《解 説》
1 本件は,有価証券の売買,その取次業務等を目的とする株式会社に勤務し,顧客の勧誘等の営業活動に従事していた被告人が,会社代表者Aと共謀の上,株式売買の仲介等を仮装して一般投資家から株式購入代金等名下に金員を騙し取ろうと考え,平成11年9月から同12年5月までの間(同12年1月...
《解 説》
本件は,がんに罹患していた患者Aが,Y1が開設するY1病院に入院中に自殺したものであるところ,同病院に勤務し,Aの主治医であったY2医師及びY3医師において,①速やかにAに対し検査結果及び治療方針を説明しなかった適時説明義務違反及び②Aに対するがん告知の際に告知方法配慮義務違反...
《解 説》
1 第1事件は,原告が建築した建物について,著作権侵害と不正競争防止法2条1項3号の形態模倣が問題となった事件である。原告は,高級注文住宅「グルニエ・ダイン」シリーズを企画開発したが,被告が住宅展示場において建築した注文住宅(以下「被告建物」という。)が「グルニエ・ダイン」シリ...
《解 説》
1 本件は,換気口用フィルタに係る意匠権(本件意匠権)を有する原告X1及びX2が,被告に対し,被告商品(通気口用フィルタ)を製造販売する行為が主位的に意匠権侵害,予備的に民法709条所定の不法行為に該当するとして損害賠償を請求するとともに,本件意匠権の実施に係る商品である原告商...
《解 説》
1 Xは,A所有の本件土地を昭和37年2月17日から20年間占有してその所有権を時効取得したが,時効を援用せずその旨の登記を了しないうちに,AからB会社が本件土地について本件抵当権の設定を受けて抵当権設定登記を了した。次いで,YがBから本件抵当権を被告担保債権と共に譲り受けて抵...
《解 説》
一 本件は、特許取消訴訟の取消請求を棄却した東京高裁の判決に対する上告・上告受理申立て事件が最高裁に係属する間に、当該特許につき特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正審決が確定した場合に、上告審としていかなる裁判をすべきかが問題とされた事件である(なお、本件には、平成一五年法律第...
《解 説》
1 本件は,被告の設置・運営する町立小学校第3学年に在学していた原告(女子児童)が同小学校の体育館内でソフトバレーボールをしていたところ,バスケットボールを使って追いかけっこをしていた第6学年の男子児童と衝突し,頭部を打って負傷した結果,てんかんと頭痛の後遺障害が残ったことにつ...
《解 説》
1 本件は,駐車中の普通乗用自動車内において,覚せい剤約0.01グラムを含有する水溶液(ポリ容器入り)を所持したという事案である。
事件の経緯は,次のとおりである。
被告人は,以前から「とび口」1本を自己の普通乗用自動車の助手席足元の床上に隠し置き,一方,本件覚せい剤をセカ...
《解 説》
1 本件は,アニメの製作・供給等を業とするY1の委託に基づきアニメ作品の音声製作等を業とするY2が音声を製作したテレビ放送用アニメ作品に声優として出演したXら(出演者が死亡している場合の相続人を含む)が,その放送後,同作品がビデオ化されて販売されたことに伴い,Yらに対し,ビデオ...
《解 説》
一 本件は、金融機関の従業員から勧められて、同金融機関の融資を受けて接道要件を具備しない宅地を購入した顧客が、同従業員に接道要件不具備についての説明義務を怠った過失があるなどと主張して、同金融機関に対し、不法行為に基づく損害賠償を求めたものである。
二 Y信用金庫の従業員Aは...
《解 説》
1 本件は,進学塾の受講契約を中途解約したXが,経営者のYに対し,不当利得返還請求権に基づき,講習未実施分の受講料の返還を求めた事案であり,受講契約の中途解約を一切許さない特約が消費者契約法10条により無効であるかが争点となった。
Xは,平成14年春,大学医学部専門の進学塾を...