《解 説》
一 事案の概要
Xらの第一子Aは、出生後まもなく、重度の障害を伴うペリツェウス・メルツバッハル病(以下「PM病」という。)に罹患している疑いを、Y所属のB医師(PM病についての専門的知識を有する小児科医)に指摘され、Xらに連れられて、Yの医療施設を定期的に受診していた。Xらは...
《解 説》
一 本件は、原告が、亡父の相続に関して遺産分割協議に基づき相続税の申告をした後、他の相続人から遺産分割協議無効確認の訴えを提起され、同訴訟において、上記遺産分割協議が通謀虚偽表示により無効である旨の判決が確定したのを受けて、国税通則法二三条二項一号に基づき更正の請求をしたところ...
《解 説》
一 経営が悪化したワイン醸造業者数社は、県の高度化貸金を利用して三五億円余りをかけた新鋭の酒類醸造工場を建設することを計画し、新たに協業組合を結成した上、食品生産設備の製造等を業とする被告に生産設備工事を発注した。ところが、被告の工事代金のうち五億三三〇〇万円の支払が滞ったこと...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Xらは、Y電鉄に勤務するバス運転手であり、これまで、K労働組合(以下「K労組」という)に所属していた。Xらは、Y電鉄提案に係る自動車事業の経営改善策を巡るK労組の対応に不満を持ち、X新労組を結成し、平成一三年一一月一五日、K労組を脱退した。...
《解 説》
一 事案は、広域暴力団山口組の幹部で山健組組長である被告人が、遊興等のため、大阪から上京した際、被告人の警護を担当するスワットと称されるボディーガード(組員)らと共謀の上、同人らに適合実包の装填されたけん銃五丁等を所持させた(けん銃加重所持罪)というものである。
被告人は、本...
《解 説》
一 本件は、大手都市銀行に勤務し、M&A(企業の合併、買収)に関する仲介、助言業務等を行う部署に所属していた被告人甲が、同銀行がK社と締結していた、同社がM社の株式を購入するための仲介、助言等を内容とするアドバイザリー契約の履行に関し、M社株券の公開買付けの実施に関する事実を知...
《解 説》
1 Xは,平成5年2月,左眼の視力低下と視野欠損を訴えてYの設置するA病院に通院し,原発開放隅角緑内障と診断され,同年9月,これに対する手術を受けたが,その後,右眼に白内障があり進行していることが判明したため,平成10年8月,A病院において,右眼の白内障の手術を受けた。
しか...
《解 説》
1 本件は,原告が,被告に対し,独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(以下,条文を示す場合には「法」といい,法律名を示す場合には「情報公開法」という。)に基づき,法人文書の開示を求めたところ,被告が,一部不開示決定をなしたため,原告が,本件各処分の(一部)取消しを求め...
《解 説》
1 本件は,Y1の運転する貨物自動車に追突されて死亡したAの相続人であるX1及びX2が,Y1並びにY1の運転していた貨物自動車に同乗していたY2及びY3に対し民法709条及び719条に基づき,Y1の運転していた貨物自動車の保有者であるY4に対し自動車損害賠償保障法3条に基づいて...
《解 説》
1 本件は,学童保育事業を実施している原告が,被告に対し,被告の設置管理に係る小学校の余裕教室(以下「本件教室」という。)の借受けを申し入れる書類を提出したところ,被告がこれを返戻したり受理しなかったとして,国家賠償法1条1項に基づき,非財産的損害等の支払を求めた事案である。
...
《解 説》
一 本件は、Y1が設置運営する野球専門学校Aに入学した学生ら及びその父母らであるXらが、Aの授業内容及び施設設備等が、入学時に説明された内容等に比して著しく不十分であったなどとして、Y1に対して、債務不履行又は民法七〇九条及び七一九条一項の不法行為に基づく損害賠償、Aの創設者で...
《解 説》
1 本件は,養鶏場を経営していた被告人が,従業員と共謀の上,同養鶏場に住み込みで稼働していた別の従業員夫婦及びその居住家屋等に掛けられていた保険金等を取得する目的で,同住居に放火し,同住居を全焼させるとともに,その妻を殺害し,夫については,傷害を負わせたにとどまり,その目的を遂...
《解 説》
一 本件は、K市内で病院を経営する医療法人X1会の看護部長であったTが、平成一二年五月二八日午後二時ころ、X1会所有の車を運転中、A町の崖下に転落し、同人及びこれに同乗していた三名(X1会理事長夫人S子、看護部長兼理事であるKら二名)が死亡した事件についての保険金請求事件である...
《解 説》
1 本件は,綾瀬市さわやか事業団Aの会員である原告Xが,Aによる就業の機会の提供に応じて仕事の発注者の下で就業中に傷害を負ったことに関し,社団法人綾瀬市シルバー人材センターYがAの地位を承継した旨主張して,Yに対し,主位的に債務不履行,予備的に不法行為に基づき,損害賠償を求めた...
《解 説》
一 本件は、いわゆる川辺川利水訴訟として社会的耳目を集めた事件の控訴審判決である。事案は、建設大臣(現国土交通大臣)が熊本県球磨郡、球磨川の支流である川辺川上流にダムを建設することを計画し、本件の被告(被控訴人)である農林水産大臣がダムを水源とする利水事業として、熊本県人吉市を...
《解 説》
本件は,都立広尾病院の院長であった被告人が医師法違反等に問われた事案である。
患者Kは,関節リウマチを発症し,広尾病院に入院してA医師による中指滑膜切除手術を受けた。手術は成功し,術後の経過も順調であったが,手術の翌日,看護婦らが血液凝固防止剤と間違えて消毒液を点滴器具に注入...