《解 説》
1 本件は,財産的利益に関する意思決定権侵害に基づく慰謝料請求が認められるか否かなどが争われた事案である。
Xらは,住宅・都市整備公団(住宅公団)との間で,その設営に係る団地内の住宅につき賃貸借契約を締結していたところ,住宅公団が行う団地の建て替え事業に当たって,建て替え後の...
《解 説》
1 本件は,婚姻届を出さずに別居しながら子供2人をもうけ,約16年間にわたり婚姻外の男女関係(「パートナーシップ関係」)を続けた女性(原告)が,相手の男性(被告)から突然かつ一方的に関係解消を通告された上,被告が別の女性と婚姻したことによって精神的損害を受けたとして,慰謝料50...
《解 説》
1 本件は,別居期間2年4か月で7歳の未成熟子がいるケースにおいて,有責配偶者である夫が,妻の潔癖症を理由に離婚請求をした事案である。事案の概要は次のとおりである。
原告(夫,原審口頭弁論終結時34歳)と被告(妻,原審口頭弁論終結時33歳)は,平成6年に婚姻し,平成8年に長男...
《解 説》
1 土庄町の住民であるX(上告人)は,平成12年12月21日,土庄町情報公開条例所定の実施機関であるY(被上告人)に対し,「平成12年12月定例土庄町議会においてなされたA議員の質問部分及びそれに対する答弁(回答)部分の収録された録音テープの全部」の公開を請求した。ところが,Y...
《解 説》
1 Xは,平成14年12月31日,山形県米沢市所在の天元台スキー場(以下「本件スキー場」という。)において,同スキー場で借りたチューブ型そり(以下「本件そり」という)に乗って,本件スキー場しらかばゲレンデを滑走していたところ,制御が利かず加速した状態でリフトの本件鉄柱に衝突し(...
《解 説》
本件は,Yが運営するインターネット上の掲示板に記載された情報によって名誉,プライバシー又は名誉感情を傷つけられたとするXが,Yに対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)4条1項に基づく発信者情報の開...
《解 説》
1 原告及び被告は,ともに,玩具の製造,販売等を業とする会社である。被告は,平成10年9月から,女性ドール用素体(被告商品)を製造,販売していたところ,被告が製造,販売する商品の金型の製作等を委託していた原告も,平成14年5月から,女性ドール用素体等(原告商品)を製造,販売した...
《解 説》
1 本件は,新聞社のXが,雑誌社のYに対し,Yの発行している週刊誌「週刊新潮」に「読売新聞の伏魔殿『販売局』に国税のメスが入った 裏金スキャンダル」との見出しの記事及び同様の記載の見出しを付けた当該週刊誌の広告がそれぞれ掲載されたことにより,Xの名誉・信用が毀損されたとして,不...
《解 説》
第1 事案の概要
1 Xは,昭和47年10月にAと婚姻したが,平成5年2月にAと調停離婚した。Yが平成8年6月8日(土曜日)午前8時35分から,NHK総合テレビジョン番組「生活ほっとモーニング」において,「妻からの離縁状・突然の別れに戸惑う夫たち」と題する放送(以下「本件放送...
《解 説》
1 本件は,佐賀県(以下「県」という。)の住民である上告人(原告,控訴人)らが,県の平成5年度,同6年度,同8年度及び同9年度の複写機リース会社に対する複写機使用料の支出の一部が水増しされた違法な支出であるとして,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの)242条の2...
《解 説》
1 Xは刑務所で受刑中にAらを被告として別件民事訴訟を提起し,担当のB裁判官は,第1回口頭弁論期日を指定したが,同期日には双方当事者とも出頭しなかったため,期日を延期し,第2回口頭弁論期日を指定した。同期日の呼出状は,Aらには送達されたが,Xへは送達されなかった。第2回口頭弁論...
《解 説》
1 事案の概要
Xは,Yの経営するエステティックサロンにおいて,平成7年6月3日から,顔面等を中心にマッサージを行うエステティックの施術を継続的に受けていたが,平成13年12月21日,Yから,従前のエステティック施術と使用する薬剤もマッサージ方法も異なる顔面マッサージの施術(...
《解 説》
1 本件は,宅地建物取引業者である原告が,宅地建物取引業法(以下「法」という。)64条の2第1項の規定に基づく指定を受けた「宅地建物取引業保証協会」である被告に対し,原告から被告への入会申込みを被告が拒んだことが,法及び被告の定款に違反して無効であると主張し,(1)原告が被告の...
《解 説》
1 はじめに
本件は,保険管理人によって設置された弁護士及び公認会計士を委員とする調査委員会が作成した調査報告書が民訴法220条4号ニ所定の「専ら文書の所持者の利用に供するための文書」に当たらないといえるか,同号ハ所定の「第197条第1項第2号に規定する事実で黙秘の義務が免除...