《解 説》
1 本件は,MRSA敗血症を発症して死亡した患者の遺族らが,入院先及び転院先の各病院を開設する1審被告らに対し,各病院担当医師らにはMRSA感染防止対策を怠った過失があるなどとして,不法行為又は診療契約上の債務不履行に基づき,損害賠償を求めた事案である。
2 原審が認定した本...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。
(1) 宗教法人であるXは,都内の市街地に墓地施設(本件墓地)の建設を計画していたところ,本件墓地の周辺住民であるYらは,本件墓地の建設に反対し,平成12年,東京地方裁判所に,A区保健所長らを被告として,墓地等経営許可申請受理の取消しを...
《解 説》
1 事案の概要
(1) Y市は,駅前に市立駐車場(本件駐車場)を設置し,Y市が約7割を出資する株式会社(本件会社)にその管理を委託していた。
Y市議会は,平成16年12月,本件駐車場に関して駐車場条例(本件条例)を制定したが,本件条例には,本件駐車場の管理をY市長が指定する...
《解 説》
1 事案の概要
東大阪市では,現業部門においてアルバイト職員を使用していたが,平成15年度から一般職に属する非常勤職員の制度を開始し,従前のアルバイト職員やそれ以外の者を「一般職非常勤職員」として任用するに至った。
本件は,平成15年度に新規採用された一般職非常勤職員のうち...
《解 説》
1 本件は,地方公共団体(市)が一般競争入札で発注したごみ処理設備(ストーカ炉等)の建設工事に関して,入札参加業者の間で談合が行われ,それによって,落札価格が違法につり上げられたとして,市の住民らが落札業者に対し,主位的には建設工事請負契約は公序良俗に反し無効であって,落札業者...
《解 説》
1 本件は,弁護士であるXが,所属弁護士会から業務停止3月の懲戒処分(以下「本件懲戒処分」という。)を受け,弁護士法(平成15年法律第128号による改正前のもの。以下同じ。)59条に基づきY(日本弁護士連合会)に対する審査請求をしたが,審査請求を棄却する裁決(以下「本件裁決」と...
《解 説》
1 平成12年2月,Xが経営していた居酒屋店舗の建物で火災が発生し,同建物が全焼した。Xは,①保険会社Aとの間で,同建物を保険の目的とする店舗総合保険契約(以下「A保険契約」という。)を,②保険会社Yとの間で,店舗内の什器備品等及び休業による損害を保険の目的とする加盟店総合保険...
《解 説》
1 事案の概要
申立人は,基本事件の被告であり,相手方らは,基本事件の原告訴訟代理人弁護士である。基本事件は,原告が,被告の輸入販売する医薬品(申立人医薬品)が原告の特許権を侵害し,かつ不正競争防止法2条1項13号所定の不正競争行為に当たると主張して,申立人医薬品の輸入販売の...
《解 説》
1 本件は,平成10年5月16日の集中豪雨により旧宍喰町の山間部の谷間を流れる河川沿いにあるX土地の北側にある本件山腹の斜面が崩落し,X土地に居住するXらの家屋が全半壊する等の被害を受けるという本件崩落事故が発生したことにつき,その原因は本件山腹の斜面に沿って設置された本件町道...
《解 説》
1 X(注文者)は,Y(請負人)との間で,賃貸建物の設計及び施工を内容とする請負契約を締結したが,工事の途中に解除の意思表示をした。Xは,解除の理由として,Yには,設計図書,見積書等を交付しなかった,建築予定地には6階ないし7階の建物を建てることができるところ3階までしか建てら...
《解 説》
1 本件は,亡母Aの相続人で子である原告らが,同じく相続人で姉兄である被告らに対し,Aを遺言者とする遺言公正証書につき,遺言当時,Aは認知症により遺言能力がなかったと主張し,同遺言が無効であることの確認を求めた事案である。
2 本判決は,遺言の数年前からのAの入通院カルテ,介...
《解 説》
1 本件は,第二次世界大戦の終結前の日本統治下における台湾に設置された台湾総督府癩療養所楽生院(以下「楽生院」という。)に入所していた申立人ら(基本事件原告ら)が,平成18年法律第2号による改正前のハンセン病療養所入所者等に対する補償金の支給等に関する法律(以下「改正前ハンセン...
《解 説》
1 本件は,1審で死刑判決を受けたオウム真理教教祖に対する控訴棄却決定に係る特別抗告が棄却された事案である。
すなわち,本件特別抗告の申立人(以下「被告人」という。)は,地下鉄サリン事件等一連のオウム真理教事件により1審で死刑判決を受け(東京地判平16.2.27判タ1151号...
《解 説》
1 本件は,軽四路線便業務(以下「軽四便業務」という。)の受託を前提に被告を希望退職した原告が,その後軽四便業務が廃止されて収入を失ったことに関し,原告が退職時に支給された退職金は,軽四便業務の受託により得られる収入を控除したものであったから,原告が喪失した収入分は,法律上の原...
《解 説》
1 X(昭和34年生の女性)が子宮筋腫核出術を受けガーゼの遺留が発見されるまでの経緯は,次のとおりである。すなわち,Xは,昭和63年に結婚し平成5年に自然妊娠したものの胞状奇胎により出産に至らず,平成7年7月以降,Y大学病院産婦人科のA医師のもとに通院した。A医師は,Xの子宮内...
《解 説》
本件は,所属弁護士会から戒告の懲戒処分を受けた弁護士Xが日本弁護士連合会Yに審査請求したところ,審査請求を棄却するとの裁決を受けたため,その取消しを求めた行政訴訟の事案である。
懲戒処分の理由は,①Xが懲戒請求人A社から分譲地を買い受け,自宅建築のため,自己が共有持分を有する...
《解 説》
1 A 株式会社の代表取締役であるYは,B信用金庫との間でAの信用金庫取引上の債務につき包括根保証契約を締結したが,その後に辞任した。Xは,Yの辞任後のBのAに対する貸付(本件貸付)につき信用保証したが,Aが借入金債務の履行を怠ったため,保証債務を履行した。本件は,Xが保証人間...