《解 説》
1 本件は,ナイジェリア連邦共和国国籍を有するXが,東京都Yに対し,Yが設置する警視庁の警察官がXを風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律22条1号違反(いわゆる客引き行為)で現行犯逮捕する際に,Xの右膝を踏み付けて右脛骨高原骨折(本件骨折)させ,その後も手術等適切な治...
《解 説》
1 本件は,1審被告に勤務していた1審原告が1審被告に対し,平成16年法律第79号による改正前の特許法35条(職務発明)に基づき,1審原告が1審被告に承継させた「燃料噴射弁」の特許権(本件特許権。その特許発明を「本件特許発明」という。)について,その対価としての230億8284...
《解 説》
1 本件は,Yから本件建物を賃借して敷金40万円を差し入れていたXが,本件建物の管理人をしていたY代表者AがYの設置したクーラーを修理するために本件建物に立ち入ったことについて,Xの同意を得ていなかったので上記Aの無断立入りが賃貸人の債務不履行に当たると主張して,賃貸借契約を解...
《解 説》
1 本件は,従来から,退任取締役に対しては退任期の株主総会に退職慰労金を支給する議案を提出してその旨の決議を得,内規に基づいてこれを支給することを通例としてきたY1において,過去に会社の発展に寄与した功労があると評価されながらも経営方針を巡る対立に敗れたことから取締役を辞任した...
《解 説》
1 本件は,法務大臣から権限の委任を受けた大阪入国管理局長から,出入国管理及び難民認定法49条1項に基づく申立人の異議の申出が理由がない旨の裁決(以下「本件裁決」という。)を受け,続いて大阪入国管理局主任審査官から,退去強制令書発付処分(以下「本件処分」という。)を受けた申立人...
《解 説》
1 本件は,離婚の訴えに附帯して,別居後離婚までの期間における子の監護費用(以下「別居後離婚前監護費用」という。)の支払を求める申立てをすることの適否が問題となった事案である。
2 妻であるX は,夫であるY と婚姻後,長男の懐胎中に別居に至り,その後長男を出産し,単独でその...
《解 説》
1 本件は,Yの経営する外国語会話教室に通っていたXが,受講契約を中途解約したことに伴い,前払受講料の清算を求める事案である。本件の事実関係等の概要は,以下のとおりである。
(1) Yが経営する外国語会話教室において授業を受けるためには,Yの料金規定(以下「本件料金規定」とい...
《解 説》
1 本件は,統合失調症によりYの開設する精神科病院であるA療養園に入院していたBが,消化管出血による吐血等の際に吐物を誤嚥して窒息死したことにつき,Bの両親が,担当医師にBを適切な時期に転院させなかった過失があるなどと主張して,Yに対し,債務不履行に基づく損害賠償を求めた事案で...
建設会社の支援を巡り,当事者間で交付された金銭について,業務委託契 約に基づいて提供された業務委託費用であるという主張が排斥され,金銭 消費貸借契約に基づく貸付金であるとされた事例
《解 説》
1 本件は,控訴審の審理途中に所在不明となった被告人に対する付郵便送達の効力が問題となった事案である。本件の審理経過その他の事実関係は本決定1に摘示されているが,おおむね次のようなものである。
被告人は,滋賀県草津市内の飯場に居住していた昭和62年に本件交通事故を起こし,業務...
《解 説》
1 訴外A(昭和13年生)は,平成15年3月30日,自宅で息苦しくなったため,車でYの開設するB病院に赴き,診察を受けたところ,急性心筋梗塞の疑いがあり,点滴を受けた上,救急車で他の病院に転送されようとしたが,心室細動を発症して死亡した。
そこで,Aの遺族であるXらは,B病院...
《解 説》
1 本件は,日本経済新聞社の元代表取締役である原告1及び同社の元常務取締役である原告2 において,被告1 が執筆し,被告2の発行する週刊誌に継続して連載され,また,被告2 により単行本化された「乱気流 小説 巨大経済新聞」の記載により名誉を毀損されたとして,被告らに対し,本件小...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,平成9年9月30日以降に日本長期信用銀行(以下「長銀」という。)の株式を購入した甲事件及び乙事件原告ら(以下,まとめて「原告ら」という。)が,その後,貸倒引当金の計上不足が明らかになったため長銀の株価が低下し,さらには国有化されて長銀の経営が破綻し,株...
《解 説》
1 本件は,いわゆる体感器と称する電子機器を使用してパチスロ機からメダルを不正に取得する目的でパチンコ店に侵入し,体感器を用いて大当たりを出しメダルを不正に取得したという建造物侵入,窃盗の事案である。事実関係は,被告人が,あらかじめ自己の身体に体感器をひそかに装着してパチンコ店...
《解 説》
1 Y(生保会社)の保険外務員であったXは,自らの顧客であったAが契約した4口の生命保険契約について解約の手続きをし,その解約返戻金等をAから受領したが,その後,Aの親族からYに対し,Xが不正に解約返戻金等を受領しているとクレームがあったことから,Yは,一旦Xからその解約返戻金...
《解 説》
1 本件は,損害保険会社である被告との間で車両保険契約を締結した原告が,保険期間内に発生した被保険車両の盗難により損害を被ったと主張して,被告に対し,保険契約に基づき保険金の支払を求める事案である。
2 事実関係の概要は次のとおりである。
(1) 原告が被告との間で締結した...