《解 説》
一 本件は、旧刑事訴訟法(大正一一年法律第七五号、以下「旧法」という。)の適用されていた昭和二〇年に恐喝、殺人未遂、殺人の各罪を犯したとの理由で逮捕勾留された被告人が、予審の請求をされた後に勾留場所の名古屋拘置所から逃走し、以後被告人の所在不明のため長期間審理を行うことができず...
《解 説》
一 A(昭和六三年一月二八日生まれ、当時一一歳の女子)は、平成一一年九月一六日午前八時一八分ころ、信号機による交通整理が行われていない交差点を横断しようとしたところ、走行してきたY1(被告・控訴人)が保有し、Y2(被告・控訴人)が運転する普通貨物自動車にはねられて死亡した。本件...
《解 説》
一 本件は、被控訴人の北九州市内の事業所に勤務していた控訴人A及びB(以下「控訴人両名」という)の両名が、被控訴人の控訴人両名に対する千葉県富津市内の事業所に勤務することを命じる旨の転勤命令は、労働契約に違反し、または、権利の濫用として無効であると主張して、被控訴人に対し、同転...
《解 説》
一 本件は、被告人が光徳寺から盗み出された棟方志功の版画、掛軸などをその窃盗犯の一人から受け取っていたが、当時、これが盗品であることを知らず、貸付金の担保として預かったにすぎないと知情性を争った贓物故買の事案である。被告人は捜査段階から一貫して知情性を争っており、窃盗犯らは被告...
《解 説》
一 本件は、自分たちの子供である六歳の児童に対し、躾と称して日常的に厳しい折檻を加えていた被告人両名が、盗み食いをした同児に腹を立て、折檻を加えて死亡させ、さらにその死体を山中に遺棄した事件である。判決文によると、その概要は以下のとおりである。
X男は、長女A子と長男B男の二...
《解 説》
一 本件は、原告がその所有する建物を目的として保険会社である被告との間で火災保険契約を締結したところ、右建物が火災により全焼したことから、被告に対し、右保険契約に基づき保険金の請求をしたのに対し、被告が、本件火災は原告又はその関係者が関与しており、本件火災について原告に故意又は...
《解 説》
一 東京都は、Aから提起された訴訟事件に応訴していたが、平成一〇年三月三〇日、Aとの間で、都がAに対し八五億円を支払い、A所有の甲土地を取得するとの本件和解を成立させ、Aに対し八五億円を支出した。都では、都議会の本件議決により、都が応訴する訴訟事件の和解を都知事の専決処分とする...
《解 説》
一 本件事案の概要は次のとおりである。Xは、Yが「ニフティサーブ」の名称で提供しているパソコン通信サービスの会員に加入し、そのサービスの提供を受けていた者であるが、ニフティサーブ上で、①ニフティサーブ会員ID番号********番(ハンドル名、丙山、以下「丙山」という)から「自...
《解 説》
一 本件は、Xら二三名が、家庭用ゲームソフト「ダービースタリオン」(計四バージョン。以下「本件各ゲーム」という)を製作、販売するYを被告として、Yが、本件各ゲーム中に、Xらの所有し又は所有していた競走馬(計六四頭、オグリキャップ等の著名な馬も含まれる)の名称を、Xらの許諾を得る...
《解 説》
一 Xは、パチンコ型スロットマシン(以下「パチスロ機」という。)業界において、特許権等の工業所有権及び著作権(以下「特許権等」と総称する。)を保有する者から再実施許諾権付きで実施許諾を得て、パチスロ機製造業者に対して有償で再実施許諾して、その実施料を特許権者等に還元することを業...
《解 説》
造園業を営むX1及びその代表者であるX2は、その所有する建物及び家財について、損害保険会社であるY1及びY2との間で、火災保険契約を締結していたが、同建物及び家財が火災事故により焼失した。そこで、X1及びX2は、Y1及びY2に対して、右火災保険契約により火災保険金の支払いを請求...
《解 説》
1 訴外Aは,平成9年5月当時,訴外B社とC社の代表取締役であったが,同月25日午前零時頃,福井県武生市内の国道8号線を普通乗用自動車を運転して走行中,武生トンネル入口の左側コンクリート門壁に衝突し,同日,死亡した(以下これを「本件事故」という。)A,B社,C社は,Y(保険会社...
《解 説》
一 訴外AとBは、ともにC会社の従業員であるところ、平成一一年八月一一日、会社所有の普通貨物自動車の荷台に畳の芯材を積み込んで、会社の畳製造工場に運転してきたものであるが、同工場の建物に進入しようとしたところ、工場の入口のシャッターに積荷がつかえる状態にあったため、Bが右自動車...
《解 説》
一 ①事件は、被告設置に係る病院の臨床研修医である亡Aが最低賃金法二条一号所定の労働者に当たるにもかかわらず、被告から労務の対価として最低賃金法四条所定の最低賃金額を下回る給与額しか支払を受けなかったとして、亡Aの相続人(両親)である原告らが被告に対し、最低賃金額と亡Aの受給額...
《解 説》
一 ①事件は、原告が被告に対し、無償旅客自動車運送事業経営に係る届出をしたところ、被告が届出書を不受理として返付したため、原告がその取消しを求めた抗告訴訟であり、②事件は、①事件の原告が、①事件に係る届出が有効であることを前提として、同届出に係る事業に使用するための自動車の新規...
《解 説》
一 訴外Aは、平成四年一〇月七日、交通事故に遭って外傷性くも膜下出血等の傷害を負い、Yの経営する病院に入院して治療を受けていたが、同月二〇日、急性壊死性膵炎により死亡するに至った。
そこで、Aの遺族であるXらは、担当医師には、急性膵炎に罹患しているAに対し、適切な治療を施さな...