《解 説》
1 本件は,発熱と痙攣を主訴として,平成7年5月19日に被告病院に入院した原告甲(生後10か月)及びその両親が,被告病院における結核性髄膜炎との鑑別診断が遅れ,専門医への転医が同年6月8日になったために,結核性髄膜炎後遺症,水頭症,痙性四肢麻痺,難治性てんかん,重度精神遅滞の後...
《解 説》
1 事案の概要
控訴人(原審原告)は,亡Aの相続人である。亡Aは,平成9年5月,被控訴人(原審被告)経営の老人ホームに入所したが,平成14年12月13日ホーム内で転倒して負傷し,その後手術のため入院中に肺炎に罹患し,死亡した。そこで,控訴人は,主位的に不法行為(使用者責任)に...
《解 説》
1(1) 本件は,国民健康保険組合であるYの理事長(X1)及び副理事長(X2)の地位にあったXらが,Xらを理事長等から解任するとともに,反対派の理事を理事長等に選任した理事会決議(本件決議)について,同決議は,招集権者であるXによる招集手続がされていないのはもちろん,Yの主張す...
《解 説》
本件は,交通事故の被害自動車を被保険自動車とする人身傷害補償特約付一般自動車総合保険に基づき被害者の相続人に保険金を支払った保険会社Xが損害賠償請求権を代位取得したことを理由として,加害者Aの加入していた家庭用総合自動車保険(TAP)の保険会社Yに対し,同保険の他車運転危険担保...
《解 説》
1 Xは,家庭での養育が困難になったため,Y2(愛知県)による児童福祉法(以下「法」という。)27条1項3号所定の入所措置(以下「3号措置」という。)に基づき,社会福祉法人Y1の設置運営する児童養護施設A学園に入所した。X(事件当時9歳)は,A学園の施設内で,同じく3号措置によ...
《解 説》
1 Xは,名古屋地方裁判所に係属していた刑事事件の被告人の弁護人であるが,公判期日当日,同裁判所構内の仮監において,同所に護送されていた被告人に文書を差入れたい旨申し出たところ,拘置所職員が「ここは仮の接見場所であるので,文書の差入れはできません。」「名古屋拘置所へ行っていただ...
《解 説》
本件は,医師向け有料職業紹介事業を営む会社である原告が,もと原告の従業員であり現在は,原告を退職後,原告と同種の事業を営む被告Y2会社に勤務している被告Y1に対し,被告Y1が,原告在職中に収集した医師情報が記載された顧客情報(本件情報)を利用して,被告Y2会社の従業員として,約...
《解 説》
1 本件年金制度の概要
被告には,被告を退職した元教職員,その遺族を主たる年金受給者とする私的年金制度(以下「本件年金制度」という。)が存在し,本件年金制度は,被告の規約である年金規則(以下「本件年金規則」という。)及び同規則施行規程によって運営されている。
本件年金規則で...
《解 説》
A(大正11年生)は,平成13年5月12日,肝臓癌,慢性肝炎,脳梗塞後遺症及び老人性痴呆との病名(当時)により病院に入院し,同年8月2日,長男Y,主治医B,病院長C,看護師D立会いのもとに,不動産をYに,預貯金の2分の1をYに,3分の1宛を亡き長女の子X1及びX2にそれぞれ相続...
《解 説》
1 事案の概要
原告は,「杏林製薬株式会社」なる商号の製薬会社であり,被告は,平成14年5月15日に現在の商号「杏林ファルマ株式会社」に変更するとともに,医薬品・医薬部外品の販売等を目的とし,健康食品等の販売等を行っている。
本件は,原告が,被告が周知営業表示たる原告の商号...
《解 説》
X1は亡Aを代表者とし,戦時・武力紛争下の女性への暴力を無くすために,女性の人権の視点に立って,平和を創る役割を担い,世界の非軍事化をめざすことを目的として設立された権利能力なき社団であるが,アジア諸国のNGOと共に平成12年12月,東京で「日本軍性奴隷制を裁く女性国際戦犯法廷...
《解 説》
1 本件は,被告の元従業員である原告が,被告在職中に被告に承継させた職務発明に係る特許を受ける権利について,その相当対価10億円の支払を求めた事案である。
本件の対象となる特許発明は,レーザービームプリンタ(LBP)等において,静止ゴースト像(被走査媒体に走査されたビームが拡...
《解 説》
S社はY社に総額56億余円を貸し付け(本件債権),本件土地395筆を含む492筆の土地のY社の持分10分の8につき極度額50億円の根抵当権の設定を受けた。S社はY社に対する貸金残債権52億円余をK社に譲渡し,さらにK社はこれをX社に譲渡したところ,前記根抵当権の極度額は20億円...
《解 説》
1 本件は,強直性脊椎骨増殖症の治療のため被告病院で頸椎骨切除手術を受けた当日の夜に呼吸困難で死亡した患者(なお,患者には術前から既に片側反回神経の麻痺が見られていた。)の遺族である原告らが,同病院医師及び看護師らが術後に適切な経過観察をせず,患者の呼吸困難の際に迅速に気道確保...
《解 説》
1 事案の概要
X1(昭和23年生)は,平成12年1月,激しい頭痛に見舞われ,救急車でYの開設するH病院に搬送された。CT検査の結果,くも膜下出血を発症していると診断され,直ちに入院した。X1は,同月,脳動脈瘤頸部クリッピング術を受けたが,手術中にチマメ状動脈瘤が破裂して,大...