《解 説》
1 事案の概要
本件は,愛知県(以下「県」という。)商工部万博誘致対策局が,県に国際博覧会(以下「万博」という。)を誘致するため,平成8年1月から3月にかけて各種の懇談会(以下「本件懇談会」という。)を開催し,そのために食事代等の食糧費を支出したところ,Xから,愛知県公文書公...
《解 説》
1 事案の概要
Yは,増幅器付スピーカーに係る意匠権(以下「本件意匠権」という。)を有するところ,Xの販売する増幅器(アンプ,以下「X製品」という。)の意匠(以下「X製品意匠」という。)が本件意匠権の登録意匠(以下「本件登録意匠」という。)に類似するとして,X製品の販売の差止...
《解 説》
1 本件は,法務大臣がした出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)第7条第1項第2号の基準を定める省令の留学及び就学の在留資格に係る基準の規定に基づき日本語教育機関等を定める件(平成2年法務省告示第145号。以下「日本語教育機関告示」という。)の一部を改正する告示(平...
《解 説》
1 本件は,公正取引委員会(Y)が,我が国の郵便番号自動読取区分機類(以下「区分機類」という。)のほとんどすべてを製造販売していたXらに対してした私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(平成17年法律第35号による改正前のもの。以下「独禁法」という。)54条2項の排除確保...
《解 説》
1 本件は,老人保健施設に入所していたAが,左下肢骨折,右大たい骨骨折,左大転子部褥瘡及び仙骨部褥瘡の傷害を負い,両下肢機能障害の後遺症を生じ,死亡したことについて,Aの子であるX1~X3が,同施設を運営するYに対し,Aの上記各傷害,後遺症及び死亡は,Yが同施設内においてAの管...
《解 説》
1 本件は,損害保険会社である被告との間で車両保険契約を締結した原告が,保険期間内に発生した被保険車両の盗難により損害を被ったと主張して,被告に対し,保険契約に基づき保険金の支払を求める事案である。
2 事実関係の概要は次のとおり
(1) 原告が盗難被害に遭ったとする車両は...
《解 説》
1 本件(①,②事件)は,自動継続特約付きの定期預金(以下「自動継続定期預金」という。)の預金契約における預金払戻請求権の消滅時効の起算点がいつかが問題となった事案である。
①事件の事案は,原告X1が,昭和62年2月23日にA信用組合に対し200万円を,期間1年,利息の利率...
《解 説》
1 本件は,弁護士である原告が,訴訟代理をした民事訴訟事件の相手方当事者であった会社から弁護士懲戒請求を受けたことについて,その懲戒請求の申立て等が不法行為に当たると主張して,その会社代表者と代理人弁護士に対し,不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。以下では,上告が受理さ...
《解 説》
1 本件は,内縁の夫Aの運転する車両に同乗中の交通事故により傷害を負ったXが,その相手方車両の運転者兼運行供用者であるYに対し,自動車損害賠償保障法3条に基づく損害賠償請求をしたという事案である。Yは,Xの内縁の夫であるAの過失を被害者側の過失として考慮して過失相殺を行うべきで...
《解 説》
1 平成6年当時,香川県香川町の町長であったAは,B設計会社に設計を行わせた町道の改良工事をC建設会社に請け負わせた。C社は,工事を完成し,町に引き渡したが,翌年には,工事に瑕疵があることが明らかになり,町は,修補費用の支出を余儀なくされた。そこで,Aは,町長として,B社に対し...
《解 説》
1 本件は,肺結核症等の治療のためYが開設する病院に入院中の患者A(当時64歳)が,病室の窓から飛び降りて自殺したことについて,Aが飛び降りる直前に,Y病院の看護師が,Aが自殺を図ろうとしたことに気づきながら,自殺を防止する義務等を怠った過失があるなどと主張して,Xら(遺族の一...
《解 説》
1 本件は,法廷等の秩序維持に関する法律(以下「法秩法」という。)による制裁裁判(監置決定)に対する抗告事件である。
2 本件に至る経緯は次のとおりである。すなわち,本人は,東京地方裁判所に係属する傷害致死被告事件の審理を傍聴していた者であるが,同裁判所の法廷において閉廷後も...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Y1(教育委員会)は,各小中学校が入学式における国旗掲揚及び国歌斉唱を適正に実施するように,入学式において,起立して国歌を斉唱するように指導すること,国歌斉唱はピアノ伴奏等により行うことなどの7点の指示(7点指示)を行った上,平成14年度入学式の国歌斉...
《解 説》
本件は,東京拘置所に収監されていた際に結核性頸部リンパ節炎を発症した刑事被告人が,同拘置所における結核治療について,①生体組織検査(生検)等の必要な検査を行わずに直ちに抗結核剤を投与したため確定診断が遅れ,療養期間が長期化するとともに耐性菌による再発の不安を抱えることになり,②...
《解 説》
1 本件は,原告が,ヘルペス脳炎により高次脳機能障害の後遺障害が残ったのは,被告病院医師が適切に問診・鑑別診断をしなかったこと(過失①)及び被告病院入院後の抗ウイルス剤の投与期間及び量が不適切であったこと(過失②)が原因であるとして,被告に対し,債務不履行又は不法行為に基づく損...
《解 説》
1 本件は,Xがその所有建物をZの要望に従って増改築した上でZに賃貸する契約(建て貸し)の仲介を不動産仲介業を営むYに依頼し,X・Z間に期間を9年間とする建物賃貸借契約が成立したが,中途解約を制限する条項が盛り込まれていなかったため,Zから中途解約されて損害を被ったとして,Xが...