《解 説》
1 本件は,メジャーリーグ所属の球団「シカゴ・カブス」のロゴと同一形状の本願商標と引用商標とは,外観及び観念の差異を考慮してもなお,称呼において類似するから,本願商標は,商標法4条1項11号に該当するとした拒絶審決の取消訴訟である。
本願商標は,肉太の円輪郭中に,これとほぼ同...
《解 説》
1 本件は,被告人が,IDとパスワードにより会員のみに利用が制限されたインターネットオークションを運営管理するヤフーのサーバーコンピューターに対し,3名の会員のID及びパスワードを盗用して合計100回にわたり不正アクセスをしたという不正アクセス行為の禁止等に関する法律違反(3条...
《解 説》
1 本件は,①被告人が共犯者らとともに,パチンコ店でパチスロ遊技機(回胴式遊技機)のロムを取り外し,代わりに不正ロムを取り付けていた際,それを店長らに発見されて逮捕されそうになったため,店長や店員ら3名に暴行を加えて傷害を負わせたという強盗致傷(事後強盗)と,②別のパチンコ店に...
《解 説》
1 AはX所有の甲地とB所有の乙地及び丙地を各賃借人からそれぞれ転借し,甲地と乙地及び丙地の上に跨る一棟の丁建物を所有してショッピングセンターとして使用してきたが,経営に行き詰まり民事再生手続の開始決定を受けた。Aの管財人に選任されたYは再生手続の換価業務として丁建物を売却する...
市町村職員を組合員とする健康保険組合に対し市が組合規約に基づく保険 料の事業主の負担金として保険料額の 2 分の 1 を超える負担金を支出した ことが違法な公金の支出に当たらないとされた事例
《解 説》
1 道路交通法(法)及び同法施行令(令)は,免許の取消し又はその効力の停止の処分の基準の一部としていわゆる点数制度を採用している。同制度は,交通法規に違反した運転者,特に道路交通上最も危険度が高いと考えられる常習的な違反運転者を的確に把握し,これに対し適正かつ効果的な改善措置を...
《解 説》
1 出版社Y1は,Y2が執筆した本件記事を掲載した週刊誌Aを発行した。本件記事は,X1名義で多数のマンションが登記されている事実等を前提として,X1の個人資産との区別が不明確である旨批判している。本件は,政党X2とその党首であるX1が,出版社Y1,執筆者Y2,Aの発行人Y3,A...
《解 説》
1 本件は,建設会社の代表取締役社長であった被告人が,同社が建築を請け負い施工したホテル(以下「本件ホテル」という。)の構造設計にかかる構造計算書が改ざんされていることを知り,建築基準法に規定する構造計算方法によって安全性が確認されていないことを認識するに至りながら,これを知ら...
《解 説》
1 法令の定め
略称:廃棄物の処理及び清掃に関する法律を以下「法」といい,平成9年法律第85号を以下「平成9年改正法」,同法による改正前の法を以下「平成7年法」,平成12年法律第105号を以下「平成12年改正法」,同法による改正前の法を「平成9年法」,平成13年法律第66号に...
《解 説》
1 本件公訴事実の要旨は,被告人が,共犯者と共謀の上,営利の目的で,マレーシアから覚せい剤2276.02グラムをスーツケースに隠匿して本邦に輸入し,税関検査を通過して関税法上の輸入してはならない貨物である覚せい剤を本邦に輸入しようとしたが,税関職員に発見されたため,その目的を遂...
《解 説》
本件は,テレビ局のニュース報道による名誉毀損及び肖像権侵害の成否が問われた事案であり,その経緯は,およそ次のとおりである。
Aは,心房中隔欠損症と肺動脈弁狭窄症を有しており,平成13年3月,B大学病院において心臓手術を受けたが,その際,Xは人工心肺装置の操作を担当した。Aは手...
《解 説》
1 地方税法73条の7は形式的な所有権の移転等に対する不動産取得税の非課税を定めているところ,平成19年3月30日法律第4号による改正前の地方税法73条の7第4号は,「委託者のみが信託財産の元本の受益者である信託により受託者から元本の受益者に信託財産を移す場合における不動産の取...
《解 説》
1 本件は,土地の持分の売買代金が相続税法7条の規定する「著しく低い価額」の対価に該当するとして行われた課税処分の違法性が争われた事案である。本判決は,本件における土地持分の代金額は,相続税評価額(財産評価基本通達に従って評価した価額。以下同じ)と同額で,時価の約78%であると...
《解 説》
1 本件は,本案訴訟の原告であるXが,文書の所持者であるYに対し,その提供する介護サービス事業に関する「サービス種類別利用チェックリスト」と呼ばれる文書(以下「本件リスト」という。)につき,文書提出命令の申立てをした事案であり,主として,民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所...
《解 説》
1 事案の概要
本件の本訴事件は,弁護士である本訴原告(反訴被告,以下「原告」という。)が,原告との間で弁護士業務に関する委任契約を締結した本訴被告(反訴原告,以下「被告」という。)に対し,本件委任契約に基づく報酬金の支払及びこれに対する遅延損害金の支払を求めた事案であり,反...
《解 説》
1 本件は,地方公共団体の運営する公立病院から,国立大学医学部の教授等が理事を務める財団に対して,当該大学の医局が学会事務局を担当する学会総会への寄附として,又は,医局員の行う個別の研究の助成としてされた寄附について,実質的には,国立大学(研究科及び診療科の総体)と実質的に同一...
《解 説》
1 本件は,心臓手術の際に人工心肺装置の操作を誤り患者Zを死亡させたとして業務上過失致死罪で起訴され,第1審で無罪判決を受けた医師Xが,その無罪判決を題材として民法テレビ局Yの放送に係るニュース番組において,Xの社会的評価を低下させる報道がされたことによりその名誉を毀損されると...