《解 説》
本件は、土地の売買契約がいわゆる数量指示売買に当たるかどうかが争われた事案である。
原告らは、不動産仲介業者を介して、被告から、愛知県岡崎市の市街化区域内に所在する本件土地(地目畑、公簿面積一七七平方メートル、更地)を買い受けた。原告らと被告は、本件土地を住宅用の敷地として売...
《解 説》
一 本件は、集合債権譲渡担保契約を締結した担保権者が、担保設定者の破産管財人及び目的債権についての滞納処分による差押債権者である国に対し、譲渡担保権を主張して、第三債務者のした弁済供託金について、その還付請求権の帰属の確認を求めた事件である。
Xは、訴外会社Aに対する貸金債権...
《解 説》
一 原告らは、昭和一七年ころ日本軍の軍属として採用され、タイ、マレーの俘虜収容所等において俘虜監視等の任務に就き、終戦後、連合国によりBC級戦犯として死刑若しくは拘禁刑を宣告されてその執行を受けた、又は同戦犯容疑で逮捕・拘禁された朝鮮半島出身の元軍属又はその遺族である。なお、原...
《解 説》
一 原告は、被告との間で、建物所有目的で、土地の賃貸借契約を締結し、その土地上に公衆浴場兼居宅の建物を建て、温泉利用権を取得して公衆浴場の営業を行っていたが、四〇年後の更新時に更新を拒絶され、建物収去土地明渡請求訴訟を提起され、更新拒絶の正当事由を補完する金一億五四三五万円と引...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。X1は、世田谷区立A中学校一年生であったが、訴外Bが、授業中、同級生に対して投げた椅子が左頭部に当たり、頭部打撲症等の傷害を受けた。X1及びその両親であるX2、X3は、前記事故が原因で、X1は、心因性歩行障害及び心的外傷後ストレス障害(PT...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
A(昭和一四年生まれの男性)は、平成三年一一月、他院から指摘された解離性脳動脈瘤の治療のためにバルーン塞栓術(血管内手術の一種であり、血管から挿入されたカテーテルに着けたバルーンを用いて脳動脈の解離の起点よりも近位〔心臓側〕の血管を閉...
1 はじめに
2 瑕疵担保責任をめぐる論点
3 売買の目的物【論点①】,完全履行請求の可否【論点④】ーその1 (不特定物)
4 売買の目的物【論点①】,完全履行請求の可否【論点④】ーその 2 (特定物)
5 損害の範囲(信頼利益か履行利益か)【論点③】
6 瑕疵の内容【論点②】
7 民法566条3項の1年の期間制限の法的性質【論点⑤】ー最三小判平4.10.20民集46巻7号1129頁,平4最判解説(民)383頁
8 瑕疵担保による損害賠償請求権と消滅時効【論点⑥】ー最三小判平13.11.27民集55巻6号1311頁,平13最判解説(民)(下)743頁
9 総括
《解 説》
一 本件は、栃木県内に住所を有する参加人が、栃木県公文書の開示に関する条例(昭和六一年栃木県条例第一号。以下「本件条例」という。)に基づき、本件条例の実施機関である被告(被控訴人、被上告人)に対し、原告(控訴人、上告人)が宇都宮市内に建設を予定していた帝京大学理工学部の施設整備...
《解 説》
一 本件は、原告が、賃借していた建物の賃貸人が死亡した後にその相続人であるなどと主張する複数の者から賃料の支払請求を受けたため、過失なくして債権者を確知することができないことを原因として賃料の供託をした後、その取戻しを請求したところ、供託金取戻請求権は各供託の時から一〇年の時効...
《解 説》
一 訴外会社は、預託金九五〇万円を支払って被告が経営するゴルフ場の預託金会員権を取得したが、その際、被告参加人・相互銀行との相互銀行取引から生ずる一切の債務を担保するため、右会員権を譲渡することを予約し、被告は確定日付ある証書によりこの譲渡予約を承諾した。平成三年一〇月、被告参...
《解 説》
一 本件土地の所有者であるAは、Xほか一名に、一坪当たりの単価に実測面積を乗じた額を代金額として本件土地を売却することになり、測量士Bに本件土地の測量を依頼した。Bはさらに右測量を測量会社Cに依頼し、Cが測量を行ったが、求積の際に計算を誤った結果、真実の面積より約一五パーセント...
《解 説》
一 本件は、Yから土地を購入したXが、この土地に隠れた瑕疵があったと主張して、Yに対し瑕疵担保による損害賠償を請求した事案である。Xがこの請求したのは、瑕疵を発見してから一年以内であり、民法五七〇条、五六六条三項所定の除斥期間内であったが、売買契約及び土地引渡しから二〇年以上経...
《解 説》
一 本件は、開業医であるものの、乳がんの専門医であるYに乳がんと診断されてその執刀により、乳房の膨らみをすべて取る胸筋温存乳房切除術を受けたXが、Yに対し、腫瘤とその周囲の乳房の一部のみを取る乳房温存療法についての説明義務違反を理由に診療契約上の債務不履行等に基づく損害賠償を請...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、原告らの父(被害者、七五歳)が交通事故により負傷し、さらに、その負傷により被告富山県の設置する病院(被告病院)に入院した際、同病院の医師及び看護婦らの過失により、食事中に食物をのどに詰まらせて窒息死したとして、原告らが、事故加害者に対しては自賠法三条に...