《解 説》
1 本判決は,有栖川識仁を名乗る被告人甲及び有栖川花子を名乗る被告人乙が,共謀の上,大正時代に断絶した旧皇族有栖川宮家の関係者であるかのように装った被告人甲と被告人乙との結婚披露宴を開催してその出席者から祝い金名下に金員等を詐取しようと企て,途中からは,事情を知ったイベント会社...
《解 説》
1 本件は,公正証書の正本に基づいて相手方である債権者から債権差押命令及び転付命令(以下「本件各命令」という。)を受けた抗告人らが,相手方による強制執行を行う権利の放棄又は相手方との間での強制執行を行わない旨の不執行の合意(以下,これらを「不執行の合意等」という。)を理由として...
《解 説》
1 本件は,急性白血病で死亡した女性(A)の相続人(X)が,治療に当たった医師(B)の過失を理由に同医師の勤務する医療法人(Y,理事長B)に対して損害賠償を請求した事案である。 A(当時24歳)は,平成13年12月29日に高熱が出たので,福岡市の急患センターで抗生剤や解熱剤の投...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 原告は,もと被告の従業員であり,被告の有する保護膜形成用材料や熱硬化性樹脂組成物に関する5件の特許権(及びそのうち4件に対応する外国特許)の特許公報に,発明者の1人として記載されている。本件各発明は,いずれも,液晶ディスプレイの材料用の透明な塗膜を形成...
《解 説》
1 本件は,被告人3名が共犯者らと共謀の上,営利目的で覚せい剤結晶及び覚せい剤様の結晶を宅配便配達員を介して宅配便により受領して,覚せい剤を譲り受ける行為と薬物その他の物品を規制薬物として譲り受ける行為を併せてすることを業とし(判示1),その中で,営利の目的で,覚せい剤及び覚せ...
《解 説》
1 本件は,X(上告人,被控訴人,原告)が,Y(被上告人,控訴人,被告)との間で,従前被上告人方にあった洗面台を本件洗面台に代金32万円で取り替える旨の契約(本件契約)を締結したところ,Yが残代金を支払わない旨主張して,Xが,Yに対し,本件契約に基づき,残金27万円と遅延損害金...
《解 説》
1 本件は,MRSA敗血症を発症して死亡した患者の遺族らが,入院先及び転院先の各病院を開設する1審被告らに対し,各病院担当医師らにはMRSA感染防止対策を怠った過失があるなどとして,不法行為又は診療契約上の債務不履行に基づき,損害賠償を求めた事案である。
2 原審が認定した本...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。
(1) 宗教法人であるXは,都内の市街地に墓地施設(本件墓地)の建設を計画していたところ,本件墓地の周辺住民であるYらは,本件墓地の建設に反対し,平成12年,東京地方裁判所に,A区保健所長らを被告として,墓地等経営許可申請受理の取消しを...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Y市は,駅前に市立駐車場(本件駐車場)を設置し,Y市が約7割を出資する株式会社(本件会社)にその管理を委託していた。
Y市議会は,平成16年12月,本件駐車場に関して駐車場条例(本件条例)を制定したが,本件条例には,本件駐車場の管理をY市長が指定する...
《解 説》
1 事案の概要
東大阪市では,現業部門においてアルバイト職員を使用していたが,平成15年度から一般職に属する非常勤職員の制度を開始し,従前のアルバイト職員やそれ以外の者を「一般職非常勤職員」として任用するに至った。
本件は,平成15年度に新規採用された一般職非常勤職員のうち...
《解 説》
1 本件は,地方公共団体(市)が一般競争入札で発注したごみ処理設備(ストーカ炉等)の建設工事に関して,入札参加業者の間で談合が行われ,それによって,落札価格が違法につり上げられたとして,市の住民らが落札業者に対し,主位的には建設工事請負契約は公序良俗に反し無効であって,落札業者...
《解 説》
1 本件は,弁護士であるXが,所属弁護士会から業務停止3月の懲戒処分(以下「本件懲戒処分」という。)を受け,弁護士法(平成15年法律第128号による改正前のもの。以下同じ。)59条に基づきY(日本弁護士連合会)に対する審査請求をしたが,審査請求を棄却する裁決(以下「本件裁決」と...
《解 説》
1 平成12年2月,Xが経営していた居酒屋店舗の建物で火災が発生し,同建物が全焼した。Xは,①保険会社Aとの間で,同建物を保険の目的とする店舗総合保険契約(以下「A保険契約」という。)を,②保険会社Yとの間で,店舗内の什器備品等及び休業による損害を保険の目的とする加盟店総合保険...
《解 説》
1 事案の概要
申立人は,基本事件の被告であり,相手方らは,基本事件の原告訴訟代理人弁護士である。基本事件は,原告が,被告の輸入販売する医薬品(申立人医薬品)が原告の特許権を侵害し,かつ不正競争防止法2条1項13号所定の不正競争行為に当たると主張して,申立人医薬品の輸入販売の...