《解 説》
1 事案の概要
本件は,大阪市政記者クラブ所属の記者でないことを理由に,大阪市議会財政総務委員会委員長から同委員会の傍聴を許可しない旨の処分(本件不許可処分)を受けたフリージャーナリストのXが,Y(大阪市)に対し,国家賠償法1条1項に基づき,慰謝料等の支払を求めた事案である。...
《解 説》
1 本件は,被告人が,被害者に自動車を衝突させ,転倒させてその動きを止めた上,刃物で刺し殺すとの計画を立て,実際に包丁やレンタカーを準備して被害者を待ち伏せ,歩いている被害者に時速約20キロメートルで自動車を衝突させて傷害を負わせたが,その段階で翻意して被害者を包丁で刺さなかっ...
《解 説》
1 本件は,荒尾市の住民であるXらが,第三セクター方式で設立され「アジアパーク」の名称でテーマパークを経営していた会社(本件会社)に対する金融支援として行った補助金約1億1650万円の支出,及び銀行5行(本件5行)と市の間で本件会社の債務につき締結した損失補償契約に基づく損失補...
《解 説》
控訴人は,医師である被控訴人が開設する診療所で交通事故による傷害の診療を受け,被控訴人は,①加害者側の保険会社に対し控訴人の診断書を作成交付し,②控訴人が加害者を相手方として申し立てた調停事件の係属する簡易裁判所からの文書送付嘱託に応じて控訴人の診療録を裁判所に送付した。本件は...
《解 説》
1 本件は,離婚後の夫婦間において,両者間の子である被拘束者らの父であり親権者である請求者が,被拘束者らの母である拘束者に対し,現在拘束者のもとで生活している被拘束者A(本件審問終結当時13歳)及び被拘束者B(本件審問終結当時8歳)を,人身保護法に基づき,請求者のもとへ引き渡す...
第1 はじめに
1 人身傷害補償保険
2 考察する問題
3 本考察の結論及び本稿の位置付け等
第2 人身傷害補償保険
1 人身偽害補償保険の開発
2 保険商品の営業活動における説明内容
3 約款の規定
4 保険金支払額
第3 問題状況
1 過失相殺のない事例
2 過失相殺のある事例
3 請求の先後による被害者受領額の違い
4 問題状況のまとめ
第4 大阪地裁と東京地裁の判決
1 大阪地裁判決ー平成18年6月21日判決・判夕1228号292頁
2 東京地裁判決ー平成19年2月22日判決・判夕1232号128頁
第5 人傷基準差額説(私見)について
1 私見の結論とその適用等
2 人傷基準差額説(私見)の根拠
3 実務上の問題点
第6 最後に
《解 説》
1 建設機械の修理販売業を営む株式会社であるXは,Y(大分支店)との間で手形取引約定を結び,いわゆる「見返り手形」による決済方法を採っていた。ところが,その後,Yは,資金繰りに窮したXの依頼に応え,平成15年3月ころ,貸金の弁済期の延長に応ずる代わりに,預かり保管中の「見返り手...
《解 説》
1 本件は,甲が自動車に乗車中,自動車の横転等で甲が死亡したという交通事故が発生したことに関し,甲の父母であるXらが,自動車の保有者であるYに対し,自賠法3条本文に基づき,総損害額の一部の支払を求めた事案である。
Yとその補助参加人Z(自賠責保険会社)は,Yの運行供用者性,甲...
《解 説》
1 本件は,交通事故により後遺障害を負った原告が,人身傷害補償保険契約に基づく保険金(以下「人傷保険金」という。)の支払を受けた後,交通事故の加害者である被告に対して,民法709条,自動車損害賠償保障法3条に基づき,損害賠償を求めた事案である。これに対して,被告は,「原告に対し...
《解 説》
1 本件は,「鹿児島公職選挙法違反事件」,「志布志事件」などと称された事件であり,被告人12人全員(AからMまで。なお,Eは審理中に死亡し,公訴棄却決定が確定)に対し,無罪判決が言い渡され,確定した。
2 本件公訴事実の概要は,次のとおりである。すなわち,Kは,平成15年4月13日...
《解 説》
1 本件は,私立高校の数学科教諭である原告に対してされた事務職員への配置転換の効力が争われるとともに,同配置転換に端を発する3次にわたる懲戒処分(出勤停止)による減給分の給与の支払及びこれら処分により被った精神的苦痛を理由とする慰謝料の支払を求めた事案である。
2 被告は,配...
1 暴力団対策法2条6号の「暴力団員」の判断基準
2 法人の役員が暴力団員であったことを理由とする当該法人に対する産業廃棄物収集運搬業の許可の取消処分が適法とされた事例
(青森地裁平19.2.23判決)
《解 説》
1 昭和60年法律第34号による改正後の国民年金法は,老齢基礎年金のほか,被保険者(加入者)が障害状態に陥った場合,障害基礎年金を支給するとし,加入資格を有しない20歳未満の者が障害状態に陥った場合も医師又は歯科医師の診療を受けた日(初診日)において20歳未満である限り障害基礎...