《解 説》
本件は、公職選挙法二五一条の二に規定するいわゆる連座制の適用が問題となった事案である。
被告は、某町町長選挙に立候補して当選したが、被告の実弟であるZが公職選挙法二二一条一項一号及び五号の罪(当選を得させる目的での物品等の供与あるいはその供与の申込)を犯して懲役刑に処せられた...
《解 説》
一 本件は、保険契約者(被保険者)である訴外人が、高度障害を負っていないにもかかわらず負ったとして、被告作成に係る原告宛の内容虚偽の障害診断書(以下「本件診断書」という。)を提出して、原告に対し高度障害保険金を請求し、原告から同保険金を詐取したことにつき、被告が、訴外人が高度障...
《解 説》
第一 事案の概要
本件は、中国の国民である原告らが、日本政府が昭和一七年一一月二七日に行った「華人労務者内地移入に関する件」と題する閣議決定により、昭和一八年及び昭和一九年ころ、被告らによって日本へ強制的に連行された上、被告会社が経営する三池鉱業所及び田川鉱業所等において過酷な...
《解 説》
一 本件は、仮執行宣言付判決の上訴審係属中、金銭を供託する方法による担保を立てて強制執行停止決定を得たYが破産宣告を受けたことから、破産管財人が、担保の事由が消滅したとして、担保取消しの申立てをし、担保取消決定が出されたという事件である。Xらが即時抗告をしたが、原審は、本件にお...
金銭債権に対する差押えの申立てにおいて附帯債権を申立て時までの確定金額として請求債権が表示された場合に配当手続で債権計算書を提出して申立て後の附帯債権を請求債権に加えることの許否(積極)
《解 説》
一 判決一(①事件)は、奈良県立医科大学(以下「奈良医大」という。)臨床医学教室教授兼同大学附属病院診療科部長であった被告人が、医師に対する教育、指導等の一環として、同教室等から定期的継続的に医師の派遣を受けていた関連病院に対し、同病院に勤務する医師を派遣するなどの便宜ある取り...
《解 説》
一 本件の事案の概要は以下のとおりである。X(原告・被控訴人)が、執行裁判所に対して、平成七年一一月三〇日、債務名義により、主たる債権と申立日までの附帯債権を請求債権とする債権差押命令の申立てをし、同裁判所がした債権差押命令が第三債務者Zに送達された。他方、Y(被告・控訴人)も...
《解 説》
一 本件は、自動車を運転し、勤務先に出勤する途中の被告人が、交差点の手前約一三七メートルの地点で赤信号を認めたのに、先を急ぐ余り、これを殊更無視し、直進車線で信号待ち停車中の自動車約一〇台を避けて直進するため、先行車両が停止していなかった右折車線に進路を変更した上、時速約七〇な...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
Aとの子であるXを懐胎していたBは、昭和六三年八月二〇日に陣痛が初来したためC病院に入院し、主治医であるY1から陣痛促進剤等の投与を受けたものの、分娩に至らなかったため、翌二一日にY2(国)が設置するD病院に転院したが、同病院において...
《解 説》
1 訴外Aは,平成4年11月30日,薬剤等に起因する皮膚病により,Yの経営するB病院に入院した。しかし,入院後も,Aの病状は好転せず,緑膿菌感染様汚染が拡大したり,腹部膨満がみられ,同年12月13日,死亡するに至った。
そこで,Aの遺族であるXは,Aの死因は緑膿菌感染による敗...
外形上債務者の責任財産と認められない他人名義の預金債権であっても,債権者が当該債権が真実債務者の責任財産であることを証明した場合には,執行裁判所は適法に執行手続を開始することができるとされた事例
《解 説》
1 Xは,平成6年11月4日,Yの開設するA病院において,胃ガンの治療のため,胃の3分の2を摘出する手術を受け,引き続き入院していたが,同月27日から腹痛が発生し,これが持続したため,同月28日,開腹手術が行われ,壊死していた腸管が切除された。
Xは,同年12月28日,大学病...
《解 説》
一 Xは、Yに対して和解調書による五六億円余の債権を有しているので、右和解調書正本に基づき、A会社名義の三億円の預金債権について債権差押命令を申し立て、A会社名義の預金は実質上Yに帰属するものであると主張した。
しかし、一審は、債務名義の執行力が及ぶ範囲は、外形上債務者の責任...
《解 説》
一 Xは、Yに対し、平成一一年改正前の県情報公開条例に基づいて平成六年度の県監査委員事務局の旅費及び食料費に関する文書並びに出勤簿の開示を請求したところ、Yはその一部を非開示とする決定をしたので、その取消しを求めて提訴した。
二 原審は、いくつかの争点のうち、①県条例九条二号...
《解 説》
一 宗教団体・アレフ(旧オウム真理教)の信者であるX(被控訴人・一審原告)らは、平成一三年八月一五日、杉並区役所において、同区内の住所地を転入先とする転入届を提出しようとしたが、Y2(杉並区長・一審相被告)は、この転入届をいずれも受理しなかった(本件不受理処分)。
Xらは、本...
《解 説》
一 本件は、Y(被告)の製造・販売する製品は、それそのものとしては発明の構成要件のすべてを充足するものではなく、X(原告)の特許権を侵害する物ではないが、購入者によって使用されている間に、構成要件を充足するに至るから、Yの行為は、特許法一〇一条一号にいう「その物の生産にのみ使用...