《解 説》
1 本判決が認定した事実経過は次のとおりである。X1はY4が設置する小学校6年に在籍中の1学期に同級生であったY1,Y3から暴行等を受け,2学期にY1~Y3から無視されるなどのいじめを受け,3学期からY1,Y2が別室で授業を受けるようになったが,Y1,Y2から下校中に暴行を受け...
《解 説》
本件は,別件訴訟の第2審において初めて被控訴人(第1審原告)Aの訴訟代理人となった弁護士Xが,別件訴訟の被告Yに対し,Yが訴訟代理人を通じて別件訴訟において提出した準備書面の記載がXの名誉感情を害するとし,また,Y自ら弁護士会に申し立てたXに対する懲戒申立てがXの業務を妨害する...
《解 説》
1 本件は,平成12年12月16日に破綻した中小企業等協同組合法3条2号に基づく信用協同組合である被告に平成10年8月から平成12年5月までの間に追加出資した原告らが,同出資の際,①被告の旧経営陣(理事)において,被告が,平成8年以降継続的に実質的な債務超過状態だった(主位的主...
《解 説》
1 本件は,動産売買の先取特権者が,物上代位の目的債権が譲渡され,第三者に対する対抗要件が備えられた後においても,目的債権を差し押さえて物上代位権を行使することができるか否かなどが争われた事案である。
A社は,B社に対し,商品(動産)を売り渡したところ,B社は,Y1~Y3に対...
《解 説》
1 訴外A(大正15年生)は,平成4年1月,自宅で倒れたため,同年2月12日,Yの経営するB病院に入院して精密検査を受けたところ,脳に未破裂脳動脈瘤があることが発見され,将来この脳動脈瘤が破裂する可能性があることを説明されたため,脳動脈瘤の破裂を予防するための手術(以下「本件手...
《解 説》
1 本件事案の概要
紡績業などを営んでいたY会社は,平成12年10月,再生手続開始の申立てをして,同年11月15日,その決定を受けた。Y会社は,申立て当初は紡績部門の事業継続を表明していたが,決定を受けると,その直後から紡績部門の廃業を表明して,同月21日以降,Xらを含む紡績...
《解 説》
本件は,富山市住民である控訴人らが,富山市長である被控訴人に対し,被控訴人が住民基本台帳法30条の2第1項に基づき控訴人らに11けたの番号(以下「住民票コード」という。)を付与した行為(以下「本件行為」という。)が憲法13条で保障されている控訴人らのプライバシーを侵害する違法な...
《解 説》
1 本件は,ヤミカルテルの存在を内部告発した従業員が,会社から長年にわたり不利益な取扱いをされたとして,債務不履行又は不法行為に基づき賃金格差分の損害3970万円及び慰謝料1000万円の支払並びに謝罪文の交付を請求した事案である。
Xは,大学を卒業して,昭和45年3月,貨物自...
《解 説》
1 X会社は,かつらその他毛髪に関する製品の販売,増毛法の指導及びかつらの利用者に対する理容・美容などの役務の提供を営業内容としている会社であり,Y会社は,A市内で,かつらのメンテナンス及び美容業を行うB美容室を開設している会社である。Zらは,X会社の元従業員であり,X会社退職...
《解 説》
1 本件は,御浜町の住民であるX(原告)が,Y1(御浜町長)及びY2(御浜税務住民課長)に対し,御浜町が80%以上を出資する第3セクターであるA社から固定資産税延滞金を徴収しないことが違法であるとして,地方自治法242条の2第1項3号に基づき,その違法確認を求めた住民訴訟である...
《解 説》
1 本件は,第二次世界大戦中に,朝鮮半島から女子勤労挺身隊(勤労挺身隊)の隊員として来日し,当時の三菱重工業株式会社(旧会社)の工場で労働に従事した6名とその遺族1名,合計7名の韓国に在住するXらが,Y1(三菱重工業株式会社)及びY2(国)に対し,勤労挺身隊の実態は,強制連行さ...
《解 説》
1 東京都知事であるYは,雑誌の取材,東京都議会の席上等において「“文明がもたらしたもっとも悪しき有害なものはババァ”なんだそうだ。“女性が生殖能力を失っても生きてるってのは,無駄で罪です”って。」等の発言(本件各発言)をした。東京都内及び隣接する県内に在住する女性であるXらは...
不動産について被担保債権を共通にする第 1順位と第3順位の根抵当権を有する債権者が,両根抵当権に基づいて当該不動産の賃料について物上代位による債権差押えを行い,これを取り立てた後に,当該不動産が担保権実行により競売された場合,上記各根抵当権を有する債権者が,当該不動産の売却代金の配当手続において,「物上代位によって取り立てた賃料は第 3順位の根抵当権により取り立てたものである」と主張することができないとされた事例
《解 説》
1 原告(妻)と被告(夫)は,昭和52年2月に婚姻し,長女(昭和52年生)と長男(昭和57年生)の2人の子をもうけた(なお,長女は平成9年に,長男は平成14年8月にそれぞれ成年に達した。)。その後,原告と被告は,昭和62年3月30日,家庭裁判所において,概要,①被告は,原告に対...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 反訴被告は,インターネット上のWebコンテンツのデータ量を削減して中継転送するコンテンツ中継サービス装置についての特許権(本件特許権。その特許発明を「本件発明」という。)を有している。なお,本件特許権については,特許異議の申立てがあり,一旦は進歩性(特...
《解 説》
1 控訴人(被告)は,本件不動産について被担保債権を共通にする第1順位と第3順位の根抵当権を有する地方銀行であり,被控訴人(原告)は,同不動産について第2順位の根抵当権を有する信用保証協会である。
控訴人は本件不動産について担保権の実行による競売(本件競売事件)を申し立てると...