《解 説》
1 本件は,Yが設置するY大学に合格して入学金及び授業料(両者を併せて学納金)を納入し,その後Y大学への入学を辞退したXらが,Yに対し,いったん納入された学納金を一切返還しない旨の特約は,消費者契約法9条1号,10条,民法90条により無効であると主張して,契約解除による原状回復...
《解 説》
一 本件は、被告人らが国際運転免許証を偽造したという有印私文書偽造の事案である。被告人らは、偽国際運転免許証を顧客に販売することを業としており、本件偽国際運転免許証も、顧客に販売する目的で作成されたものである。本件文書は、道路交通に関するジュネーブ条約に基づく正規の国際運転免許...
《解 説》
1 X1は,平成8年7月12日,Yの経営する病院(以下「Y病院」という。)で帝王切開手術を受け,双子(X4及びX5)を出産したが,その後ARDS(成人呼吸窮迫症候群),DIC(播種性血管内凝固症候群),MOF(多臓器不全)に陥り,同月7月18日に心停止したことにより低酸素脳症を...
《解 説》
一 被告人は、単独あるいは共犯により、夜間の侵入盗等を繰り返していたところ、その一部の犯行が、まず建造物侵入・単純窃盗の訴因により起訴されて有罪判決が確定し、その確定後に、上記前科の余罪に当たる本件の窃盗事犯(計二二件)が、単純窃盗または建造物侵入・単純窃盗の訴因により起訴され...
《解 説》
1 株式会社日本長期信用銀行(Y銀行)は,平成10年10月23日,経営破綻して金融再生法に基づく特別公的管理を受けるようになった。Y銀行の子会社である長銀インターナショナルリース株式会社(A会社)は,Y銀行から多額の経済支援を受けて不良債権処理を行っていたが,平成11年5月25...
《解 説》
1 X(昭和19年生)は,平成元年,会社勤めをやめて喫茶店の経営をはじめたものであるが,平成4年1月10日,軽貨物自動車を運転中,後方から右側追い越しをしようとしたY1の運転する小型貨物自動車に衝突され,頚椎捻挫,頭部打撲等の傷害を負い,即日,救急車でA病院に入院した。
Xは...
《解 説》
1 本件は,第46期司法修習生であったXが,平成6年4月に司法修習を終え,最高裁に判事補採用願いを提出したが,判事補に指名されなかったことにつき,思想・信条を理由に判事補任命を拒否されたなどと主張して,国家賠償を求めた事案である。1審判決・大阪地判平12.5.26訟月46巻12...
《解 説》
一 本件は、A株式会社(以下「A」という。)の従業員であったXが、懲戒解雇されたため、当時のAの取締役(代表取締役を含む。)であったYらに対し、違法な懲戒解雇の決定に関与したとして、民法七〇九条、商法二六六条の三に基づき、損害賠償を請求する事案である。Aは、大阪市西区に本社を置...
《解 説》
一 本件は、被告(上告人)から建物の新築工事を請け負ってその建築をした建築業者である原告(被上告人)が、被告に対し、請負残代金の支払を求めた事案である。被告は、建築された建物の瑕疵修補に代わる損害賠償債権等を自働債権とし、請負残代金債権を受働債権として対当額で相殺したなどと主張...
《解 説》〔1 事案の概要〕
1 Xは,日本法人であり,日本国内で造礁サンゴ化石を粉砕したサンゴ化石微粉末を製造し,これを健康食品として販売し,米国にも同製品を輸出,販売している会社である。Yは日本法人であるが,サンゴ砂(コーラルサンド)を利用した健康増進のための組成物等の発明について米国...
《解 説》
1 本件は,被告人が,実妹に対して暴行を加え,傷害を負わせたという傷害事件である。本判決は,傷害罪の公訴事実中の暴行及び傷害の結果の各一部を除外して縮小認定した原判決に対し,被告人のみが控訴している場合であっても,原判決が認定した暴行のみでは原判決が認定した傷害の結果の多くを説...
《解 説》
1 船主責任制限手続における届出債権の確定作業は,第1次的には債権調査期日における調査によって行われ,そこで管理人及び関係人の異議がなければ確定する。異議のある届出債権については裁判所が査定の裁判をし,査定決定に不服のある関係人は,異議の訴えを提起できる(船舶の所有者等の責任の...
《解 説》
一 本件は、埼玉県所沢市内においてほうれん草等を生産する農家であるXら二九名(一審では三七六名、二審では四一名)が、放送事業を営むY社のニュース番組「ニュースステーション」において行われた本件放送(所沢産野菜のダイオキシン類汚染についての特集)により、所沢産の野菜の安全性に対す...