《解 説》
1 本件は,第三者異議の訴えに法人格否認の法理が適用されるかどうかが問題となった事件である。
2 事実関係の概要は,次のとおりである。
(1) Yらは,A社が開場した本件ゴルフ場に設けられた本件ゴルフクラブに入会し,それぞれ1200万円の会員資格保証金を預託していたものであ...
《解 説》
1 本件は,名古屋市(以下「市」という。)の住民であるXが,名古屋市公文書公開条例(昭和61年名古屋市条例第29号。以下「本件条例」という。)に基づき,Y(市長)に対し,名古屋市土地開発公社(以下「公社」という。)が市の委託により将来市に譲渡することを予定して先行取得を行い保有...
《解 説》
1 本件は,Yに対して病院開設の許可申請をしたXが,Yから病院開設を中止するよう勧告されたため,その取消しを請求した事案である。
2 Xは,富山県高岡市内において病院の開設を計画し,Yに対し,平成9年3月6日付けで,病床数を400床とする病院開設に係る医療法7条1項の許可の申...
《解 説》
1 小樽市は,小樽築港駅について,公金7億1700万円を支出して橋上化,大型化された新しい駅舎(以下「本件駅舎」という。)を建築した上,平成10年12月25日,市議会の議決を経て,これをY2(JR北海道)に対し,無償で譲渡(以下「本件無償譲渡」という。)をした。
そこで,小樽...
《解 説》
1 本件公訴事実の要旨は,被告人が,共犯者と共謀の上,営利の目的で,事情を知らない運搬役の女性3名に,カナダから航空機で覚せい剤2万5863.02グラムの隠匿されたスーツケース3個を本邦に持ち込ませて輸入し,通関線を通過させて関税法上の輸入禁制品である覚せい剤を本邦に輸入しよう...
《解 説》
本件は,被告人が,銀行支店においてキャッシュカードの再発行手続に当たり銀行員から手数料を請求されたことに憤慨し,同支店内で怒声を発するなどし,銀行員の通報を受け臨場した警察官から任意同行を求められた際,同警察官の顔面を殴打して傷害を負わせたとして,公務執行妨害罪,傷害罪に問われ...
《解 説》
1 本件は,貸金業者であるY(被上告人)との間で,長期間,多数回にわたって,借入れと返済を繰り返していた債務者X(上告人)が,Yに対し,①Yに対する返済額を利息制限法に従って引き直して計算すると過払金が生じたと主張して,不当利得返還請求権に基づき,過払金の支払を求めるとともに,...
《解 説》
1 本件は,平成15年11月9日に施行された衆議院議員の総選挙のうち東京都第4区における小選挙区選出議員の選挙(以下「本件選挙」という。)について,その選挙人であるX(原告,上告人)が,公職選挙法の規定は投票価値の平等を保障した憲法に違反するなどと違憲の主張をして公職選挙法20...
《解 説》
1 本件は,被告人による覚せい剤の自己使用の事案であり,被告人の尿の採取及び押収等の経過に問題があるとして,被告人の尿の鑑定書等の証拠能力が争われた。
被告人の尿の入手経過に関する事実関係は,判文を参照されたいが,それを要約すると,国立病院A医療センターに所属する担当医師が,...
《解 説》
1 Xは,中華人民共和国国籍を有する女性であるが,日本人男性と偽装結婚をし,平成7年10月に,在留資格「日本人の配偶者等」,在留期間6月として上陸許可を受けて日本に入国し,在留期間経過後も皿洗いのアルバイト等をしながら不法に残留していた。平成9年4月ころ,日本人女性Zの自宅の掃...
《解 説》
1 Xらは,ビル管理等を業とするY会社に勤務し,ビルの警備業務に従事していた者であるが,Yに対し,更衣時間,朝礼時間,休憩時間及び仮眠時間が労働時間に当たるとして,労働基準法37条に基づき,未払時間外賃金の支払を求めるとともに,労働基準法114条に基づき,付加金の支払を求めた。...
《解 説》
1 Y(控訴人,被告)は,外国語教室の経営等を目的とする会社である。Yが開設する外国語会話教室では,受講に際し,予め一括してレッスンポイントを購入するものとされており,購入したポイント数が多くなればなるほどポイント単価が安くなる制度(数量割引制度)となっている。ただし,中途解約...
《解 説》
1 被告Yはガス栓等のガス器具用部品の製造販売を業とする会社である。原告Xは,Yの研究所勤務の従業員であった昭和61年から平成2年ころにかけて,ガス栓に関する職務発明(本件発明)・職務考案(本件考案1~3)をし,特許・実用新案登録を受ける権利をYに承継させ,Yは特許・実用新案登...
《解 説》
1 本件は,Xらが,受験して合格した大学に入学手続をし,入学金(本件入学金)及び前納授業料等(施設設備費,実験実習費,諸会費を含む。本件授業料等)を納めて,在学契約(本件在学契約)を締結した後,3月中又は4月に入って入学式前に,入学辞退届を提出して,本件在学契約を解除して,同大...
《解 説》
1 原告は,被告を通じて飛栄産業株式会社(以下「飛栄産業」という。)から飛栄産業が新築したビル(以下「本件ビル」という。)の一部を持分として取得するとともに,被告と信託契約を締結して,被告が信託契約上の受託者となり,ビルの持分の取得者が受益者になるという商品(以下「本件商品」と...