《解 説》
一 本件は、XがYらからそれぞれ約束手形の振出を受けたとして、同各手形金及び手形法所定の利息金の支払を、手形訴訟により求めた事案であり、Xの支店に登記された支配人により訴訟提起されたものである。
判決の事実認定によると、Xは、いわゆる商工ローン業者で、中小・零細事業者に対する...
《解 説》
1 事案の概要
医師であるXが,Y県の知事に対し,医療法(平成9年法律第125号による改正前のもの)7条1項に基づく病院開設許可申請をしたところ,知事及び担当職員らが,①同申請に係る申請書を受理せずに6回にわたって返戻を繰り返して審査及び許可を遅延させたこと,②法律上添付が必...
《解 説》
1 本件は,公務員の出勤簿に記録された情報が情報公開条例所定の非開示情報である個人に関する情報に当たるかどうかが問題となった事件である。
富山県(以下「県」という。)の住民であるX(被控訴人,被上告人)は,旧富山県情報公開条例(昭和61年富山県条例第51号。平成13年富山県条...
《解 説》
1 本件は,新潟県内に住所を有する権利能力なき社団である1審原告が,旧新潟県情報公開条例(平成7年新潟県条例第1号。以下「本件条例」という。)に基づき,同県東京事務所(以下「県東京事務所」という。)における需用費の支出に関する公文書の公開請求をしたところ,その一部につき非公開処...
《解 説》
一 本件は、被告人が、名古屋市内の自宅車庫前の道路上に、夜間八時間を超えて自動車一台を駐車させて置いたとして、「自動車が夜間に道路上の同一の場所に引き続き八時間以上駐車することとなるような行為」(以下「路上継続駐車」ともいう。)の処罰を定めた、自動車の保管場所の確保等に関する法...
《解 説》
1 本件は,Xが,両網膜色素変性症により視野欠損率が96.16パーセントとなったため,国民年金法に基づく障害基礎年金の支給を請求したところ,静岡県知事からXの障害の状態は国民年金法施行令別表の2級15号に当たるとの裁定処分を受けたのに対し,上記障害の状態は同別表1級9号に当たる...
《解 説》
1 事案の概要
(1) 本件は,被告の設立する被告病院において,乳腺腫瘍(後に良性腫瘍である線維腺腫と判明。)を乳癌と診断されて乳房温存療法(乳腺4分の1切除術及び腋窩リンパ節郭清術。以下「本件手術」という。)を施行された原告が,被告に対し,診療契約の債務不履行に基づく損害賠...
《解 説》
1 Yは,建設工事に伴う近隣の土地・建物等への被害状況の調査及びこれらの被害補償についてのコンサルタント等を業とする株式会社であり,Xは,Yの従業員である。Xは,コンピュータを利用して建設工事による周辺の土地・建物等への影響を予測するシステム(CADAP)を開発し,CADAPに...
《解 説》
一 本件は、海運業を営んでいた朝鮮系中国人の被告人が、日本の暴力団関係者や韓国人海産物貿易業者らと共謀の上、営利の目的で、覚せい剤約一〇〇キログラムをシジミ入りの麻袋中に隠匿させるなどし、これを貨物船に積載して海路本邦に密輸入した、という覚せい剤取締法違反、関税法違反の事案であ...
《解 説》
1 本件は,妻Aが,実母Bから階段の角等に頭を打ち付けられるなどして頭部から多量に出血しているのを発見した被告人が,直ちに止血をし,救急車の派遣を求めるなどAの生存に必要な措置を講じないでAを放置し,Aを失血により死亡させたとして,保護責任者遺棄致死罪に問われた事案である(なお...
《解 説》
一 事案の概要
1 事実関係
(1) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う土地等の使用等に関する特別措置法(特措法)は、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条...
《解 説》
1 原告ら及び被告その他数名は,共同で「多湖輝の頭脳開発シリーズ」(当初シリーズ)を企画・制作し,被告がこれを出版した。その後,被告は,絵や構成を新しくした「多湖輝の頭脳開発シリーズ」(新シリーズ)を出版した。その後,さらに被告は,「多湖輝の新頭脳開発シリーズ」(本件シリーズ)...
《解 説》
1 本件は,弁護士に対する損害賠償請求事件であるが,事案の概略は次のとおりである。原告の父である故Aは,新宿区で桶類の製造を営んでいた。故Aが営んでいた場所は,故Aの仕事場でもあり,住居ともなっていた。しかし,当該場所の土地の登記名義は長男B,土地上にある住宅,マンション部分の...
《解 説》
1 本件は,Xが,前株主Aから株式を時効取得したとして,Y1会社とその代表者であるY2に対し,Xが株主であることの確認,株主名簿の書換及び株券の発行を求めたところ,Yらが,XがY1会社に対し,株主名簿の書換を請求する等,株主として権利行使をしたことがないと主張して,時効取得は成...
《解 説》
1 本件の事実関係は,次のとおりである。フィリピン国籍の被告人が,本邦で在留期間経過後,約14年間にわたって不法残留を続けたが,その時点で,一旦自ら入管に出頭し,出入国管理及び難民認定法(以下「法」という)52条4項の自費出国の許可を求めた。これに対し,入管は,それまでの不法残...