《解 説》
1 本件は,原告が,使用者である被告に対し,未払の割増賃金及び遅延損害金の支払,付加金及び遅延損害金の支払,原告が出向先において労働する義務のない地位にあること並びに被告の従業員からセクハラ行為等を受けたことによる慰謝料及び遅延損害金の支払を求めた事案である。
2 割増賃金等...
《解 説》
1 Xは食料品等の輸出入等を業とする会社,Yは料理飲食店の経営等を業とする会社である。XとYは,平成12年8月ころ,Xが,Yの経営するファーストフード店で販売する肉まんを製造し供給することを内容とする肉まん供給業務委託契約(本件契約)を締結した。本件契約においてはXが製造する肉...
《解 説》
1 本件は,亡夫が購入したマンションの専有部分(本件マンション)の寝室から出火した火災(本件火災)について,室内に設置された防火戸(本件防火戸)の電源スイッチが切られており,本件防火戸が作動しない状態で引き渡されたことから,本件火災による延焼等の損害を被ったなどと主張して,亡夫...
《解 説》
1 本件は,原告が,勤務先の会社でくも膜下出血を発症した夫の労災申請の相談のために訪れた労働基準監督署の窓口で,担当者(被告乙)から,原告の労災申請を断念させようとして,労災申請は認められない旨の誤った内容の教示をされた上,侮辱的言辞を浴びせられたため,うつ状態に陥ったと主張し...
《解 説》
1 X株式会社は,不動産の造成販売等を業とする株式会社であるが,茨城県那珂郡東海村において,平成7年から土地買収に着手して宅地(本件土地)を造成し,平成12年度から順次709区画の宅地を販売する事業を計画していた。ところが,Y株式会社東海事業所の軽水炉用低濃縮ウラン再転換工場(...
《解 説》
1 本件は,XとY1が共同新設会社分割により新会社Zを設立し,Y1がその翌期である平成15年3月期の決算において,会社分割により取得したZの株式の評価について,従前の会計方針を変更して税法基準を採用し,「卸売事業の会社分割の利益」として3億2265万円余を計上したことが,「公正...
《解 説》
1 原告は,筋強直性ジストロフィー症により寝たきりとなって介護が必要な状態になったため,介護保険契約を締結している被告に対し,筋強直性ジストロフィー症が発症したのは介護保険契約を締結した後であると主張して,保険金の支払を求めた。これに対し,被告は,原告は保険期間開始前に要介護状...
《解 説》
1 Xは,「レンジフードの金属製フィルタを覆うためのフィルタであって,金属製フィルタに対応した相似形状の平面方形状の不織布と,その周縁部のリング状ゴム紐等とで構成されており,ゴム紐等の収縮により金属製フィルタに取付けるフィルタ装置」に関する特許(本件特許)の特許権者である。Yら...
《解 説》
1 本件は,韓国人であるXが,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律(被爆者援護法)の被爆者健康手帳を昭和55年に交付された後に出国して韓国に居住し,平成16年に健康管理手当認定申請をしたところ,長崎市に居住していないことを理由としてYが申請を却下したことからその処分取消を求め...
《解 説》
1 本件事案の概要
韓国人であるAは,原子爆弾に被爆し,昭和55年5月にY(長崎市長)から被爆者健康手帳(平6法117号による廃止前の原子爆弾被爆者の医療等に関する法律3条2項に基づいて交付されたものと思われるが,原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律附則4条2項により,同法...
《解 説》
1 Yは皮膚用医薬部外品及び化粧品等の製造販売を業とする株式会社である。原告Xら(X1とX2)は,Yの従業員であった平成3,4年ころ,特定の物質を有効成分とする育毛剤(本件発明)を共同(貢献割合は各2分の1)で職務発明し,特許を受ける権利をYに承継させ,Yは特許を取得した。Yは...
《解 説》
1 Yには,昭和41年1月から,Y独自の年金制度として,Y又はそのグループ会社(以下「Yら」という。)の退職者を年金受給者とし,退職金を年金原資とする福祉年金制度(以下「本件制度」という。)が存在し,本件制度はYが制定した福祉年金規程(以下「本件規程」という。)に基づいて運営さ...
《解 説》
1 事案の概要
X会社は,A会社に対する決済のため,B銀行に119万0385円の振込依頼をしたが,誤って,振込先をY銀行のC会社の普通預金口座(本件預金口座)と指定したことにより,本件預金口座に119万0385円の入金記帳がされた(本件誤振込み)。本件誤振込みの事実を認識した...
《解 説》
1 本件事案の概要は次のとおりである。Xは,Yにタクシー乗務員として雇用されている者であるが,①Xが平成14年8月から同16年4月までの間に有給休暇を取得した月(以下「有給休暇取得月」という)の賃金(以下「本件賃金」という)に関するYの算定方法は,有給休暇中の賃金について所定労...
《解 説》
X(昭和22年生)は,航空会社の客室乗務員(チーフパーサー)として勤務していた者であるが,平成8年5月,乗務のため滞在していた香港のホテルの客室内で脳動脈瘤破裂に伴う出血に起因するくも膜下出血を発症し,療養及び休業したことについて2回にわたり労働基準監督署長Yに対し労災補償を求...
《解 説》
1 本件は,社会保険庁に勤務していた国家公務員がうつ病に罹患して自殺したことについて,公務と自殺との間の因果関係を認めたうえ,職場の上司が自殺者の過重な業務の実態を放置し,悪化しつつあったうつ病に配慮しないでさらに過重な業務を強いられる職場へと配置換えをしたとの状況を認定して,...