け,平成18年6月2日及び同年7月28日,前後2回にわたり,同営業所内に設置した個室において,不特定多...
たこ焼き店のフランチャイズ契約の締結に際して,フランチャイザーが,自営業を営んだことのない主婦のフランチャイジー候補者(加盟候補者)に対し,その自己資金だけでは開業することが困難となるであろうことを告げず,初期投資総額の見込額等を記載した文書を交付せずに,加入金等を入金させた後にその不返還を定めた契約書に署名押印させるなどしたことが,加盟候補者に対し同契約を締結してフランチャイジーになるか否かにつき自由に意思決定をするに足りる必要かつ十分な情報を適時かつ正確に提供・開示すべき信義則上の義務を尽くしたとはいえないと判断するなど,フランチャイズ契約で問題となる多数の争点につき判断した事例
《解 説》
1 X1(フランチャイジー,加盟者)は,平成15年10月ころ,Y1(フランチャイザー)との間でフランチャイズ契約(本件契約)を締結した上,Y1が指定した店舗改装業者であるY2との間で店舗(本件店舗)改装の請負契約を締結し,同年12月ころ,本件店舗においてたこ焼き店を開店したが,...
《解 説》
本件は,被告人が,常習として,四回にわたり,うち二回は窓ガラスを割ってその施錠を解いた上で他人の住居に侵入し,うち二回は出入口のガラスを身体が入ることができる大きさに割った上で人の看守する店舗に侵入し,腕時計,バッグ等の物品を窃取した,という常習特殊窃盗の事案であるが,控訴審に...
《解 説》
1 Yが経営するゴルフ場につき,預託金制会員権の法人会員である会社が解散して特別清算手続に入り,その親会社が会員権譲渡を受けたのに伴い,従前の登録記名者であったXら(従前の法人会員の会社及びその親会社の代表取締役であるX1とその家族であるX2~X4。X1は上記ゴルフ場の競技委員...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,原告らが,行政機関の保有する情報の公開に関する法律(以下「情報公開法」という。)3条に基づき,資金管理団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」の平成18年分の収支報告書の開示を請求したところ,総務大臣が開示決定を行わない旨の処分をしたと主張して,その取消しを求...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,ミャンマー国籍を有する原告が,難民認定手続において,被告法務大臣から難民不該当を理由に難民の認定をしない処分(以下「本件不認定処分」という。)を受け,退去強制手続において,法務大臣の権限の委任を受けた東京入国管理局長から出入国管理及び難民認定法(以下「...
《解 説》
1 本件は,被控訴人(一審被告。精密測定機器,金属工作機械,機械工具等の販売及び輸出入を業とする会社)を退職した控訴人(一審原告)が,被控訴人に対し,①時間外勤務手当及び遅延損害金の各支払,②被控訴人が控訴人に時間外勤務手当を支払わなかったことに基づく労基法114条による付加金...
《解 説》
控訴人は訴外会社に本件不動産を売り渡し,訴外会社はこれを被控訴人に転売して,順次所有権移転登記がされた。本件は,控訴人が訴外会社及び被控訴人に対し,その各抹消登記手続を請求する事案である。控訴人の主張は多岐にわたるが,判旨に関係する部分は,訴外会社が控訴人に対して契約に定められ...
《解 説》
1 事案の概要
原告(昭和22年生で,小学校の教員の経験があるが,結婚後は,産休代替教員などの職を経た後,自宅で中学生に勉強を教えている女性)は,被告証券会社との間で外国為替証拠金取引を行った者であるが,外国為替証拠金取引は,賭博行為であり,公序良俗に違反する無効な取引である...
《解 説》
1 本件は,無罪の判決を言い渡した原審裁判所が,職権で再度被告人を勾留したのに対し,弁護人が抗告をした事案であり,原審裁判所による再勾留の可否及び要件が問題となったものである。
スイス人の被告人は,航空機で来日するに際し,覚せい剤をスーツケース内に隠匿して持ち込もうとしたとの...
《解 説》
Xは弁護士であり,所属弁護士会から懲戒処分(業務停止3か月。審査請求の結果,戒告に変更された)を受けた。本件は,弁護士法61条2項(裁決主義)によりY(日弁連)の裁決の取消しを求めた訴訟であり,懲戒について3年の除斥期間の経過の有無及び懲戒事由の存否が争われた事案である。
懲...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 事案の骨子
本件は,Y市の住民が,Y市で実施されていた特別昇給が違法であるとして,当該昇給に係る支出に関与した市長,職員等に対する損害賠償等の請求を求めた住民訴訟である。
(2) 職員給与条例の定め
Y市では,市長部局の一般職を対象とする職員給与...