《解 説》
一 Xは、平成八年一〇月当時、夫の左官業の手伝いと家事労働をしていたが、同月一九日、原動機付自転車に乗車して、三重県四日市市内の交差点付近を走行中、Y1の運転する乗用車に衝突され、頭部傷害、頚随不全損傷等の傷害を負った。そして、Xは、平成八年一〇月一九日から平成九年一二月三一日...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、公立中学校の一学年の在学中に自殺したA子の両親である原告らが、中学校設置者である富山市に対し、A子は中学校でのいじめにより自殺したのであり、学校には在学契約又は信義則に基づく安全保持義務(いじめ及びそれによる自殺を防止すべき義務)又は調査報告義務(いじ...
《解 説》
一 事案の概要
本件は、我が国初のパソコン通信ネットワーク上の発言の名誉毀損等の成否、システム・オペレーター(パソコン通信の主宰者との間の契約に基づき、特定のフォーラムの運営・管理を委託されている者。以下、「シスオペ」という。)の削除義務、パソコン通信の主宰者であるサーバーの...
《解 説》
一 本件は、音楽の共同著作物の共有者の一人であるXが、他の共有者であるYに対して、両者の間で、音楽の共同著作物に係る著作権法六五条、六四条所定の共有著作権行使の代表者の地位をYとする旨合意した契約を解除したと主張して、Yが右代表者の地位にないことの確認を求めた事案であり、その概...
《解 説》
一 原告は、不動産鑑定業を目的とする有限会社であるが、社団法人日本不動産鑑定協会の下部団体であり、茨城県内に事務所を有する不動産鑑定士及び不動産鑑定を業とする法人によって組織される社団法人である被告が、会員二名の推薦を被告への入会の要件とするなどして、原告による、茨城県内の各市...
《解 説》
一 本件は、宅配鮨のフランチャイズ・チェーンを主宰する原告が、同種の宅配鮨店を経営する被告に対し、被告商品の宅配鮨は、原告商品の宅配鮨の形態を模倣したものであり、不正競争防止法二条一項三号所定の不正競争行為にあたると主張して損害賠償を求めるとともに、被告の営業形態は原告のそれを...
《解 説》
一 事案の概要 ①事件は、愛知県の住民である原告らが、県が指名競争入札の方法により発注した浄水場計装設備更新工事について、同工事の請負契約に係る工事代金が、被告会社らによる談合行為により不当につり上げられ、その結果、県は、談合がなければ形成されたであろう契約金額と現実の契約金額...
《解 説》
一 申立人は、殺人、強盗殺人未遂、強盗致傷等の罪により、平成五年一〇月二七日死刑判決を言い渡され、原審(国選)弁護人は即日控訴の申立てをなしたが、申立人は同年一一月一六日控訴取下書によりこれを取り下げたものであるところ、その後申立人から選任された本件弁護人らは控訴取下げは無効で...
《解 説》
一 本件事案の概要は、次のとおりである。
Xは、旧国鉄が分割民営化された会社の一つであり、Yは、Xの千葉支社管内における動力車に関係する業務に従事する従業員などで構成される労働組合である。
Yは、平成二年三月一九日午前零時からストライキを予定していた。Yは、Xとの間で、争議...
《解 説》
一 本件の事案の概要は次のとおりである。
1 洋品店の店員から市議会議員であったA(X1の妻、X2の母)に洋服を万引きされたとの被害届が警察に出され、警察はAを窃盗事件の被疑者として検察官に送致したが、その後Aはマンションの非常階段から転落して死亡した。
2 この事件につい...
《解 説》
一 本件事案の概要は以下のとおりである。
X(昭和八年生まれの男性)は、平成五年六月、Y1(国)経営に係る国立大阪南病院(被告病院)において実施された脳血管造影検査の結果、内頚動脈後交通動脈分岐部から発生した未破裂脳動脈瘤(本件動脈瘤)が発見されたことから、その治療のためにク...
《解 説》
一 本件は、抹消登録された自動車を譲り受けた原告が、抹消登録前の登録番号を使用すべく、抹消登録の回復申請をしたところ、被告が、回復申請をなし得べき場合に当たらないとして、自動車登録令(以下「登録令」という。)二一条一項二号に基づき申請を不受理としたことから、原告がその取消しを求...
《解 説》
一 本件は、厚生年金保険法(以下「法」という。)に基づく老齢厚生年金の受給権者であった者が死亡したことにより、その戸籍上の配偶者である原告及び被保険者と内縁関係にあった者(補助参加人)の両名が遺族厚生年金の請求をしたところ、いったんは原告に対し支給裁定がなされ、補助参加人に対し...
《解 説》
一 本件は、陸地が人工的に掘削され常時海面下の土地となった場合、なお従前の土地所有者の所有権が存続するかが争点となった事案である。もともとX所有の陸地であった本件土地は、Xの同意の元、Yの管理する大井川港の泊地とするために掘削され、常時海面下五・五メートルないし八・二メートルの...
《解 説》
1 Xの母A(明治41年生)は,平成2年11月から,Y1の開設する老人ホームに入居し,生活していたが,平成7年12月,Y2が開設する「医療センター」に入院し,腰椎圧迫骨折等の治療を受け,平成8年1月,医療センターを退院した。
Aは,退院後,老人ホームに戻り,生活していたが,平...
《解 説》
本件は、病院で生まれたばかりの赤ん坊が新生児室から忽然といなくなり、雪の降るなかを懸命な捜査が続けられた結果、六日後に無事保護され、この間、マスコミによって大きく取り上げられ、社会の耳目を集めた事件である。
犯人として逮捕された被告人は、当時二九歳の女性であり、交際相手の男性...