《解 説》
一1 本件は、A(昭和四三年生)が、被告の経営するB医院において、同院の院長であるC医師の観察及び処置の下で出産したが、その後Aが死亡したことから、C医師の分娩時及び出産後の処置に過失があったとして、Aの夫及び子であるX1、X2が、被告に対し、不法行為(使用者責任)に基づく損害...
《解 説》
一 本件は、フランチャイズ契約を締結したフランチャイジーが、フランチャイザーには、①客観的根拠を欠く虚偽の売上予測等を説明してフランチャイジーに同契約を締結させたこと、②フランチャイザーとして適正かつ正確な情報を提供すべき信義則上の義務に違反したこと等の行為があったとして、フラ...
《解 説》
一 本件は、指定暴力団の事務所又は連絡場所として使用されている建物の周辺住民であるXらが、暴力団組員同士の発砲事件を直接の契機として、人格権に基づき、同建物の所有者Yに対し、同建物の暴力団組事務所としての使用差止め及び執行官保管等を求める仮処分を申し立てた事案である。
二 仮...
《解 説》
一 本件は、他人のデータベースを複製し、それを自動車整備業用システムに組み込んで販売した行為が不法行為に当たるとする中間判決がなされた事件(東京地判平13・5・25)につき、損害論等についての終局判決がなされたものである。
二 この中間判決は、知的財産権訴訟において、中間判決...
《解 説》
本件は、一棟のビルを所有し賃貸していた会社が、賃借人からの更新拒絶によって賃貸借が終了したとして、ビルの一室の再転借人に対し、貸室の明渡しと賃料相当損害金の支払を求めた事案である。
原告は、昭和五〇年初めころ、ビルの賃貸、管理を業とする訴外甲株式会社の勧めにより、原告代表者所...
《解 説》
一 本件は、抵当不動産について敷金契約の付随する賃貸借契約が締結されたところ、抵当権者が物上代位権を行使して賃料債権を差し押さえ、取立権に基づきその支払等を求めた事案であり、差押え後に賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡された場合における敷金の賃料への充当は、上記物上代位権の行使...
《解 説》
一 住宅・都市整備公団は、埼玉県桶川市若宮一丁目所在の三七八五・三二平方メートルの土地に地上二五階建て、高さ七五・五メートルの共同住宅(以下「本件建築物」という。)を建築する計画を立て、建築基準法五二条一項所定の容積率制限の緩和のため、同法五九条の二に基づくいわゆる総合設計許可...
《解 説》
X1,X2は,Aの両親である。Aは,平成10年10月から12月にかけてB(後にY1が権利義務を承継)及びY2~Y4との間で合計4件の交通傷害保険に加入した。これらの保険契約では,いずれも,運行中の自動車等に搭乗している被保険者が急激かつ偶然な外来の事故により傷害を被りその直接の...
《解 説》
1 本件は,被害者である相手方が配偶者である抗告人に対し,相手方が抗告人から激しい暴力を受けていると主張して配偶者暴力に関する保護命令の申立てをし,原審がこれを認容して接近禁止命令を発令したので,抗告人がこれを不服として抗告をした事案である。
2 本決定は,被害者が主張する暴...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
A会社(本件合併法人)は、平成九年一〇月にB会社(本件被合併法人)を吸収合併(本件合併)し、平成一〇年一〇月に破産したものであるが、同社破産管財人Xは、平成九年一〇月から平成一〇年九月までの事業年度(本件欠損事業年度)に係る法人税につ...
《解 説》
一 本件は、被告人が、秋田県大館市内の農地(以下「本件土地」という)を転用して売却しようと考え、大館市産業部農林課長らと共謀の上、秋田県知事の許可を受けることなく、大館市が本件土地を土石の捨場として借り受け、土木建設工事の土砂を投棄することにより、転用を開始し、その後、本件土地...
《解 説》
1 Xは,平成11年初めころから,左目の視力・視野異常を感じ始め,眼科医を受診したが,検査では視野異常は認められなかった。その後,Xは,眼に異常がないのに視力低下・視野異常がある場合には下垂体腫瘍が疑われることを知ったため,同年4月にY病院の内科を受診した。Xは,Y病院において...
《解 説》
一 本件は、昭和三六年三月に発生したいわゆる名張毒ぶどう酒殺人事件として著名な殺人、同未遂事件の第六次再審請求に関する特別抗告事件である。
確定判決の認定した犯罪事実によれば、申立人は、妻と愛人との三角関係の処置に窮した末、両名を殺害して、この三角関係を一挙に清算すれば、すべ...
《解 説》
1 訴外Aは,平成5年10月,Y1の経営するB病院に入院し,同病院において,全身麻酔のうえ胃の切除手術を受けたが,執刀の開始直後にチアノーゼ状態に陥ったため,前記手術を中止し,緊急の蘇生活動が行われたが,低酸素血症による心不全により死亡した。
そこで,Aの遺族であるXらは,麻...
《解 説》
一 訴外Aは、平成五年五月二九日、突然頭痛、気分不良になったため、済生会病院でCT検査を受けたところ、くも膜下出血の疑いがあるとされたため、同病院の紹介により、Y1の経営する市立病院に転院入院した。
そして、Aは、六月二四日、市立病院において、医師Y2、Y3の執刀により脳底動...
《解 説》
1 訴外A(昭和23年生)は,平成4年2月,Yの設置する「福島労災病院」において診察を受けたところ,「睡眠時無呼吸症候群」と診断され,その後,右脚の伝導障害が発症し,心筋炎,肺塞栓等の症状がみられたため,平成5年1月,同病院に入院した。そして,Aは,同病院において,両側扁桃切除...