《解 説》
一 本件は、Xら一五名が、詐欺的・脅迫的言辞を用いたY(世界基督教統一神霊協会)の信者による違法な勧誘行為によって、Yに対する献金・Yの関連会社が販売する商品の購入をさせられたとして、Yに対し、民法七〇九条又は民法七一五条に基づき、損害賠償として、献金・商品代金相当額、慰謝料及...
《解 説》
一 本件は、物上保証人所有の不動産を目的とする競売において、物上保証人が、被担保債権が時効消滅したと主張して、競売手続の取消しを求めて執行異議を申し立てた事案である。競売開始決定正本の債務者に対する送達が公示送達によってされた場合に、民法一五五条の通知がされたものとして被担保債...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,滋賀県内の愛知川流域内の一定地域を施行地域として,農業用用排水施設として永源寺第二ダムを新設することを主たる内容として平成6年になされた国営愛知川土地改良事業の事業計画決定に対し,施行地域ないし流域住民らから異議申立がなされたが,これを却下ないし棄却し...
《解 説》
1 事案の概要
本件は,青果仲卸業者を組合員として中小企業等協同組合法(中企法)に基づいて設立された事業協同組合から脱退した原告らが,同協同組合を被告として,脱退による持分の払戻金の支払を求めた事案である。
原告らが,その脱退により,被告に対し,脱退の効力が生じた平成12年...
《解 説》
1 X1ないしX5の5名は,Y1の詐欺行為により,消費者金融会社に対し債務を負担させられることになり,合計約690万円の損害を被った。Xらは,この損害を賠償させる意図で,Y1に,1000万円を一括支払いさせることを内容とする証書(本件証書)に署名押印させた上,さらにY1の妻であ...
《解 説》
一 本件は、竹原市の住民である原告が、竹原市長であった被告が竹原市立たけはら美術館の所蔵する美術品に対する盗難防止のための管理体制の整備について必要な措置を怠ったために、美術品が盗まれ、これによって竹原市が損害を被ったとして、地方自治法二四二条の二第一項四号前段に基づき損害賠償...
《解 説》
一 本件は、いわゆる草加事件として著名な事件である。事件の経過、本件訴訟の経過は、本判決の「第2 事案の概要」の「1 前提となる事実」の(2)、(3)に記載されたとおりである。
少年らは容疑者として逮捕され、最終的には全員が強姦等の非行事実を認める供述をしていたが、浦和家庭裁...
《解 説》
一 本件は、飲酒酩酊して正常な運転が困難な状態で、普通貨物自動車を運転して時速約二〇キロメートルで走行中、前方で信号に従い停止中の普通自動二輪車に追突させてその運転者(当時一七歳)を負傷させたのに、運転を継続し、時速約八〇キロメートルに加速して逃走中、左前方を同方向に進行中の原...
《解 説》
一 本件は、自動車の所有権取得の準拠法が問題となった事件である。
本件の事案については、概要図を参照されたい。本件自動車は、ドイツで登録され、ドイツ在住の個人BがA社(リース会社)とのリース契約によって使用していたメルセデスベンツ五〇〇SLという高級車である。X社は、ドイツの...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、東京都渋谷区の商業地(二筆合計四〇五・三三平方メートル)の平成九年度の固定資産評価について、固定資産評価審査決定の取消が請求された事件である。土地課税台帳に登録された価格は、合計で八億八七〇〇万八七六〇円であったが、これについて所有者Xがした審査申出は...
《解 説》
1 本件は,経営破たんした信用組合大阪弘容から損害賠償請求権等を譲り受けた原告が,「大阪弘容の理事長であった被告は,回収見込みのない8億円の高額融資(本件融資)をトップダウンで強引に実行させた。」などと主張して,中小企業等協同組合法38条の2第1項に基づき,本件融資によって大阪...
《解 説》
一 本件は、島根県安来市にある会社(Y1)の従業員(Y2)が、仕事を終え、通勤用の自転車を運転して帰宅途中にX運転の自転車と衝突して起こした交通事故について、被害者Xから、Y1及びY2に対し、損害賠償を求めた事案である。その中心的争点は、Y1が、Y2が起こした同事故につき民法七...
《解 説》
一 本件は、平成一三年七月二九日に行われた参議院議員通常選挙の選挙人であるXらが、Y(中央選挙管理会)に対し、上記選挙のうち比例代表選出議員の選挙を無効とすることを求めた事案である。この比例代表選出議員の選挙は、平成一二年一一月二一日から施行された公職選挙法の一部を改正する法律...
《解 説》
1 本件は,伊東市内の小学校に在学している生徒の母親が,伊東市個人情報保護条例(以下「本件条例」という。)に基づき,子の指導要録及び就学指導調査個票の開示を請求したところ,被告がそれらに記載されている情報をすべて非開示とする決定をしたことから,母親が原告となり,被告に対し,前記...
《解 説》
1 Aは,夜に激しい頭痛,悪心及び嘔吐を訴えて,Yの開設する病院で診察を受けた。当日の当直医であった内科医のO医師は,問診及び頭部CT検査等の諸検査をし,鎮痛薬を処方するとともに,翌日内科で診察を受けるよう勧めて,Aを帰宅させた。翌日,Aは,内科医のP医師の診察を受けた後,神経...
《解 説》
本件は、新規物質である「新規芳香族カルボン酸アミド誘導体の製造方法」に係る特許権(「本件特許権」)を有していたXが、本件特許権の目的物質の一つであるトラニラストを製造販売し若しくはトラニラストを便用した製剤を製造し、これを販売したYらに対し、特許法一〇四条の生産方法の推定規定の...